ゲームの里

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沈黙の遺跡 エストポリス外伝 / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★やり込み要素が多い
  • 一度入手したアイテムや、加入したモンスターの詳細が描かれる「コレクションブック」があり、ポケモン図鑑を埋めていくような、やり込み要素となっている。
  • ただ、本を埋めた所で何のメリットも無い。モンスターについては出現地域やフレーバーテキストがある為、埋める意義も見出せるが、装備は本でなくても閲覧可能な為、埋める意義はイマイチ。
  • 武器・防具・モンスターは収録されるが、何故か道具が無い。やや片手落ち感がある。
★ボス前にほぼ必ずアナウンスがある
  • ボス戦前にアナウンスが入る為、きっちり準備した上で挑む事が出来る。
  • ただ本作はエスト2にあった様なボス前セーブポイントが無い為、悪い意味での緊張感がある。
★各地へ直行出来る
  • 本作は各地に直行出来るワールドマップ選択方式を採用している。これのおかげで地名が分かり易く、良い意味でフィールド移動の手間が省かれている。
  • 例えるなら「ロマンシングサガシリーズ」に近い方式。

短所(Bad point)

★公式イラストの顔グラが微妙
  • イラストについては感性によるモノで一概に良し悪しは語れないが、ネット上でも良い評価は聞かない。
  • 管理人的には正直エストポリスシリーズの公式絵はどれも微妙と思っているが、過去シリーズはゲーム内では描かれる事が無かったのがかえって良かった。しかし本作は顔グラとして頻繁に表示されてしまっている。
  • その微妙な絵がパッケージに描かれている為、これが売上低迷に直結してしまっているのでは?と残念に思ってしまう。
パケ絵
★ストーリー面で突っ込み所が散見される
  • パートナーであるトーマが、序盤で「依頼主が気に入らない」という理由で主人公に仕事を丸投げしてエスケープする。そしてトーマ不在の期間が長い。こんなヤツがパートナーで良いのか?
  • 燃料切れで長期間立ち往生していた船長に燃料を渡したら「時間がない!出港するぞ!」とやたら急かす。これまで何日も待っていたのに、数秒単位で恩人を急かす理由が分からない。
  • 「死者の地」をクリア後、神父=令嬢の恋人と判明するが、その神父は「死者の地」クリアと同時に何のアナウンスも無く居なくなり、その話題が出る事もない。事が済んだので神父も早々に去ったのか、はたまた神父も亡霊だったのか?謎展開すぎてモヤモヤする。
★全体的にもっさりテンポ
  • メニュー表示等のウェイト時間が長めに設定されており、ゲーム慣れしてる人からするともっさり感が強い。
  • 「導きの塔」や「グラッセ要塞」等、何度も同じ所に行ったり来たりさせられるのも時間の浪費感が強い。
  • 何よりも戦闘のテンポが悪い(詳細は後述)。
★戦闘に時間がかかる
  • 1人あたりコマンドを2回入力する必要があり、アニメがある関係でザコ戦でも地味に時間がかかる。女神転生シリーズの様な自動高速モードか、アニメーションOFFが可能だったら…と思わずにはいられない。
  • 敵シンボルが自キャラを追うタイプが多く、イヤな位置に待ち伏せする敵もいて、雑に歩くと不意打ちを受ける事が多い。
  • さらに「エスト2」と違い、アクションで敵の動きを止められない。戦闘回避を可能にするハズのシンボルエンカウントの意義が失われている。
★BGMが微妙
  • 外伝作である事から、原作のBGMアレンジが少しはあるのだが、原曲には全く届かない「別の何か」と言いたくなる出来。GBA音源の関係で仕方ない部分もあるのだが…。
  • 半分以上は本作オリジナルの曲だが、これも可も無く不可も無くといった出来。これまでのエストポリスは良BGMが特長とされていただけに、せめてアレンジ曲だけでも頑張って欲しかった。
  • とはいえボス戦BGMだけは及第点。
★システム面やフラグの荒が目立つ
  • 戦闘中はHP・APがゲージ表示のみで数値表示されない。この為、ラミ等の低HPなキャラはゲージ半分でもヤバいという事に気づきにくい。
  • 防御コマンドは全ての被ダメージを半減させる効果があるが、「○○は防御した」と表示されるまでは防御効果は発揮されない。つまり遅いキャラにとっては完全に死にコマンドとなる。強敵相手で活用されるべき戦略要素のハズなのに、この仕様はどうなのか…。
  • 弟子入りの際、誰を転職させるかの画面で何故かキャンセル不可。こうなると転職不可避。
  • 戦闘中のコマンド入力がキャンセル不可。「エスト1」でも度々言われる欠点だが、あちらはターン制ではない為に仕方ない面もあるが本作はシンプルなターン制の為、これにはあたらない。
  • セーブ直後、何故か「タイトルに戻りますか?」と問われる。普通にAボタンを連打しているとタイトル行き。不要な罠にしか感じられない。
  • 本作には登れる岸壁が多く存在しているが、保護色になっていて分かり難い。「エスト2」の登れる岸壁は石が打ちつけられている外見で分かり易かったのだが…。
  • ストーリーフラグが難解な箇所が多い。例えば「オーデンスの村」で「息子に話してやってくれ」と言われるがソレ自体は全く関係無く、何故かその近くにいる無関係な老人との会話がフラグとなっている。
  • 「ダンジョン奥でイベント発生→帰途でイベント発生」のパターンが多いが、テザーで脱出してしまうとイベントが発生せず、ハマる箇所が散見される。
  • 終盤に「ナザレに行こう!」と言われるが、それと同時にナザレの村に直行不可になる。最初行った時の様に雪山経由で行く必要があるのだが、その説明が一切無い為、普通に混乱する。
★IPシステムが完全に劣化している
  • エスト2」では各装備から秘めた効果を引き出せる戦略性の高い効果だった事に比べ、本作はモンスターのインストール(合体)のみとなっている。
  • インストールは能力値がちょっぴり強化される事がウリだが、一方のデメリットはと言うと「苦労して溜めるIPを全消費、インストール後操作不可、バトルメンバーが実質1人減る、3ターン経過で解除」等々、利用価値は殆ど無い。
  • 「エスト2」でのIPシステムがかなり有用だった分、どうしてこうしたのか?と強く疑問に感じざるを得ない。

感想(Comment)

本作は一部で高い人気を博したスーパーファミコンのRPG「エストポリス伝記シリーズ」の外伝としてひっそり発売された作品です。時系列的には「エスト2」の数年後を描いており、世界観も共通しています。

武器や魔法名等は当然シリーズのモノを踏襲しており、エストシリーズファンにとっては嬉しい作品…だったハズなのだが、正直エスト成分はかなり薄い。その理由として、原作シリーズを開発していた「ネバーランドカンパニー」の手を離れ、「アトリエドゥーブル」によるモノとなっている事も影響が大きそうですね。

残念な点としてまず挙げられるのが、エストシリーズの大きな特長であったBGMが戦闘曲しか使われておらず、他の曲も決して良いとは言えない点。プラットフォーム音源の違いが大きいし、全てのBGMが悪いワケではなく、ボス曲など良曲と言えるモノもごく一部あるのだが、捨て曲無しと言われたSFC版エストには全く及ばない。

なにより、エストシリーズの最大の特長は「泣ける程に感動出来るストーリー」である事はシリーズファンなら誰もが思う事でしょうが、本作はその点もかなり弱いです。2はマキシムとセレナが命をかけて世界を救い、本作はメウビス姉妹が犠牲になって世界を救った…と、一面的には同じと言えるハズなのに、全く感動出来ないのは何故だろう…(´Д`|||)

また、外伝を謳うからにはこれまでのシリーズと多くの点で絡んでいて欲しかったが、大きく絡んでいると言えるのは「ハイデッカ」の存在のみ。そのハイデッカもそこまでの活躍は見せず、終盤になって「グラッセを滅ぼす」という理由で永遠に離脱する。(そしてグラッセは滅びるどころか全く変化無しで、ハイデッカはどこかに雲隠れ)
エストポリスファンだから、という理由でプレイすると裏切られる事は作品なのは残念ながら間違いないですね…。

ここはいっそ、エストポリスとは全く関係無いRPGとして見てみると、割と特長は多いです。
言ってしまえば、DQ5,6やポケモン等の良い所を広く浅く取り上げたシステムと言える。

一方、ストーリー面で評価してみると、これまた突っ込みどころが多い。まず主人公は14歳の新米ハンターなのだが、これが世界を左右する話に発展する理由が最後まで良く分からなかった…(´Д`|||)
「エスト1」の主人公は英雄マキシムの子孫で強い波動を持ち、四狂神に対抗出来る人材であり、エリーヌが大きく絡んだ運命であったと言える。
「エスト2」の主人公は強い波動を持ってデュアルブレードに選ばれた、いわば「神の手を離れた人間の筆頭」で、神vs人間の代表者と言えた。

本作の主人公も、メウビス同様何かしらの血を引いていたという描写があるが、ゲーム内の説明描写に乏しいのか、僕の理解力が低いのか、クリアしても理解できませんでした。これまでのシリーズと異なりDQシリーズの様に主人公が全く喋らない仕様なのも理解が難しい理由としてあるかもしれません。中盤に「主人公にかけられた呪いを解く為に封門石を集める」という事になるが、呪いのデメリットというか危機感がイマイチ伝わってこないし。
上述の問題点でも書きましたが、各ストーリーに突っ込みどころがありすぎて、疑問に思ってしまうと感動どころじゃなくなるのかなと思いますね。

各地にフリーズやハマりポイントも散見され、厳しく言ってしまえばデバッグ不足というかゲーム作りを丁寧にやってないな?というのが透けて見えます。何故本作を作ろうと思ったんだ…? ある意味開発経緯を知りたい作品ですね。
ED1 ED2

おまけ 装備データについて

攻略頁作成にあたり、解析してアイテムをフル所持状態にして簡単にリストアップしましたが、「コレクションブックにあるモノは実際に入手可能」という事を前提に考えると、マキシムが最後に入手した神の装備「デュアルブレード」や「神授の鎧」等も入手可能な様です。実際の入手法は分かりませんが、もし古の洞窟でランダムに拾えるとしたら、原作ブレイカーと言わざるを得ませんね(´Д`|||)
というかゴブリンがデュアルブレードを装備出来る時点でもう…(´Д`|||)
ゴブリン(デュアルブレード仕様)
装備リストは需要無さそうなので、性能だけ調べて効果までは調べてませんが、時間とやる気のある時にいつか調べたいですね。


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