ゲームの里

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じゅうべえくえすと / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★主人公の剣技による戦略性
  • 主人公はLvの向上に伴って剣技を習得していく。
  • 剣技は全7種あるが、魔法等と異なり殆どがノーコストで、かつ強弱で分けられていない。
  • 「十兵衛斬り」を基本に、強力だが命中率が低い「兜割り」、使用ターンは防御力が下がるが2回攻撃出来る「二段斬り」等、メリット・デメリットを理解した上で使うと戦略性が広がる良システムとなっている。
  • ただ実際の所「二段斬り」無双であったりと、使い勝手には偏りはある。
★アイテムがかさばらない
  • 同開発作品の貝獣物語ではイベントアイテムで道具欄が埋まる事が多々あったが、本作のイベントアイテムはお役御免になると同時に消える仕様の為、かさばる事が無い。
  • また、イベントアイテムそのものが少ない造りにしている事も素晴らしい。
★ボリューム満点
  • 4Mbという大容量で、10章もの大ボリュームな冒険を楽しめる。
  • 世界が広く、エンカウント率が高い為に「ムダに冗長なだけ」という声もある。
★アイテム探しの面白さ
  • ジロキチのスパイ活動による、敵の拠点情報の調査(城の巻物)や、ウルフの特技「スコープ」による埋没アイテムの探索等が面白い。
  • 例えるなら「メタルマックス」にも似た探求の面白さを演出している。

短所(Bad point)

★歩きにくい
  • 移動時に方向キーをチョン押しすると向いている方向を変えられる仕様になっている為、移動する際に若干タイムラグが存在する。実際にプレイするとややストレスを感じる挙動となっている。
  • 「さがす」コマンドが目の前を調べる仕様の為、方向転換を可能にしたのだと思われるが、こうなるくらいならRPGでポピュラーな足元を調べる方式にした方が良かったのでは…
★エンカウント率が高い
  • 殆どの場所が高いエンカウント率に設定されており、場所によっては1歩エンカウントという事も頻繁に起こる。しかも本作のザコは異様に強い。
  • いつでもセーブ出来るとはいえストレスが溜まる。35歩の間エンカウントを無くす超力「いないぱー」もあるが終盤にしか使えず、ダンジョンでは使用不可。
★宝箱に罠がかかりすぎ
  • 全体の宝箱の8割程は罠がかかっており、その度にジロキチを呼ばなければ開けられない。さらに罠自体は事前セーブすれば100%かからない為、単純にメンドくさいだけの要素となっている。
  • しかもその中身はどうでも良いモノが大半(カラッポな時すらある)。本作のダンジョン攻略テンポを低下させている要因と言える。
★預り所がない
  • 銀行はあるのに預り所は無い。前述の通り道具欄に困る事は無いのだが片手落ちな感はある。
  • 最大のネックは「タスカルオール(全滅時に全員復活全快)」が終盤の敗北戦で全て失われてしまう事。敗北戦を組み込んでいる時点で預り所は実装すべきだったと思う。
★終盤に町が全滅する
  • 終盤、最初と最後の町を除いた全ての町が消滅する。
  • ストーリー的にも利便性的にも、これはやりすぎなのでは…。しかもここまでやってるワリには描写面に乏しく、唐突すぎて心に訴えかけてくるモノはない。
  • また、「タスカル」や「フルメタルボム」といった有用なアイテムが買えなくなる為、本作の理不尽難易度はさらに加速する。

感想(Comment)

本作はバースデイ開発によるドラクエタイプのRPG第2弾です。(第1弾は「貝獣物語」ですがストーリーの繋がりは無し)

キャッチコピーは「時空を越えた摩訶不思議ワールド誕生!!」

ゲームシステム面は貝獣物語を踏襲しつつもクオリティをupさせている。といっても穴は多いですが…(´Д`|||)

1991年発売で4Mbという大容量をひっさげて現れたRPGでもあるが、残念ながら同年発売の「ラグランジュポイント」や「メタルマックス」と比べるとクオリティは低いと言わざるを得ません。高すぎるエンカウント率、広すぎる世界とダンジョン、強すぎるザコ敵とボス、妙に無効化されまくる超力(魔法)、移動する度に発生する引っかかり…。とにかく随所でプレイヤーの怒りゲージを上げてくれる。そもそも魔法の威力を設定していなかった貝獣物語に比べれば遥かに良くなっている事は確かですが…前述の短所欄には挙げていませんが、地味に進行フラグが分かりにくい所も難点です。まだまだ調整不足だと感じる作品ですね(´Д`|||)

「助っ人システム」は新たに追加された要素ですが、後に発売される「大貝獣物語」以降でも採用されており、そのベースとなった作品と言えるのではないでしょうか。助っ人ジロキチは宝箱がある度に呼ばなければいけないという面倒なだけのシステムでしたが、助っ人システムそのものは良い試みだったと思います。

一方ストーリー面はというと、時代劇的なRPG?と思わせて…実はSFチックな話となっています。最強武器に至ってはまさかの「レーザーソード」。それまでは刀だったのに…とはいえ、ファミコンらしく描写に乏しいので、正直心に訴えかけるシーンはありません。「魔界衆」に対抗するレジスタンス的存在のリーダー「尾張入道」も、序盤に出てきて以来、忘れた頃の終盤に現れ死亡するという…「この人はなんだったの?仕事してたの?」と思ってしまう。
短所欄でも述べましたが、最後の「町全滅イベント」はやりすぎで必要性は薄いと思います。薩摩の町なんて2回滅びるという悲しすぎる展開に…大貝獣物語1・2といい、バースデイは悲しい展開が好きなのかな?
とはいえ、エンディングで主人公が過去に戻ってあるべき歴史に戻すということなので、一応ハッピーエンドと言えるのかもしれない。

さばのすけも人間に戻れたらしいですが…どうみても戻れてないw
元々人間離れしてた姿だった…というオチなんだろうか?(´▽`;)

あとは本作中盤で「宇宙船に乗せてあげるから向こう岸まで送って」とサメを騙す所なんかはちょっと心に響くモノがありましたね。送った先で「のせて のせて」って純粋にお願いしてるサメを見ると…個人的には罪悪感あるなぁ(´ω`;)


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