ドラゴンクエスト11 過ぎ去りし時を求めて(3DS) / レビュー(ネタバレ含む)
長所(Good point)
★システム面が便利になった
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★2D・3Dモードの変更が可能
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短所(Bad point)
★名前を途中で変更出来ない
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★ライドモンスターの仕様がやや面倒
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★時渡りの迷宮に不便な点が多い
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★ミーバースに対応していない
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感想(Comment)
ゲームファンなら大抵の人が待ち望んでいたであろう「ドラゴンクエストシリーズ」第11作目。管理人としては10と違ってオフラインソフトであった事に安堵したものです。紹介頁でも述べた通り、本作はソニー・任天堂両ハードでの発売となっており、ドラクエ生みの親である堀井雄二氏いわく「色んな人に遊んでほしいので、こういった決断になった」との事です。(多分)前代未聞な開発・発売にビックリ。さすがにRPG代表格タイトル。ビッグだぜ!
また、本作でドラクエ30周年という事で、サブタイトルは「過ぎ去りし時を求めて」とし、時を絡めたストーリーに決定された事も語られている。
今回のストーリーは、以下に粗筋で書くと…
主人公は16歳になり、祖父の遺言で自身が勇者だと知る。「デルカダール王に頼れば力になってくれるだろう」という言葉に従い、王の元へ行くが「勇者は悪魔の子だ」とされ、監禁されてしまう。同じく監禁されていた盗賊カミュの力を借りて共に脱走し、勇者とは何なのかを探りながら、英雄グレイグ率いるデルカダール軍から逃走する日々が始まった。
旅のさなか、ベロニカ・セーニャ・シルビア・マルティナ・ロウという頼れる仲間に出逢いながら、道中で勇者が迫害される原因は「魔王ウルノーガ」が裏で暗躍している事にあると知る。その後、天空に浮かぶ命の大樹で魔王を倒す唯一の武器「勇者の剣」を手に入れるも、デルカダール王が正体(魔王)を現し、不意打ちを受けて勇者の剣が奪われてしまう。
その結果、世界の根源たる命の大樹のエネルギーを全て吸収されてしまい、世界は崩壊してしまう。崩壊し崩れ落ちてゆく命の大樹。ベロニカは全力を振り絞って仲間全員を世界各地に転移させ、なんとか事なきを得るも、ベロニカ自身は死亡してしまうのだった。
荒廃した世界で、主人公は英雄グレイグに出会った。魔王にそそのかされ、主人公を追う立場であったが、事情を知って詫び、主人公の力になる事を誓い、荒廃した世界を救いながら旅を続ける事となった。その後、仲間と再会する事が出来、新たな勇者の剣を作り出し、力を合わせて魔王の居城「天空魔城」へと進入。魔王ウルノーガを見事撃破し、世界は救われるのだった。
その後、ひょんな事で過去に戻る手段を見つけ出した主人公達。過去に戻る事が出来れば、ベロニカは死なずに済み、世界崩壊も防げるかもしれない。と期待を持つ面々だったが、「時を見守る者」いわく、過去に行けるのは主人公のみで、失敗すれば時空の狭間に飲み込まれる危険性もある。というリスクを伴う事を聞かされるが、主人公はそれでも過去に戻る事を決意する。過去に戻った主人公は、命の大樹で勇者の剣を奪われずに無事入手する事に成功。魔王ウルノーガも倒し、全ては良い方向へと向かったハズだったが、天高く輝いていた「勇者の星」と呼ばれる球体が落下し、禍々しい黒球となったと同時に、各地のモンスターが強化・凶暴化を始めた。
事態の究明のため、旅を続ける中で、「勇者の星」はかつての勇者ローシュ、賢者セニカ、戦士ネルセン、魔法使いウラノスの4人によって魔王を封印した姿である事を知る。しかし、その封印に至る経緯で勇者ローシュは死亡し、その恋人だった賢者セニカは悲しみに暮れた…という悲しい過去である事も知らされる。
黒球の中にいる「魔王ニズゼルファ」は闇の衣に覆われ、無敵の存在となっていたが、勇者の剣によって衣を切り裂き、仲間と力を合わせた死闘の末、なんとか撃破に成功し、平和を取り戻した。全ては順風満帆な歴史を紡いだものの、これまでの旅の中で「時を見守る者」は賢者セニカのなれの果てである事を知った主人公は、勇者の力で元の姿に戻し、勇者の剣で過去に戻る事を勧める。賢者セニカは単身過去へと飛び、勇者に再会した。
それから時が経ち…「起きなさい、もう朝ですよ、今日はとても大切な日。初めてお城に行く日だったでしょ」と言い、勇者を揺り起こすセニカに似た母親の姿があった…。
以上。
ドラクエでまさかの「ループ系」しかもDQ3に大きく絡んだ内容にしている。30周年記念作品である事もこうした理由として大きいのかもしれません。過去戻り後のフィールドBGMはDQ3のフィールド曲で、ラスボス戦も大魔王ゾーマ戦のアレンジとなっており、DQ3リスペクト的な造りになっています。
エンディングの最後のセリフといい、DQ3の両親はローシュとセニカだったの?と思ってしまいますが、父親の名前はオルテガだったハズなので、ローシュ達の子孫と考えるのが妥当な所でしょうか?
それはそれで、世界が全然違うぞとか、DQ3の母親は黒髪だったハズなのにDQ11のエピローグでは紫だぞ。とか思う所は色々あります。まあでも、こうしてプレイヤー側に色々考察させる所がドラクエらしいのかな。
他にも思う所としては、最初の世界(ベロニカが死亡した時間軸)で、主人公は過去へと跳びますが、主人公のみ記憶や経験は残っている。という事はドラゴンボールとかと同じで、時間軸(世界)がパラレルに存在しているという事だろうか?だとしたら最初の世界は主人公が居なくなっただけで良い事は何もない様な…(´Д`|||)
前述のセニカが跳んだ世界も含めれば、3つの世界があると考えて良いのかもしれません。
等と、色々思う所はあるのですが、ストーリー全体としてはなかなか良く出来ていて、カミュは何故主人公を助けるのか?シルビアの過去は何なのか?等、気になる伏線が多く散りばめられており、エンディングまで進めたくなる引力があります。イベントシーンではなかなか迫力のある立ち回りを見る事が出来、特にシルビア初登場時のジャグリング、マルティナの格闘シーン等は見ごたえがありました。
これまでのドラクエには無かったイベントシーン再生(メダル女学園の追憶の根)も可能で、いつでも再度見られるのも高評価です。
道中、過去作の名BGMがちらほら出るのも古参プレイヤーとしては嬉しい演出でした。ただ、そのせいもあってか今作のBGMはあまり耳に残らなかった…DQ9もそうでしたが。作曲レベルが劣化している、とまでは言わないけど、思い出補正が強いのもあるのかな( ̄▽ ̄;)
他に大きな特徴としては、ドラクエにしては珍しく、後半で世界が崩壊する事ですね。ファミナルファンタジー6みたいな流れで、仲間が散り散りになって段々合流していく所も似ている。色々やり直しが効かなくなる要素な為、賛美両論ありそうですね。個人的にはストーリー進行で町が消えるとか世界崩壊とかでやり直しが効かなくなる類はあまり好きじゃないですね。コレに関してはちょっとドラクエらしくないかも。
実際【世界変異前・変異後・エンディング後】の3つは行き来が出来ない為、図鑑を極めるのが難しい。「図鑑を埋めるのが楽しい!」という人はかなり辛い気がしますね。スターオーシャンセカンドストーリーみたいにシミュレーター的なモノで良いから3世界を行き来出来たら良かったのに…。あるいは図鑑はシステムデータとして共用できるとか、最悪リスタート時に図鑑引き継ぎくらいさせてくれても良いと思いました。
あとは、カジノが良バランスだったと思います。過去作だと、序盤のカジノで一気に最終装備をゲット出来てしまい(※1)、以降で手に入る装備のありがたみが薄れる事がありましたが…本作では進行に合わせて100スロットが解禁されたり、賞品が増えたりする為、いきなり最強装備ゲットでヌルゲー化、という事は無くなっています。
※1:DQ4で「ほしふるうでわ、はぐれメタルのたて」等を序盤でゲット。DQ5で「メタルキングの剣、グリンガムのムチ」を序盤でゲット等。
あと何よりも大きな特徴なのは、ハードによってシステム内容に大きな違いが設けられている事が面白いですね。管理人はドラクエ1からリアルタイムにプレイしてきた為、昔ながらの見下ろし型フィールドでランダムエンカウント方式を採用した3DS版でプレイしました。結局メリットの多い3Dでやってたけど(´▽`;)
また、すれ違い通信により「ヨッチ」を獲得し、時渡りの迷宮を探索させる事が可能で、その結果、過去作の世界に行けるというのも古株な管理人としては見逃せない要素でした。ただ時渡りの迷宮自体は、ザコからの先制攻撃を受け続けるか否かで進行し易さが変わってくるので、ある意味運ゲーとも思えるのが残念ですね。(ザコに2,3回先制されただけでパーティ半壊)
ヨッチに「先制され難い」とかいった固有パッシブスキルを色々設けてあったら編成が面白かったかも。他にも前述の問題点でも挙げた通り、非常に不便な仕様の数々も気になります。
時渡りの迷宮を攻略する事で行ける「過去作の世界」は原作と同じ視点(2D)で描かれ、BGMも原作のまま。ストーリーは原作に絡めた番外編というべき内容で、当時のプレイヤーを楽しませてくれる。古株プレイヤーには嬉しい要素でした(^o^)
以上、まとまりのないレビューですが、総じて面白い作品なのは間違いないです。ストーリーにループ系を持ってきた所が、ちょっとドラクエらしくないと感じましたが、これはこれで面白かったです。ドラクエ12が出るなら絶対買います!…とはいえ、出るとしても大分先だろうなぁ( ̄▽ ̄;)
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