ローカルディア・クロニクル さいたま市RPG / レビュー(ネタバレ含む)
更新日:2018/5/17 (Ver2.1.3)長所(Good point)
★オートセーブ方式 |
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★攻撃が必中 |
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★ストーリーが良い |
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短所(Bad point)
★課金しないと使えない装備が多数ある |
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★細かい設定ミスが散見される |
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★ゲームバランスがやや悪い |
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感想(Comment)
本作はレトロ風なスマホRPGとして開発され、google playにおける評価を見ても割と高評価となっている作品です。ツイッターを見るに本作の略称は「ロカクロ」らしい。「さいたま市RPG」という事になっているが、プレイしてみると良い意味で埼玉とは殆ど関係が無い純ファンタジーなストーリーである事が分かる。これは「埼玉に関わりの無いプレイヤーでも楽しめる様に、ストーリーやキャラ等にご当地ネタは殆ど無いコンセプト」である事が公式ページでも挙げられている。じゃあ逆に埼玉成分は何なの?と言われると基本的に「地形や地名」のみとなっている。
完全に一致(゚д゚|||)
ちなみに管理人も埼玉県在住で、DLしたのもそれがキッカケではありますが、別の市に在住の為、殆ど関係はありませんでした(´Д`|||)
管理人はノースノース付近在住で、たまにラージシュラインに映画見に行くってくらいのモンです。たまにロックゼルコバにバイクで遊びに行ったりもしますね。
他にも一部アイテム名にも埼玉成分は秘められており、例えば「シマムラローブ」は埼玉発祥の「ファッションセンターしまむら」から来ています。最強装備である「氷川シリーズ」も埼玉に約200社と多く点在する「氷川神社」から来ていると思われます。
尚、本作は地方創生を目的としたコンセプトでもあり、現実の埼玉市で特定の場所を訪れてGPS認証する事で「サクラソウ」を取得し、強力なアイテムと交換が可能であったりと、埼玉の街おこし的な要素も設けられている。そういった働きもあり「さいたま市ニュービジネス大賞2015」を授与されている。
ゲーム開発は「井桁屋」で、市税や交付金といった公的資金は一切使わず、井桁屋の事業である雑貨輸入卸業の利益で、自社スタッフ2名で主な制作を行ったそうな。そんな開発背景のワリに、クオリティはかなり良いと言える。
システム面は及第点ながら、ストーリーが特に良いと感じました。立ち絵も良く、割と万人に好かれる画風じゃないかと思います。
冒頭は「世界の危機の原因を探しつつ、各国に注意を促す聖女ルーシェを守るべく、主人公である兵士見習いシドが共に冒険する」といった内容で、ワリと王道な流れですが、比較的順調な旅の中、ロックゼルコバでカリスマ性溢れる幼き女王が魔王に殺されるという驚愕のストーリーから緊迫感が一気に増した様に感じます。
魔王は「ギフトフィールドを知っているか?」という謎の問いかけをしながら各地の重要人物の抹殺をはじめ、人類を恐怖に陥れており、その目的は知れないまま、200年前の過去編に突入する。
この過去編そのものが本作の特に面白い部分で「各地を激励して周る弱っちぃロビカ王子と、それを守る隣国の世界最強聖女カーヤ」の物語となっている。お互いの第一印象は最悪で仲が悪かったが、冒険を経てお互いの信頼を築いていく典型的な「ボーイミーツガール」な話が良い。ていうかロビカ&カーヤのコンビが良すぎてやや主人公(シド)を食っているくらいです(´▽`)
ロビカ王子は頭が良く誠実で、その公平さから全国民に慕われているが、文系で戦闘能力は決して強くはない。カーヤは逆に強すぎて不敬な所があり、自国の兵にすら恐れられているが、それだけに幼い頃から恋愛に憧れており、自分より強い男を探しているという設定。道中のロビカとカーヤのイベントが全て面白く、信頼を築いていく内容が心を温かくさせてくれます。
そして二人は魔王を倒して世界を救い、最後はお互いの事を認め合い、ロビカ王子は男らしく婚約!YES!大団円!
…と思いきや、現代編へと舞台が戻ると「カーヤは求婚を受けてから1ヶ月後に亡くなっており、ロビカは生涯妻をめとる事はなかった…」という悲しい歴史が明らかになる。そもそも「ロビカとカーヤが世界を救った」という事実は現代では伝えられておらず、歴史は蔑ろにされていた。同時に、現代における魔王は「過去に世界を救った英霊が、その歴史を蔑ろにされたという負のエネルギーによって復活し、人類に敵対するという存在」である事が分かる。
プレイヤーとしても、歴史を追う毎にイヤな予感が頭をよぎる様になるが、まさかの「カーヤがこれまでの元凶でラスボス」という展開に。
カーヤを倒した所で、未来で現れる魔王は恐らく主人公になるという、半分絶望的な展開に。その後、ロビカの魂が現れ、カーヤと共に成仏していき、魔王化の根源となっていた真のラスボスを倒して、今度こそ大団円…という、何気に歴史軽視に警鐘を鳴らすストーリーでした。
他ゲームでもあまり見ない設定だったのと、カーヤが魅力的なキャラだった為、感情移入度は高かったですね。カーヤも「ワガママ」と言われてしまってはいるが、それだけ無念だったんだろうし、魔王化させる元凶がいたからというのがあったのだろう。
最後はロビカとカーヤが幸せになって良かった(*´ω`*)
総じて心に残る、素晴らしい作品でした。この世界の外周部は海という事ですが、その外にも何かあるとか言う話もあったので、それをネタに続編も期待したいですねヽ('▽'*)ノ
P.S. 気になる点
登場する女性が大体強い- ヒロインである「ルーシェ」は初期Lvが5。主人公はLv1。腕力すらもルーシェの方が上。色々な町で「ラージシュラインの聖女(ルーシェ)はモンスターの様に強い」と言われている。
- その後出会う「女癒術師サーヨ」と「女魔法剣士ミナモ」も同様に主人公以上に強い。(この時点の主人公Lvは大体10程度、この二人はLv14)
- ルーシェが攫われ、救出の協力を申し出てくれるロックゼルコバの女騎士「ディゼ」のLvは主人公の+5と設定されており、力・HPといったフィジカル能力が全て主人公以上。
- 極めつけは、物理戦闘能力が高いにも関わらず殆どの魔法を使いこなし、祝福武具すら装備出来てしまう聖女カーヤ。三日三晩不死身の魔王と戦い続けたエピソードすらある。
一言!女は強し!( ゚д゚ )
本作唯一にして最凶のクソ女王
大魔道士クロウリーは、母国であるプリムローズ国をずっと守り続けていたが、それに頼り切るのが当たり前となっていた状況を危惧したクロウリーは、母国の戦力を信じ、根本的な世界の危機を明らかにする為にも主人公達に同行させて貰う様に女王に具申したが「この恩知らず、お前ら兄弟はもうこの国に来るな」と言い放つ。
これまでの恩を忘れているばかりでなく、魔法が使えないというだけでクロウリーの弟に辛く当たっていた事も含めて考えれば、クソとしか言い様が無い。「もうこの国に来るな」と突き放す事で世界の危機に立ち向かって欲しかった…という深読みも出来ますが、他国の救援に向かう事を渋ったりと器の小ささが垣間見えるので、恐らくそれは無いでしょう。そんなクソ女王がエンディングでは…
は?お前にそんな事言う資格無いわ!身近の忠臣クロウリーにすら敬意を払えなかったくせに。本作は魅力的な人格者ばかりですが、コイツだけはクソでした(´Д`|||)
「果てしない洞窟」について
クリアしなくても良い、任意の腕試しダンジョンである「果てしない洞窟」だが、主人公の父親が亡くなった場所という設定もあり、ストーリー上においても気になる場所。しかしクリアした所で結局ストーリー的には何も無いのが残念でした…。
ラスボスを上回るボスがいるものの、それを倒しても得られるのは最強の装備のみ。それを振るう相手がもう居ないんですがそれは…(´Д`|||)
どうせなら「父親絡みのストーリーを設ける」とか「エンディングが変化する」とかいった要素を設けて欲しかったですね。
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