ゲームの里

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くまのレストラン / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★死を題材にした感動ストーリー
  • レトロ風RPGな操作感でストーリーのみを追える、実質アドベンチャーゲーム
  • 育成、戦闘、謎解きといった要素を排しているのでライトゲーマーでも十全に楽しめる
  • テーマ的に怖いシーンがあるんじゃないかと思わせるが、可愛いドット絵や落ち着くBGMで大分緩和されている
  • オートセーブ機能な為、ふいに辞めても問題なく再開できる。ケータイゲームとしては便利な造り

短所(Bad point)

★細かい不満点がある
  • オートセーブだけにすべての選択肢は取返しが付かない。(但し該当シーンはごく一部。恐らくどれを選んでも結果は変わらない仕組み)
  • ゴールドスポンサー限定の死因ファイル切り替えがシビアすぎる。(切り替えボタン受付の感度が繊細すぎるのか、チョン押しでも2,3人分切り替わってしまう)
  • 猫に魚をあげるミニゲームの広告でタイトル画面行きになる。(一部の特殊タイプな広告に限る。タイトル画面に行っても進捗は変わらないので致命的ではない)

感想(Comment)

2019年にリリースされた「読むRPG」
絵本チックだが「死」を題材としている一見アンバランスなテーマとなっており、子供には道徳心を教育、大人でも楽しめる内容となっている。

世界観は「天国と地獄の狭間」となっており、
登場人物である「くま」は天国行きが確定しているがある目的をもって狭間に留まり、レストランを開いているという設定。

序盤は主人公「レストラン従業員の記憶喪失の猫」は一体何者なのか?
くまがレストランで客に料理を振舞う目的は何なのか?
そんな気になる伏線を冒頭から設定して引力を発生させているのがGOOD。

これからあの世へと行く事になっている客に料理を振舞い、後押しをするレストランだが、
猫は記憶にダイブする力を持っており、心の奥底で求めている思い出の料理を提供していく。
その一方で死因となる瞬間をダイブによって任意で知る事も出来る。

冒頭は「天国行き」の人達に関わる為、善人達の死因の悲運さ、悲しさ、無常さは同情を禁じ得ない(;ω;`)
個人的には拳銃自殺した老人が心に刺さりました。これ未来の僕だな…と。

そんな人達の最後を目の当たりにしつつも、くまと猫は実は父娘であり、くまはずっと「イジメの末に亡くなってしまった娘を探していた」事が分かる。
「イジメは良くない。犯罪だ」という事を知らしめる道徳的なストーリーとしても優れていると感じますね。

真に娘と出会い、助ける事が出来るのは課金してみる事ができる「虚無編」に続く事になりますが、課金要素です。
商売が上手いのうーwと思ってしまう面もありますが、360円(android)とリーズナブルなのは花丸ですね
それだけの価値は絶対にある。

コチラでは打って変わって地獄行きの連中と関わる事になります。
その内の一人である強姦魔は…

ドクズ中のドクズ(#゚Д゚)、ペッ
娘を死に追いやったイジメ野郎も出てきます。

一方で「苦痛に苛まれる病院を救う為に死という救済を与えてきた看護婦」も地獄行きになっています。
こういった場合は地獄内で償いの苦痛を受けた後に生まれ変わるという仕組みらしいです。(それ以外の畜生は消滅)
あの世とやらが本当にあるのか勿論分かりませんが、理想的な仕組みだと思うかな…

地獄の奥でくまと猫は真に父娘として出会い、その後天国へ。
イジメを受けている事を相談できなかった娘と、それを察してやれなくて後悔した父。
清廉すぎた魂だけに死後も苦労してきたけど、出会えて本当によかったと涙したもんです。



ドット絵って想像力も掻き立てるというか、
泣いたり喜んだりも十分に表現出来てるし描写的には素晴らしいと思うんですよね。
ポピュラーなRPGも良いけど、こういった感動的ストーリーはいつまでも心に残る。

道徳的な意味も相まって万人にプレイしてほしいストーリーだと思いますねヽ( '▽')ノ

クリア後

更なる課金要素「ゴールドスポンサー(androidで600円)」で色々な要素やストーリーが追加されます。
商売が上手いのうーwと思わなくもないですが、こちらはあくまでサイドストーリーズな感じなので任意感は強いです。
しかし…

これは課金せざるを得ない!
くまさん、男として尊敬できる。
娘と相談できずに悔いながら一生を全うしたその人生、どれだけの苦痛であったろう…

身体の弱さから死に別れてしまった母もまた、地獄行きを望むほど悔いていたが、
似た境遇のにゃんこと関わる事をキッカケに娘と心通わせる事が出来て良かったです。
生まれ持った身体の弱さとか本人のせいじゃないよ…善い人ほど苦しんでしまうのはホント辛いね。

泣くにゃんこが可愛い(´ω`*)

しかしスポンサーという形で課金を募り、クレジットにも載せてくれる仕組みにしてくれてる作者さんには仁義を感じる。

僕も憚りながら載せてもらいましたヽ( '▽')ノ
こういうwinwinな形態好き。ゲーム業界よ永遠なれ!
開発会社であるOdencatさんは他にも色んな作品をリリースされてるようなので、順次プレイしていきたいですね。




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