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ドラゴンクエスト3 そして伝説へ…(HD-2D版) / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★ストーリー描写の追加
  • 特にオルテガ関連が多く追加されており、根幹は殆ど変えずにストーリーの重厚さを高めている。
  • ボイス追加も手伝って、ドラマ性はより高くなっている。
  • 原作では「何でオーブ集める事になってんだ?」と思うような描写不足な部分も補強されている。
★ドット絵による美麗さの追求
  • 昨今のゲームは実写かと見まがう作品が多いが、本作はHD-2Dというだけありドット絵の中で美麗さを追求している。こういうので良いんだよ!
  • 町を歩けば鳥が飛び、地下や洞窟を歩けばネズミが散り、海は日の光を浴びてキラキラ輝いている。
  • 各職業の見た目についても、性別ごとに4パターン用意されており、更に髪色とCVを設定可能。
  • タダの地下道でしかなかったナジミの塔へ至る洞窟は、海に面している構造になっていたりと良い意味で改変されている部分も多い。
★遊びやすさの追求
  • 何度もリメイクを繰り返している本作だけあり、今の時代に合わせて万人向けの造りを意識している。
  • まず難易度設定があり、最易設定だとまさかの死なない状態となり、ストーリーを追いたいだけの人でも十分に楽しめる。
  • 序盤は異常なほど簡単にして、ピラミッド辺りからその分難易度を上げてくる手法は見事。
  • 職業格差も大分緩和されており、特技の実装をはじめとして装備の増加等、弱職業に対してはテコ入れが成されている。
  • 極めつけはLvup時に完全回復し、ドーピングアイテムを拾いまくるというゆとり仕様。当時を知るプレイヤーからすればサクサク進めるのは間違いない。

短所(Bad point)

★2Dならではの見づらさ
  • 美麗さを追求している弊害か、風景で壺や樽、宝箱が見づらい部分もある。
  • 特に夜間は視界が悪くなる。先頭キャラがランタンを持って明るくしている描写だが、DQ1のレミーラか?と思うレベル。
  • 画面回転が出来ないので入口が普通に分からない場合がある。ミニMAPも併用すればOKな問題ではあるのだが…
  • 特に秘密の場所などはミニMAPが無い為、夜になると調べる対象が見えない。盗賊の鼻とレミラーマが必須なレベル。
★難易度設定が極端
  • 最易設定では敵が弱くなるばかりでなくこちらが死なない設定になっている。ストーリーを読みたい人向けという注釈はあるのだが…忖度されすぎてコレはゲームと言えるのか?と思わなくもない。
  • 一方、最難設定では敵が強いだけでなく経験値が0.7倍になる。デメリットしかない内容を設定する意義があるのか?と思ってしまう。いっそDQ11のように色々な方面でナイナイに出来た方が縛りプレイヤーへの配慮になると思う。
  • 個人的には難しいモードならではのご褒美(ストーリー追加)等が欲しい所だが、それはそれで公平じゃないという声が上がる時代なのだろう。万人が楽しめる味付けだと思うのが良い着地点なのかもしれない。
★ロード時間が長い
  • 恐らくswitch版に限ると思われるが、フロア移動の際に5,6秒ほど待たされる。
★戦闘がわざわざ面倒な方面に味付けされている
  • 多種のザコ敵が防御行動を行う。ごうけつ熊などは大防御してくる。プレイヤーからすれば単なる遅延行動でしかなく、イラッとくる事が多い。
  • ガメゴン等は大防御と攻撃の2回行動を行う。遅延+ズル。
  • ザコ戦くらいはAI行動でラクしたい所ではあるが、微妙に頭が悪い上に作戦に「呪文節約」が無いので「MP使うな」という極端な方向で進行せざるを得ない。
  • メタル系がいる時に限って他の敵にザラキしたり、敵が多いのにブーメランでなく火炎斬りしたりする謎思考がある為、オーバーキルでMP駄々洩れの「ガンガンいこうぜ」で行かざるを得ないシーンも多い。
  • とはいえAIが良すぎるとプレイヤー思考の幅が狭まり、ゲーム性を落としてしまうので良い着地点ともいえる。メタル戦でザラキだけは許せないが。
★色々な面でスピード不足
  • 決定的に遅いのが船とラーミア。船は同じスクエニ産ロマサガ2Rにも言えるが、出だしが遅いのはゲーム的にストレスでしかない。しかも忍び足したいが為にメニューを開く度にゼロスピードになる。
  • 歩きも世界が広くなっている関係で相対的に遅い。アリアハンではメダル王の所へ行くのに1分は掛かるのは面倒。わざわざダッシュボタンを用意するのではなく、常時ダッシュで良いのでは?
  • 戦闘も「超はやい」にしてようやく普通レベルの速度。これに関しては速くしすぎるとレベリングが進み過ぎてゲームバランス崩壊しそうなので分かる面もあるが…
★時間限定イベントの手間
  • 殆どはぐれ魔物勧誘の事だが、出現時間帯が設定されている為、偶然出会える可能性は低めで一度立ち寄った場所もまた行かなきゃならなくなる。
  • 出会える時間が分かっていてもラナルータ等を駆使して調整しなければならない。ゲーム的にそこまでさせる理由はあるのか?と思ってしまう。
    DQM3の季節システムでも同様の理由で不評を呼んでいたが、学んでないなと感じる。

感想(Comment)

本作は1988年に発売され、国民的RPGとして名を馳せた「ドラゴンクエスト3」のリメイク作品。
リメイク自体は過去にSFC、GB、そしてスマホ版と行われているが、本作は久々のリメイクとなっている。
HD-2D版となって見た目も大きく進化し、ストーリー描写も追加されているとあらばファンの僕としては買わない理由はありませんでした。

キャッチコピーは「ここから始まる、ロトの物語」
本作は1~3に渡って綴られるロト伝説の冒頭にあたる作品であり、来年(2025年)に発売を予定している「ドラゴンクエスト1・2」のHD-2Dリメイク版もセットである事を表した内容となっている。
パッケージ版(switch、PS5)では初週売上82万本との事なので、DL販売を含めれば恐らくミリオンセラーを達成しているものと思われる。

原作、SFC版、GB版と遊んできた僕でしたが、まず目を引いたのが風景の美麗さでした。
世ではオクトパストラベラーやライブアライブHD-2Dの技術流用では?とも言われてるようでしたが、
僕自身はコレが初めてだったし、良いモノは流用して良いと思います。

水の質感がリアル。世界も広くなっており、冒険感を高めてくれています。
フィールドのキラキラを調べるとアイテムを拾える為、散策も楽しくなっています。

ただそれだけに画面回転できないのは残念
それやっちゃうと原作から大きく外れるからダメとかあるのかもしれませんが。

はぐれ魔物を勧誘するのも追加要素として面白かったですね。
集めたモンスターは同行しませんがバトルロードで編成して戦わせる事ができます。
ぶっちゃけDQ8にあった内容そのまんまですが良いモンは良い!魔物使いの特技強度にも直結してますし。


戦闘シーンもコマンド入力時のみ、主人公達の後ろ姿が見えるようになりました。武器の違いが目に見えるのは大きな進化ですね。
下図は魔法の鍵直前のボス戦ですが、こういった中ボスが多く追加されているのも衝撃でした。(何気にDQ2のモンスターが出張している)

ただ実際の戦闘は相変わらず主観になるので、戦ってる姿が見えないのは残念。これもやり過ぎるとDQ3っぽく無くなるから自重したのかな?
発売前は、敵も味方も前後に少しズレてるから隊列とかあるのか?と噂されてましたが、そんなのは無かったですね(^^;)

ストーリー進行においては中々緩くなったというか親切になったというか…

次にやる事をお偉いさんがお告げをくれたり。(そもそもシステム的に目的地が表示されるようになっている)

ガルナの塔では途中であえて落下して宝箱を取るのが原作の悩み所でしたが、分かり易く目印付いてたのは吹きましたw

そもそもすべての場所のMAPと階段が踏破してなくても表示されるし。エスパーかお前は!( ゚Д゚)
まあコレも時代ですかねぇ…(^^;)

あとは何かと話題を呼んだのはポリコレ(※)案件ですね。
※「差別・偏見を無くす為の運動」を指す。近年「看護婦→看護師」になったり、性差別を無くそうという世界的活動。
ゲーム開発的にもコレを怠るとCEROが上がる模様で、日本は外国に合わせて右に倣えな状況になっている。


その煽りを受けてか、男女→ルックスA・B表記となっている。この方がよっぽど人として扱われてない歪感が凄い…正直くだらないなと思います。
ただ、水着や誘惑の剣は相変わらずあるし、下図の様に言われたりもするしw
開発勢としては可能な限り抗った結果でしょうか。

今後もゲーム業界としてはナンセンスな風潮に抗ってほしいですね。

後は大きな特徴としては、やはりオルテガの軌跡として所々で展開されるサブストーリーですね。

ムオルの村を救った話とか。(何気にDQ6の魔物が出張している)


SFC版で追加されていた、オルテガを火口に落とした魔物との闘いとか。


名を変えた経緯等も本作で明らかになっている。
まあでもムオル以外の場所ではオルテガオルテガ呼ばれてましたが…w

他にも、王冠を盗んだカンダタを国外に逃がさない為に関所は封鎖される等、納得の理由を作りつつカンダタをスルーさせない流れを作ってたり、
ロマリア国がカンダタ討伐隊が組織して、進軍しているシーンも追加されている。
確かに国としてはポッと出の勇者に任せてそれっきりというのも不自然ではあるしなぁ…と妙に納得できる造りになっていました。

追加ストーリーというよりは元々のストーリーの骨組みをより強固にしたと言う方が正しいと思います。
ファンとしては納得の出来でしたねヽ( '▽')ノ

後はゲームシステムの感想ですが…概ね良かったけど惜しいと言う評価でした。
原作に比べて変化した部分については攻略欄を参照

序盤は早々にブーメランをゲットできる上に性格補正で無双出来てしまうんですが、イシス辺りから早々にザコが2回行動してきます
良く言えば序盤はサクサク進める感を出して掴みを良くしている造りですね。ただ「いきなり強くなりすぎだろ!」と不満を抱く人もいるかも。
自称DQ3マニアックスの僕は歯ごたえあって良かったです。ムリな人は難易度落とせば良いと思うし。

他にも追加された中ボスも含め、すべて結構歯ごたえがあった事は個人的に嬉しかったです。
バラモス単独撃破も初回からやってしまったんですが、結構な長期戦をしていたらバラモスがMPを切らしたのは吹きましたw

色んなDQ3をプレイしてきたけど、コレは初じゃないかなぁ…
単独だと無害だったメダパニが仕様変更されていたので、これが無かったら相当難しかったかも。

転職についても、これまではハンパな転職ばかりしてると弱くなる仕様でしたが、
本作はLvごとに設定されていた能力値上限が撤廃され、投与した種効果も再反映される仕様となった関係で、Lv20で転職しまくっても強くなれる仕様になりました。
このおかげで気軽に転職できるのは楽しいし、どんな転職フローで行こうかなと考える面白さを新設できている様に思いますね。

以上のように、概ね良かったとは思いますが、以下の様に細かい不満は結構あります。
それでも裏ダンジョンだけで言えばGB版の方が100倍条件が厳しいのだからビックリ。
あくまでおまけだから「クリアできるならしてみろ」という心境で開発しているんだろうか…

以上の通り、進行するほど不満点がにじみ出てくる、稀有な作品でした。ただ全体で言えば概ね良作です。
GB版で最後の最後に貰えてた「ル〇スの剣」はこんなタイミングで誰に振るうねん!となってた問題を解決してくれてたのも花丸

トータルで見れば良作なんだトータルなら…
現在制作しているであろうドラクエ1・2は今回のネガを洗い出して改善を期待したいですねヽ( '▽')ノ



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