スーパーロボット大戦V / レビュー(ネタバレ含む)
長所(Good point)
★シンプルなシステムで戦略性が高い
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★戦艦が強すぎる
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★各要素の緩和化
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短所(Bad point)
★クォータービューがやや見づらい
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★2種主人公の差異が殆ど無い
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★イベント時に歌無しverが流れる事がある
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★SRポイント取得の意味が薄い
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★敵武装が少ない
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感想(Comment)
本作「スパロボV」は版権キャラを使ったスパロボとしては初のPS4作品となっており、グラフィック面も特に向上している(特に爆発の演出)。さらに「スパロボ25周年記念作品」となっており、ヒュッケバインとグルンガストが参戦。スパロボオリジナルのマジンガーとして「マジンエンペラーG」が新たに参戦した。これはスパロボFのマジンカイザー以来の面白い催しで、マジンガーファンなら嬉しい演出だと思われます。
今作は単発タイプのスパロボでキャッチコピーは「鋼の巨人達は、新たなる航海(Voyage)へ」。
ゲームシステムとしては2年前に発売された「第3次Z」をベースにしたモノとなっており、シンプルなシングルユニット制を採用した事も加味して分かり易い内容となっています。というかスパロボ史上最大の簡単さと言って良い内容となっています。簡単な理由として、以下が挙げられます。
- TacPを払う事で誰にでもスキルを付けられる。(能力値上昇も可能)
- 底力Lv9を付けるだけでもお手軽に誰でも強く出来る。
- Zシリーズ同様、強力すぎる強化パーツをTacPで購入可能(例:毎ターンEN完全回復のハイパージェネレーター等)。
これで戦艦を超強化する事で、全ての敵を単艦で一掃する事すら可能。そこまでせずとも、「底力Lv9」と全5段階改造だけでも十分に無双出来る程である。もう「宇宙戦艦ヤマトだけで良いんじゃないかな」という状態である。誇張でもなんでもなく、実際にそうなっている。

おかげでクリアする頃には宇宙戦艦ヤマトが大好きになってしまい、原作(リメイクの2199の方だけど)を全部見て、作者繋がりでハーロックと銀河鉄道999までも見るほどに好きになる程ハマってしまいました。
三式弾の着火音、突撃戦法の派手さとラストの謎のパリン音…あと波動砲時のターゲットスコープ…全部好きなんだわ(*´ω`*)

そんなニッチな嗜好はともかく、攻略面では戦艦に高火力ユニットを満載しておけば、一斉発艦してロボット総攻撃する事でボスも1ターンで蒸発する。更に出た機体は即座に「緊急回収」で引っ込められるという念の入り様。もう戦艦を主体に無双してくださいと言わんばかりの設計で、歴代スパロボの中でも最易と言って良い内容でした。ただ、それが悪いとは思ってません。むしろサクサク進めて個人的には面白かったです。
他にも、ボスユニットのHPが低く、最大でも12万程度でした。過去作は50万~80万とかいたのに…。さらに、ある程度痛めつけるとHPが回復する、いわゆる「ド根性イベント」が今回はあまりありませんでした。ただ前述の通り「底力」の影響がかなり大きく、瀕死近くなるとファンネル等のヘタな攻撃は10ダメージにまで減少され、「火力大事」な傾向は強かった様に思います。戦艦で無双出来る事も相まって今作は特機優遇だったかな。
一方、ストーリー面の感想としては「地球はガミラスの攻撃によって海は干上がり、人類の殆どは生活圏を宇宙へと移動しなければならなかった」という、これまでのスパロボでも類を見ない程のヤバイ状況という所からスタートなのは掴みとして良かったと思います。ストーリー設定におけるクロスオーバーも色々凝っており、以下の様なモノが挙げられる。
- マイトガインの主人公「旋風寺舞人」はダイターン3の「破嵐万丈」の弟子。さらに万丈は旋風寺コンツェルンのスポンサーであり、大株主。
- マイトガインのライバルキャラ「エースのジョー」はガンダム00の「グラハム・エーカー」の部下だった。
- 破嵐万丈はA級ジャンパー。火星生まれである設定を利用している。
- 劇場版ナデシコの敵キャラ「北辰」は高い戦闘能力の理由として「最後のメガノイド」という事になっている。
- クロスアンジュのパラメイル部隊のチームワークがなっておらず、むしろ仲間内での殺し合いすら行われそうな状況を危惧し、ソレスタルビーイングが部隊を買い取った。完全歩合制だったのを給料制にし、チームワークがなっていない場合は減給とする事で状況の改善を図った。(モチベーション維持の為、撃墜数に比例してボーナスを 与える仕組みもある為、結局撃墜数トップのアンジュが槍玉に挙げられる事自体は変わらなかったが…)
- ボソンジャンプに使う演算ユニットへのコンタクトの為、アムロとνガンダムが木連に利用されていた。
- クロスアンジュで登場する強大なエネルギーを持つ超対称性粒子「ドラグニウム」はゲッター線とイコール。ゲッタードラゴンの名の由来もそこから来ているという事になっている。
- フルメタ原作同様、アームスレイブやラムダ・ドライバはウィスパードが生み出したが、それのみならずサイコミュも開発した事になっている。
以上の様に、版権作品同士の絡みは良いと思いましたが、その反面、主人公勢はイマイチかなと感じました。男主人公である「ソウジ」は、ヤマトの「メ号作戦」に参加していた真面目一辺倒な兵士だったが、仲間がその戦いで全て戦死してからは「仲間の分まで楽しく生きる」と決めて無頼に生きているという設定。その反面、命を軽んじる者を許せない気持ちが強く、ガミラスを始めとした敵に対し、全力で戦うイイ男。
一方のサブ主人公の女の子「チトセ」は平和な生活を望み、序盤からフェードアウトしていくが、忘れた頃(後半)になって今作オリジナルの敵である「ガーディム」の先兵となって敵対。その理由はガーディムに「イスカンダルはかつて波動砲で他を脅かした恐るべき敵だ」と一方的な情報で操られていたからなのだが…あまりにもちょろすぎるだろと思う。ガーディムの連中は他を見下す人間味の無い存在だけに尚更そう思う。 また、こちら側に復帰しても機体が弱く、普通に主人公機に3人乗りになるとかの方がまだ良かった。結局の所、サブ主人公はストーリー的にも戦力的にもイマイチ存在感を出せていない様に思えた。
こうして見ると、「ソウジ」は主人公らしいカッコいい男で、「チトセ」は敵にあっさり騙されるちょろい子、という風になりますが、最初の主人公選択が逆なら、立場も逆になり、取る行動も逆転します。「ソウジ」そんなヤツじゃなかったよね!?と違和感バリバリ。単純に逆転させるだけじゃなく、ヒネりが欲しかった。AIの「ナイン」についてはどんどん人間らしくなっていく経緯とか、節々に見える健気さ等が良いキャラだな~と思います。本作の癒し。
あとは並行世界が3つある事もストーリーをややこしくしてる要因としてあると思いますね。終盤「それらが融合しそうだから止めよう」となりますが、融合したらどうヤバいんだっけ?とかイマイチ理解出来てなかったり^^;
ヤバイといえば…

闇の帝王を撃破すると「人の心に闇がある限り、わしは必ず戻ってくるぞ」とか悪役っぽいセリフを残して消える際、あらゆる因果の果てに待つのはマジンガーZEROとゲッターエンペラーというトンデモタッグが立ちはだかる光景を目の当たりにし、絶望した末に闇の帝王は完全消滅してしまうという。何か敵の方が可哀想になるくらい吹いてしまいましたw
総評としては「クロスオーバーは良く出来てるけどトータルでの印象は薄め」という所です。世界観がヤマトメインなので、宇宙戦艦ヤマト好きなら確実に推せます。
原作の歌が流れるソングエディションは今作初でしたが、想像以上に盛り上がったので次回作以降も導入して欲しいですね。価格が5ケタとお高めではありますが…スパロボファンとしては課金したつもりでいます。今後もスパロボを盛り立ててほしいですねヽ(*'▽')ノ
ラスボスメモ
ifルートバージョン。アーケイディア(ネバンリンナ) Lv70、HP33000 HP回復(小)、2回行動+覚醒、底力9、極、闘争心3、プレッシャー4、ガード3 厄介ランクC (従来の全スパロボ中での比較評価) 数千年前に大マゼラン銀河の覇権をイスカンダルと争っていた星間国家ガーディム。かの国は過ぎた効率性と管理社会で内乱を生み、滅びた。ガーディム再生システムである「ネバンリンナ」は、国が滅びた主な理由はガーディム人自体と判断し、他を見下すガーディム生き残りを殺害。 一方で地球人は尊敬に値する個体と判断し、それをフィードバックした新たなガーディム人を創造し、地球制圧⇒新ガーディム発足を目論んだ。死の間際、地球に亡命したガーディム人の遺伝子が、今なお根づいている事を知り、ナインにこれからの地球を託して逝くのだった。 シリーズ従来にはなかったラスボス25機編成。通常ルートだと高HPで一体らしい。勝利条件は全て撃破で、MAP兵器で一掃出来ない様に初期配置はバラけている。個々の能力は極めて高く、必中を使わないと大抵の攻撃が命中率0%となる。さらに全員が実質3回行動で、強力な決め技とMAP兵器を持つ。普通に複数のユニットで攻めると酷い事になりかねないが、「鉄壁&スマッシュヒット」のヤマト1艦で1ターンキルが可能。着艦戦法自体が本作で極めて有効だが、ラスボスまでこれ程マッチしていると弱いとしか感じなかったので、厄介ランクはC。 |
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