真・女神転生(SFC) / レビュー(ネタバレ含む)
長所(Good point)
★奥深い3D-RPG
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★マルチエンディングストーリー
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短所(Bad point)
★全体的にモッサリ動作
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★オートマッピング機能が惜しい
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★アイテムが多く持てない
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感想(Comment)
ファミコンソフトで発売された、メガテンこと「女神転生シリーズ」に続くSFC版メガテン。1992年発売でSFCソフトとして前期にあたる作品ですが完成度はかなり高いです。
キャッチコピーは「アクマをころして、へいきなの?」
敵キャラに神話等で実際に描かれる「悪魔、天使、神、魔王」といった存在が描かれる、攻めた内容のRPGである事を端的に示しています。
ファミコン版女神転生2作はアトラスが開発し、ナムコが販売となってましたが、本作以降はアトラスが自社開発・販売を行っています。
これには以下の理由があるとの事。
- 当時のナムコの販売目標数は100万本だったが、メガテン系は30万本程度だったので続編は検討していなかった。
- アトラスとナムコの関係は良好で、アトラスがSFC版メガテンの自社販売を打診したところ快諾してもらえた。
- メガテンシリーズの商標は元々アトラスが所有していた。
これを発端にメガテンシリーズは多くの派生作品と共にゲーマーに親しまれ、
ペルソナシリーズに至ってはミリオンセラーも達成しているビッグタイトルになっているのだからホントに英断だったんだなと思いますね。
ストーリーは、現代社会に悪魔が溢れ、平和が脅かされた中でICBM(大陸間弾道弾ミサイル)が日本に着弾、法と秩序が崩壊した世界の中で主人公は「悪魔召喚プログラム」を駆使して悪魔を使役し、生き抜いていくという内容。
悪魔召喚プログラムを使うハンドヘルドコンピュータがカッコイイ。戦いとなると壊れそうな気がするけど( '~';)
更にプレイヤーの行動によって以下の3陣営にストーリーが分かれる所も面白い。
- [Law-秩序]法と秩序を重んじ、神による千年王国を築き上げる。それに従わない者には冷徹な処罰を下す事も…
- [Chaos-混沌]力と自由を重んじる。千年王国建立という野望を阻止し個々の自由を重視する。一方で弱い者は虐げられる一面も。
- [Neutral-中立]どちらにも属さない。何が正しいか正しくないか、決めるのは自分自身。道は自分で切り拓く。
冒頭から集結する男3人は属性が違っており、それぞれの道を進む事になって分かれる事になります。それでも主人公の事を慮ってくれてるのがイイ。
当時のRPGでは性格診断を兼ねたマルチエンディングって珍しかったんじゃないかなと思います。
とはいえ主なストーリーは同じで、終盤とエンディングが違う程度なので当時は1回しかクリアしませんでしたが…
ストーリー背景も細かく作られている所も魅力。
例えば「悪魔召喚プログラム」を組み、無差別に配布したスティーブンは、元々ターミナル(転送装置)の開発者の一人で、その過程が悪魔が出現する原因であった事も語られています。つまりスティーブン達が元凶。「悪魔召喚プログラム」はその贖罪なのかそれとも…。
ちなみに悪魔を使役するには強靭な精神力が必要らしく、殆どの人間は長く使う内に精神崩壊を起こすとの事。主人公の未来が心配だ( '~';)
後はLawとChaosの2陣営に分かれる世界観を描いている事からも分かる通り、通り一遍に「正義と悪」に分かれている内容ではない所も深い。
例えば作中のオザワ等は「悪魔を使役して新宿を支配し、施設警察を使ってやりたい放題」と典型的なChaos陣営で悪者として描かれていますが、オザワ撃破後は新宿に悪魔が溢れ、安全が失われています。現地の人としてはどちらが良かったのか…意見が分かれそうな所です。
漫画や小説等の他媒体でも多くリリースされており、知れば知るほど深く魅力的な作品と言えますね。
一方、ゲームシステムはというと…
3D-RPGという事で敬遠されてる方も多いかと思いますが、オートマッピング機能やマッパーの魔法といった便利機能のおかげで大分緩和されていると思います。
異常に複雑なMAPもあるので、苦手な人もいるかもですが…
フィリックスガム迷路の数倍複雑だぞ( ゚Д゚)!
あと他作品に比べて設定の細かさは群を抜いており「月齢システム、属性による装備と悪魔の違い、数多くの装備やアイテム、個々の敵に設定された耐性」等かなり奥深いです。そのせいか細かいバグが多い事でも有名です。例をいくつか挙げると以下の通り。
- 序盤の「偽造IDカード」入手時にアイテム欄がいっぱいだと手に入らずに詰む
- 属性が極限まで傾いている状態で一定の行動を行うと属性が反転する
- 戦闘後の獲得経験値が65535を超えるとオーバーフローして減る
- 人間合体を行うとバグ悪魔が生成される場合がある
他にも説明が難しいモノも含めるとコレらの数倍はバグがあります。もはやロマサガ1並みにバグゲーと言える。
とはいえ普通にプレイしている分にはそれほど有害なバグと関わらないので、実害はほぼありません。むしろその点では「2」の方が多く…それはまた別の話。
戦闘に関してはよくあるコマンドバトルですが、例によって「いっしょうけんめい戦っている」の高速オートバトルが便利です。
これに関しては時代の先取りができていると言えるくらい良システムだと思う。
バランスに関してはザコ敵に即死魔法でやられたり、オートバトルで物理反射でマッハで逝ったりとトラウマポイントがいくつかありますが、それと同じくらいコチラにも理不尽レベルで有効な戦法が多いので、ある意味よく出来ていると思います。
とりあえず全員で神経弾撃ってれば割と無双できるので、ストーリーを求める派なRPG好きにはお勧めしたい作品ですヽ( '▽')ノ
管理人の本作の思い出
僕がコレを遊んだのは中学生の時で、外伝である「ラストバイブル」の方が早く遊んでました。なのでどちらかといえばアチラの方が愛着があったりします( '~';)
3D-RPGはウィザードリィ外伝1~3をクリア済だったので「似たようなモンでしょ!」と思いながら手を付けましたが、
こっちはハクスラ要素があるワケじゃないし、ストーリー面での濃さは圧倒的にメガテンに軍配が上がるので、別物と言って良かったですね。
ちなみにwizもメガテンも友人から布教される形で貸してもらってプレイしてました。
それがなかったら敷居高く感じてプレイしてなかったかもしれないなぁ。
RPGではあまり無いサイバーな設定がホント好きで、他はメタルマックスとラグランジュポイントくらいしか思いつかない( '~';)
しかも本作の様に「平和から崩壊、更にその先」までも描いたサイバーな内容はオンリーワンじゃないかな…
3属性に分かれるマルチエンディング方式もよく出来てますね。性格診断的な仕組みも面白い。
ちなみに僕の初回プレイはNeutralでした。立ちはだかる者すべてをブチのめしてたら勝手にこうなっただけですが(物騒
自己分析するならChaos寄りになるかも…。
「力こそ正義」とまでは言わないけど「正義は力を生み出さない」は名言だと思う。
アバン先生やキラ・ヤマトも似た事言ってましたが、御大層な想いを掲げていても言うだけじゃ始まりません。
エンディングに関しては当時は中途半端な印象は受けましたね。
ルイ・サイファーは出るのにストーリーには全く関わらなかったり、洪水後の未来が悲惨なイメージしか見えないまま終わるし…。
ただ当時は細かいストーリー設定まで追えてなくて「2」もコレの数十年後とは知りませんでした^^;
作品全体で理解するとホント奥深いんですよね。そこはラストバイブルと同じだと思う。漫画や小説もいつか追ってみたい所です。
ゲームとしては"神殺し"神経弾の重要性を何故か当時から把握していたので、あまり苦戦した記憶はないですね。
今回のプレイで、銃は単体には1回しかHITしないと初めて知ったので、無双は意外と難しかったですが。
銃でバンバン無双される神や天使達ってのもどうなんだろう…( '~';)
そういやタダの人間が最終的には魔王や大天使並みに強くなるのも不思議ですね。
神経弾以外の攻略のコツについても今回の深堀調査で色々と導き出せたので満足ですw
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