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第三次スーパーロボット大戦Z 天獄編 / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★システムの殆どはそのままに各所を改善
  • 前作の「時獄編」と殆どそのままだが「タッグコマンド - ブーストダッシュ」(移動力+5)が加わった事により、後衛のユニットも戦線に加わり易くなった。
  • また、特殊スキルも色々と追加されており、その中でも「戦術待機」は異色を放っている(未行動でターン終了した場合「加速、覚醒」がかかり、SP+5)。一見『2回動けても1ターン動けないんじゃ意味ないじゃん』と思えるが、着艦戦法ではかなりのアドバンテージが取れる。
  • 部隊全体を強化する「Zクリスタル」が追加。Zチップを『部隊全体を強化するか、ユニットを飛躍的に強化する強化パーツを買うか』という良い意味での選択肢が生まれた。
★BGMの切り替えが可能
  • ユニット単位で戦闘BGMを自由に切り替え可能。それ自体は最近では当たり前になっているが、今作は更に武装単位で可能になっている。
  • 尚、PSに内臓させたmp3も設定可能。
★顔グラに動作込みの画像が追加された
  • 単に表情変化だけでなく、一部に動作込みの顔グラが追加された。以下はその一部。
  • 動作込み画像だと状況を更に分かり易くイメージが出来、良い傾向での進化だと感じた。欲を言えば魔装機神シリーズの様に一枚絵をちょくちょく出してくれても良いと思いますが。

短所(Bad point)

★チーム編成が面倒
  • 前話で強制出撃したユニットは編成画面の最後尾に追いやられる為、各話をクリアする毎に編成しなおさなければいけない。そしてそのまま再編成を忘れる、という事になりがち。
  • とはいえ、強制出撃に対する仕様を考えるとこうせざるを得ないのも分かる。SFC時代の様にシングルユニット制ならば問題は無かったのだが…。
★能力値の増減値が相変わらず表示されない
  • 「装甲値減少、照準値減少」といった能力値ダウン系の状態異常を与えても、どれだけ下がったのか定量的に表示されない為、今後活かしていくのかどうかの判断が難しくなっている。減少前の数値を確認しておけば良いだけの話ではあるが。逆に「戦術指揮」等で強化した場合も同様に表示されない。
  • 特に本作はスフィアによる各能力値の上昇が常になってくる為、増々トータルプラス値が気になる所。
  • これまでのスパロボにおいてもこの不満点は継続している。いつになったら反映されるのだろうか?それとも出来ない理由があるのだろうか?
★隠し要素が少ない
  • 当HPの攻略頁を見て分かる通り、隠し要素がかなり少ない。また、新規に強いユニットが加わるというよりも、既存のキャラが生存するタイプが多く、イマイチありがたみにかける。
  • また、条件はどれも緩く、隠しというよりは「好きな作品ルート」を通ったご褒美的な要素となっている。(例:マリーダを生存させたいのなら「ガンダムUC」のルートを通っていけば高確率で条件を満たせる)
★誤字脱字が多い
  • テキスト数が多いのも原因としてあるかもしれないが、いつものスパロボよりもさらに目についた感があった。以下はそのほんの一部。
  • これら以外にも戦闘中の文章にも多く散見された。(ver1.01時点のモノです)

「味わわせたくない」でも合ってはいるようですが、違和感ありますね(´Д`|||)

感想(Comment)

スパロボZシリーズの通算5作目。PS3とPSvitaで発売されている。長きにわたるスパロボZだったが、今作で晴れて完結編となっている。

難易度は前作よりちょっと高め。既存のスパロボの中では中の上という所でした。ザコ敵のHPが軒並み高く、1面あたりの時間がかかるという意味では「スパロボIMPACT」を思わせる作りでしたね。ザコが切り払いとかシールド防御とかするワケではないけど。単純に面倒で時間がかかるMAPが多い。ただ相変わらず「タッグシステム - マルチアクション」のおかげでMAP兵器を使い易い為、イイ感じに一掃出来るのは爽快感ありましたね。

継続して参戦している作品の戦闘アニメは、さすがに殆ど使い回しなものの、それでも地味に追加があったり、武装自体がストーリー進行に合わせて増えたりというのも良要素でしたね。特にガンダム勢はアニメーションにも以下の様に凝ったモノを感じました。

ストーリー面は…正直「スケールが大きすぎてワケが分からん」の一言に尽きます。最終的には銀河すらいとも容易く消滅させてしまう「御使い」なる存在が登場しますが、ここまで出来るとインフレが過ぎるというか…話なんて成り立たなくなる気がする。一応、銀河消滅についてはそれなりの準備が必要だったりするらしいですが、それでも実際3回程銀河崩壊を行っているのを見ると、自分の所だけとりあえず大丈夫なんて聞かされてもご都合主義にしか見えない。

あと、キャラの再利用が多いなと思いました。「ガドライト!生きていたのか!」 「アドヴェント!生きていたのか!」 もう、死とはなんだったのか?と思わずにはいられません。とにかく複雑に作りすぎている感があり、奥深いストーリーを作りたかったのかもしれませんが…それとはまた別の、分かり難いだけのストーリーになっていたんじゃないかと思います。長いシリーズモノになると有る程度しょうがないのかな。

ただエンディングだけは分かり易いというか、Zシリーズらしくない王道ENDだったなと思いましたね。これまでのZシリーズは「この人が敵に!?」というような急展開が多かったので。
「一旦全部を消滅させて、俺の好きな世界を創り直してやるぜ!」と目論むラスボスを、世界の意志を集約させた力で倒し、いくつもの世界が混ざった世界を元通りにした」という内容。まあ最終回に相応しい、良い大団円だったという事で!

しかし何より残念だったのはシュロウガの事ですね。簡単に言って、『シュロウガは別の次元における至高神で、アサキムはパイロットとしてシュロウガに形成され、御使いによって不老不死にさせられた存在』。という存在らしいですが、結局魔装機神とは何の関係もないのかと…名前をアナグラムにしたり、声優を一致させたり、レイバスター時に一瞬垣間見えるシーンも結局なんだったの?

アサキム最後のセリフ。明らかにサイバスターのテーマ曲「熱風!疾風!サイバスター」の歌詞から来てますが、この人、結局何の関係もなかったからなぁ…。管理人が魔装機神ファンである事もあり、勝手に過剰に期待しすぎたのもありますが…ゲームだけでは見えない裏設定とかあったりするのかな?
追記
スパロボOGMDにおいて、魔装機神F後のサイバスターがイミテイション・リチュオル・コンバーターを搭載して登場。これにより精霊の加護を失った状態でも負の思念を糧として稼働する事が可能になったが、その代償として長時間稼働すると機体とマサキが負の属性に転身してしまうリスクが孕んでいる事が判明。シュロウガ化への伏線?


参戦作品は個人的に「超重神グラヴィオン」リストラはかなり悲しかったですね。原作ストーリーは過去作で終わっている為、いるだけ参戦になるでしょうが、それはザンボット3やダイターン3等も同じです。というか殆どいるだけ参戦のハズです。一応リストラ組に関しては「別の所で戦っている」という設定でしたが、プレイヤーとしては当然納得出来ませんね…。まあこれまでのZシリーズで登場した作品全てを出すとなると、難しいのも分かりますが(^^;)

良かったなと思う所は伏線を殆ど回収してたって事ですね。細かい点を挙げれば、放置されている点もありますが(ガンダムUCのロニさんはせっかく前作で生存したのに、その後仲間になるどころか名前すら出ない等)。でも、少なくとも「魔装機神F」に比べれば十分伏線回収は出来ていたと言えるのではないかと。

あとはこれまでのスパロボには無い超絶パワーアップ状態を体感できる「真化融合」は新鮮でしたね。全ユニットの全ての武装攻撃力+2000、気力最大値・SP最大値共に+50。

こんな超攻撃力ユニットを操作したのは「スーパーロボット大戦EX」のネオグランゾン以来だ(゚д゚)

あとエンディングは各作品毎のエピローグが毎度の如く流れますが、全部まともに読むと30分かかった程の大ボリュームでした。参戦作品が多いからかな? 賛美両論ありそうですが、それだけ創り込んでるって事で良点だとは感じましたね。原作からさらに先の話ってカンジでifも楽しめたし。一例を挙げると「カミーユは個人でMS開発、アムロはそのテストパイロット」とか。

等々、言葉は尽きませんがZシリーズもこれでお終いということで、キレイに締めた作品だったかなと個人的には思います。ただ今回思ったのは「シリーズモノは悪い意味で壮大になるな…」と。第三次αもそうだったし。OGシリーズを除けばスパロボのシリーズモノはもういいかなと感じましたね。多分こういった後作となるとメーカー的にも売上良くないだろうし。

UXみたいなちょっと珍しい所を突いてきたみたいな単発モノを、次回のスパロボでは期待したいですね!あとそろそろ音声付きでテッカマンブレード出して!(激しく個人的な思い)


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