ゲームの里

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聖闘士星矢 黄金伝説 / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★キャラゲーとして凝った造り
  • アクションパートとRPGチックな戦闘を組み合わせた意欲作。
  • コスモをはじめとした9種の能力値があり、敵を倒して強くして行けるRPG要素を持つ。
★グラフィックが良い
  • 顔グラや全身等、グラフィックがちゃんと描かれており、必殺技時もエフェクトが表示される。
  • 全ての敵はグラフィックの使いまわしが殆ど無く、倒れた時のモノまで用意されている。
  • 但し、殆どのキャラは顔グラが似ていない。

短所(Bad point)

★コスモが圧倒的に足りない
  • システムを把握し、病院をフル活用しないとコスモが全然足りない仕様となっている。しかも説明書には病院に関する記述が一切無い
  • 戦闘が終わる度に命を燃やしてコスモを高め、病院に駆け込むといったシュールな光景を繰り返して何とかクリア出来るというバランス。
★経験値が圧倒的に足りない
  • 前述のコスモの話に少し似ているが、ボスを倒した経験値だけでは終盤の敵に勝つのは難しいバランスになっている。
  • 経験値稼ぎの名所「ムーのヤカタ」でザコを倒しまくる等、ある程度稼ぎをしないとコマンドバトルで一撃でやられる危険性すらある。
  • 一応経験値の振り直しはできて各種レベルの調整はできるとはいえ…テストプレイはちゃんと行ったのだろうか?
★原作知識ありきのストーリー
  • スタート早々に魔鈴とのバトル。クロスや聖闘士とは何なのかといった説明も皆無。
  • ムウにクロスを修復してもらうという話も唐突に起こる。そもそも壊れていない
  • クロスは何度でも修復できて、ムウには会う度に「誰ですか?」と言われる等、おかしい所満載。
  • 終盤は黄金聖闘士が足りなかったりラスボスがオリジナルキャラだったりとカオス。これについては原作連載中にゲーム開発された事情がある。
★仲間が空気
  • 戦闘中に「仲間コマンド」を行う事で、任意の仲間にチェンジして戦う事が可能だが、能力値は星矢とイコールになっている為、チェンジする意味がない。
  • さらに必殺技の威力が星矢より低く設定されているのか、与ダメージが低く使い物にならない。
  • 尚、原作再現バトルをやって見せた所で何のメリットもない。「仲間コマンド」の事は無いモノと思って良いだろう。
★説明書に嘘が書かれている
  • 能力値については半分以上嘘詳細は小ネタ欄参照
  • 1vs1バトルのコツ(↓画像参照)についても殆どが嘘。この通りにすると負ける危険性大。
  • 1はどちらが先制するかは完全に運なのでトドメ寸前でも攻防に全振りが無難。MPは振るだけムダ
    2の内容は完全に間違い。そもそも敵側はコスモが例え枯渇しても変わらずフルパワー攻撃してくる仕様

感想(Comment)

本作は人気漫画「聖闘士星矢」をバンダイがゲーム化した作品です。

キャッチコピーは「これが噂のシミュレーションバトル!! 君は小宇宙を感じるか?」

キャラゲーらしくメインキャラは顔グラが表示され、戦闘では全身グラフィックで必殺技を放つ際はエフェクトが表示されます。
色々と難ありな本作ですが、当時の子供達は夢中になって遊んだ意欲作です。

ゲームバランスは良くは無く、まず個々の能力値の意味が分からず、ヘタに上げすぎるとコスモの消費量が大きくなる事も相まって積んでしまうのが問題でした。
とはいえ発売時期が1987年(ファミコン前期)なので当時のバランスとしては及第点かな?

普通にプレイしてもまずクリア出来ないのは問題ですが「敵と戦う度にライフをコスモに変換して病院に駆けこむ」というコツさえ掴めれば十分クリア可能なので、理不尽ゲーに溢れたファミコンソフトとしてはマシな部類だと思いますね。
当時何故か巷で有名だった駒形バンダイ最強パスワードを使えばクリア可能でしたし。今思えば子供の救済の為にリークでもされたのかな?w

さてストーリー面はというと…低容量ファミコンソフトの宿命もあってか造りの荒さが目立っており、以下のような原作知識ありきの展開が多いです。
ファミコンクオリティと言われればそれまでだが、描写を省きすぎ(・ω・`)

尚、本作は原作の「12宮編」連載途中で発売した作品である為、12宮途中からおかしな展開が多く見られる。
「ジェミニセイントが2回も登場する、シャカの前にミロが出てくる、シャカが出るのにアイオリアが12宮に出ない、アーレスとは結局誰だったのか?」等。これらについては続編である「聖闘士星矢 黄金伝説完結編」の発売を持って解決しますが、本作はいっそ12宮前で終わらせても良かったのでは(´Д`|||)

ちなみにラスボスは少年ジャンプでの読者公募によって決定したオリジナル聖闘士らしいです。僕にはカッパか何かにしか見えないけど…(´~`;)

あとは原作と比べておかしい部分がいくつか散見される。

氷河はこんな事言わない。どちらかと言えば嫌々戦っていた。


誰? そしてコスモってそうやって物みたいに手に入るモンなんだっけ?(゚д゚)


誰? そして星矢のハンパない絶望感がウケる(´▽`)

尚、パッケージにも色々なツッコミ所が見られる。

表側には左下にユニコーンセイントである邪武が描かれているが、ゲーム中では名前すら登場しない


裏側は12宮らしき所のスクリーンショットが掲載されているが、キャラクターのグラフィックが自キャラを含めてまるで違う。
開発中のグラフィックをそのまま使ったのだろうか?見切り発車的な開発と良い、相当焦って作っていた事が伺える。
そりゃゲームバランスも崩壊するよなぁ…(´Д`|||)

以上の様に問題点ばかりが目立つ作品ですが、どこか熱中させられる作品でもあります。
現に管理人は当時、原作も知らないくせに結構ハマってプレイしていました。

続編ではクオリティも増しており、当時は友人達と良く遊んでいました。

ちなみにこの作品、ワンダースワンでパーフェクトエディションとしてリメイクされています。グラフィックの向上や空気だった仲間の出番を設け、12宮編もバッチリ網羅しています。ただ、販売数が少なかったのか、プレミアが付いてやや高価です。セレブで本作のファンならプレイしてみると良いかもしれません(´▽`)

管理人の本作の思い出

僕自身、本作を遊んだのは結構変化球な順序でした。

順序がおかしすぎる( '~';)
とりあえずこの友人には感謝してもしきれませんねw
聖闘士星矢という名作に出会えたし!

最初は当然通院プレイとか知るワケもなく…ご多分に漏れず富士の風穴で詰みました( ゚Д゚)

説明書もない上に7才では能力値の意味なんて分かるワケもなく。

「MPって何だ!?ホイミでも使えるようになるのかぁ!?」等とピントのズレた事を考えては全振りしたり。


「一輝め!失禁しながら倒れよった!」(おしっこではなく羽根飾りです)等と盛大に勘違いしてはバカウケするクソガキ時代w

何だかんだで楽しんではいましたが、どうしてもクリアできず、友人が最強パスワード(駒形)を教えてくれてクリアできました。
そんなんでクリアしたと言えるのかぁ!?と思わなくもないですが、クソガキ時代にはそんな矜持などありませんw
そういえばドラクエ2も結局もょもとでクリアしましたしね_(:3」∠)_

能力値の意味については気にはなってたんですが、説明書は嘘ばかりだし攻略本もまともなモノが多分存在してませんでした。
それがこの2024年になって自ら解析調査して明らかにする事になるとはw
これだからレトロゲームの解析調査は止められないヽ( '▽')ノ


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