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魔界塔士Sa・Ga / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★GB最高峰のクオリティ
  • 「77個の秘宝を集めつつ父親を探す」という引力強めの目的を持った冒険となっており、各世界で展開される道中のストーリーもちゃんと濃い内容のストーリー展開を演出している。
  • 前作ではやや荒が目立ったゲームシステムもサガ色を残しつつも遊びやすくブラッシュアップされている。
  • 容量も前作の2倍である2Mbになっており、GB-RPGとは思えない程のボリュームと完成度を持っている。
★パーティ編成の自由度が高い
  • 主人公を含め、全キャラは4種族から自由に決定出来る。(前作の3種にメカが追加)
  • 前作と異なり、4人パーティ固定(少数PT不可)である事や、仲間の変更が利かない等の弊害はあるものの、十分に自由度が高い。
  • いずれの種族も強み弱みがあり、メカがやや優遇といえど4キャラともメカで行けるかと言われるとそうはならない編成の奥深さがある。

短所(Bad point)

★人間・エスパーによる進行がやや辛い
  • 前作のエスパーに比べて能力値が上がりにくく、人間用のドーピングアイテムも販売されていない。かなり計画的に戦闘を繰り返していかないと成長しない。
  • 一方でメカは現地の装備を方向性を持って着けていけば終始強い存在で、モンスターもボス肉で高Lvに保つ等のコツを掴んでいれば常時優勢を保っていられるお手軽感がある。
  • 主人公ポジションイメージのある人間男においては初期装備がロングソードである事もあってそのまま力依存装備を多用する事になりがちだが、素早さも上げていかないと先制出来ない・当たらない・逃げられないの三重苦を背負いがち。これは殆どのプレイヤーが辿った道だと思われる。
  • では人間とエスパーは入れない方が良いのか?と言われるとそうでもない。特にエスパーは後半「癒しの杖」による全体回復が必須級なので一人は欲しい。一人なら各地で拾えるドーピングアイテムを注ぎ込めば普通に強くなる事も出来る点は良く出来ている。

感想(Comment)

本作は1990年に発売されたサガシリーズ2作目で、ゲームボーイ前期にあたる作品になりますが、そうとは思えないくらいに高いクオリティを持つ作品です。
↓当時の販促頁

キャッチコピーは「時空を超えた、冒険の世界が今、始まる…」
何か次作の内容にしっくり来そうな文面ですが、色々な世界を渡り歩く事を意味しているのかもしれません。
本作の発売と同時に前作も再販していたらしく、販促もセットという事が多かったです。


あと本作でまず目を引くのがパッケージの大きさです。

本作だけ大きい('Д') いつか見た開発者インタビューによると「目を引いて良く売れる様になるかもしれないから」という理由らしいです。まあリトルマスターシリーズヘラクレスの栄光なんかも同じく大きいんですが(*´ω`*)

僕は当時何度もプレイした世代で、ファミコンやスーファミを含めてもクオリティが高くてビックリした記憶がありますね。
まず「全世界に散らばった秘宝77個を集める」という目的が壮大。発売前から「え?77種類もの秘宝を駆使して冒険していくの?スゲー」って注目してました。まあ実際は大半が装備するだけで能力を向上させるマギで、77種類もあったワケではないんですが…( 'Д';)
まあ77種類ものアイテムを別途考えるって容量的にも大変ですしね…。それを思うと151種ものモンスターを考えて実装したポケットモンスターって凄いな( '~`)

ストーリー面では各世界で印象強いストーリーが展開されたのが素晴らしかったですね。サガらしく名言(迷言?)もチラホラ…。


個人的に一番印象強いのはオーディンのイベントですね。本作は全滅するとバルハラ宮殿のオーディンの元へ召喚され、生き返って戦闘始めからやり直すか否か(タイトル画面に戻るか)と問われるイベントがあります。

ストーリー後半になり、自分の足でオーディンの元へ辿り着くと、約束通り戦闘に。恩人へ剣を向けるのが気が引ける(´ω`;)
 
最強の戦士と戦って逝く事が望みだったと語る。バルハラ宮殿の物悲しいBGMと相まって泣けるんだよなぁ(´□`。)
これまで戦ってきたアシュラだのビーナスだのといった新しき神々とは雲泥の差。真の漢よ!
ちなみに一度も全滅してない場合は無言で戦闘して無言で終わってしまいます。あまりに勿体ない話なので、あえて死んでおきましょうw

ストーリー全体では秘宝探しと父親探しを目的としている為、親子をテーマとした話も多くみられますね。
ちなみに序盤で仲間になった「覆面」と「父親」は同一人物なのか?というのは終始分からない内容となっています。

いやコレ同じでしょ!しかも2人とも能力値は全く同じです。
当時は覆面に「リンの父親説」「父親のクローン説」とか多くの噂が流れていたモンですが、ソシャゲであるロマサガRSの覆面は父親と同一人物という扱いになっています。

2022年現在にしてようやく公式に同一人物だと分かる。それはそれでどうしてプレイヤーに正体を隠していたんだろう…という謎が残りますが。
そこは具体的な事はあえて語らないサガシリーズの粋ってやつかな…設定資料とか見ればわかるのかなー。

そういえば父親はかつてこのような活躍をした戦士だと聞かされるシーンがあります。

もしや前作の主人公…?
謎は深まる('Д';)

一方ゲームシステム面はというと、これまた良く出来ています。人間やエスパーは戦闘後に能力値が上がるので戦闘の繰り返しが楽しいし、それがイヤならメカやモンスターを使う選択肢もあります。
新種族であるメカは強いけど、かといってメカ4編成にすると金銭的に厳しいし道中で拾えるドーピングアイテムが勿体ないし癒しの杖での全体回復が出来なくなる。それならエスパーを1人入れようか…それでも金銭的には厳しいからモンスターも1体入れてボス肉食わせようか…等、単純に最強パーティを語れない奥深さがあります。

強いて難点を挙げるなら、上述した通り素早さの恩恵がありすぎて力成長が罠という難点がありますね。
僕自身、子供の時の初回プレイでは主人公は普通に力成長させており、最後は攻撃が当たらない役立たずになってました( ̄ー ̄;) 必中のエクスカリバーが無かったら詰んでいた事でしょう^^;

後半は逃げられない事も多く、エンカウントも多いので苦戦を強いられる事も…。まあこの「コツを知らないと詰みかけてしまう」難易度もサガらしいですね!当時のRPGとしてはもっと理不尽に難しい作品も多かったし、個人的には「難しめだけど全然アリ」という感じでした。

2022年現在ではサガコレクションでswitchやスマホで遊ぶ事が出来る様なので、こちらで遊ぶのも良いかと思います。GBサガシリーズは全部名作なので個人的には推しです(*'▽')b


解析による感想

今回、本作品を攻略・解析するにあたって興味があったのは以下の点でした。

マギの詳細な性能

実プレイした人なら分かると思いますが、マギは装備しても能力値に反映されません。特に「ほのおのマギ」等はピンと来ません。
本作は各キャラのステータス画面に映る能力値が、戦闘に入ると装備等の効果が反映された戦闘用のデータに移されます。この時点で能力値に何らかの変化が見えるハズだ…と思ったら何も変化ありませんでした。しかし実ダメージは増えている…という事で、別途ダメージ計算式を求めてみる事に。

各武器のダメージ計算式
殆どの武器は【与ダメ=武器威力×依存能力値+乱数-敵防御×5】で求められます。つまり防御値は「+1される毎に受けるダメージを5減らす」という事も分かりました。乱数は固定した状態で武器を変えていけば武器威力が求められます。この調子でマギの効果を調べてみたんですが…残念ながら下表以上の事は良く分かりませんでした。乱数固定しても結果がズレるんですよね…もしかしたら乗算でかかって能力値が小数点を含んだ値になっているのかも…。
名称 性能/効果
ちからのマギ 装備者のちから上昇。個数に比例して効果上昇
すばやさのマギ 装備者の素早さ上昇。個数に比例して効果上昇
まりょくのマギ 装備者の魔力上昇。個数に比例して効果上昇
ぼうぎょのマギ 装備者の防御上昇。個数に比例して効果上昇
ほのおのマギ 装備者の魔力上昇(魔力マギと同等)、〇炎付与
こおりのマギ 装備者の炎系魔法の威力上昇(魔力マギと同等)、〇電気付与
いなずまのマギ 装備者の魔力上昇(魔力マギと同等)、〇冷気付与
どくのマギ 装備者の炎系魔法の威力上昇(魔力マギと同等)、〇毒付与
赤字部分がどう考えてもおかしいですね…設定ミスかな?
炎のマギと稲妻のマギは実質魔力のマギの上位互換でしたね。複数エスパーがいると、魔力のマギは一個しかないから困ってましたが、実質3つあるんだなーと為になりました(*'▽')

全装備の詳細
個々の詳細はデータ欄に譲りますが、特に驚いたのは「イージスの盾は装備しておくだけで〇石化・電気・冷気付与」という事ですね。サガ系の盾は使わないと効果を発揮しないから微妙だと思っていたのに…さすが秘宝。まあ一点モノだし、使えば全員に〇すべての戦闘永続バリアが付くし、後半入手なので活かせるシーンは少ないですが。
他にも「火炎放射器は無属性、与一の弓は兵器扱い(他の弓は非兵器)、珊瑚の剣は水棲系有効ではなく虫系有効(設定ミス?)、エクスカリバーとグングニルは力が低くても力70に補正される、〇マヒは睡眠・デス・盲目・呪い・混乱も防ぐ」等、地味に発見が多かったです。

他にも色々調査しましたが、ダメージ計算は乱数も絡んで複雑な為、完全には調べられなかったのは残念ですね。GB作品なのにヘタなSFC-RPGよりも細かく設定されている!


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