ゲームの里

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魔界塔士Sa・Ga / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★GB初のRPGにして高クオリティ
  • 低容量のゲームボーイソフトでも十分にRPGは作れると知らしめた作品。
  • 多くのバグはあるものの、普通にプレイする分には全く問題無いレベル。敵がやや強め、一部の進行フラグが分かりにくい、ラストフロアから出られなくなる等の難点もあるが、それを差し引いても万人が楽しめる造り。
★キャラメイキング制による自由度の高さ
  • 主人公を含め、全キャラは3種族から自由に決定出来る。
  • 最大4人パーティ制を採用しており、プレイヤーによって攻略の仕方が異なるのが面白い。
  • いずれの種族もデメリットがハッキリしており、定番所が無いのも良くできている。(但し1種族パーティはデメリットを補完出来ない分難易度が上がる傾向はある)

短所(Bad point)

★一部分かりにくい部分がある
  • 先へ進む為の各種ギミックについて、説明不足な点が散見される。
  • 個人的に詰みそうになったのは「空気の実の場所」と「23F行きの柱」。後者は「この上にアシュラがいます!」と言う人がいるが階段がないので混乱する。実際は柱に飛び込むとエレベータの様に上がれる様になっているが一見して分からない。

感想(Comment)

本作はファイナルファンタジー等のRPGで有名なゲームメーカースクウェア(現スクウェアエニックス)から発売された、ゲームボーイ(以下GB)初のRPGです。

GBはファミコンに比べて画面が狭く白黒で低容量と制限があった為、当時は「GBにRPGはそぐわない」と各メーカーでは囁かれていたようですが、それを大きく覆したパイオニア的作品とも言えます。とはいえドラクエ2辺りも同じ1Mb容量で、GBは単色4諧調とグラフィック面では低容量で済み、開発費も比較的掛からないと十分向いた要素はあった模様。
バッテリーバックアップを積んでいるワリに価格も3500円(他作品の相場でいうなら4000円だった)と安く、クリスマス前に発売された事も商業的に大勝となり、販売数はなんと110万本。スクウェアにとっても初のミリオンセラー達成タイトルだったとか。GBプレイヤーでRPG好きなら大体の人がプレイしており、悪い評価はあまり聞かない、歴史に残る名作ですね。

当時はゲーム雑誌でも上図の様な見開き広告も多く発信しており、スクウェアとしても相当の自信作だった事が伺えます。当時のスクウェアはホントに出せば売れる名作メーカーだったよなぁ(´ω`*)

ストーリーとしては、ファンタジーをベースとしつつもパワードスーツやビームライフルといった兵器が混ざった世界観となっており、「世界の中心に立つ塔の最上階には楽園がある」という伝説に挑む内容となっています。殆どの登場人物が生きるのに必死な状況で、主人公達を含めて殺伐とした空気を持っているのも大きな特徴。

性別に関わらず同じ暴言を吐くのも低容量のサガか…(´ω`*)

塔を登っていくと、一定の階層ごとに色々な世界があり、出会いや冒険が待っているのも面白い。低容量でよくぞここまで…と感嘆せずにはいられません。
BGMはこれまでのFFシリーズの殆どを手掛けていた植松信夫氏によるもので、GBながらも耳に残る名曲が多く収録されているのも魅力ですね。

ゲームシステムとしては、まずよくあるレベル制を廃止しており、人間なら市販薬で強化、エスパーなら戦闘を繰り返す事で強化、モンスターなら戦闘後に出現する敵の肉を食べて変異していく等、種族毎に成長の仕方が異なっている事が特徴的。また、武器や能力には使用回数が設けられており、無限に使えない所も珍しい。強力だが一回しか使えないガラスの剣等、珍しい武器があるのも面白い。

ゲーム難度としてはやや難しく、まずザコ敵の群れが結構辛いです。素早いエスパーがいてグループor全体攻撃が出来れば安定ですが、パーティ編成が自由な分、変に偏ってると辛い事になります。上述した通り「空気の実はどこにあるの?」等、ちょっと分かりにくい点もあります。ただ、既存のRPGに比べればバランスは良い部類です。頑張れば誰でもクリアは可能です。
後はバグが多い事も特徴としてありますが、幸い(?)普通にプレイする分には関わってこない為、かえってバグ技を使う事で色々セカンドプレイが楽しめるという状況になっているのも個人的には良作だと思います。これがロマンシングサガ1並みにバグゲーだと困った事になっていたと思いますね(*´Д`) 一応バグが改善された後期バージョンも発売された為、メーカーとしての姿勢も良いとは思います。

強いて難点を挙げるなら、ラストフロアでセーブしてしまうと、ドアかテレポートが無い場合、帰る事が出来ない事ですね。これはWSCリメイクでも同じだった気がします…何か拘りでもあるんだろうか?一応当時は「ラストダンジョンでセーブすると戻れなくなる」という作品は多かったので、プレイヤーとしても警戒する部分ではありましたけどね。
ラスボスが「世界征服を企む悪の人物」でもなく「人類滅亡を目論む魔王」でもない、世界や人間を創造した神だというのもビックリ。しかもそれに勝ってしまうというのも…神とはなんだったのか( ゚Д゚)
ちなみに、その後発売されていったサガシリーズは基本的に「神への対峙」がテーマとなっている様で、色々な形で神との闘いが繰り広げられて行きます。サガシリーズすべてがオススメ出来る作品なので、未プレイの方は是非遊んで欲しいですね(*'▽')

解析による感想

今回、本作品を攻略・解析するにあたって興味があったのは以下の点でした。 各種盾のバリア効果は、キングの盾が「冷気・毒・石化」だけというのがちょっと意外でした。炎や電気をさしおいて何故冷気だけなのか?あと最強の盾と名高いイージスの盾は「地震・変化」だけでしたね。〇すべてじゃないのか…。あとバリア効果が永続し、別バリアを張っても効果切り替えではなく重複する所が意外と便利に出来てるなと思いましたね。それでも利用価値はやや低めですが(´ω`;)

各防具が内蔵している耐性はバリア同様マスクデータですが、最終装備の中で「〇すべて」を持つのは「ゾクのはちまき」だけでしたね。ファイナルファンタジーにおけるリボンポジションなのかな。最終防具になりがちな「パワードスーツ」は全く耐性が無いのも意外でした。

全武器の威力は価格と概ね比例するのは予想通りでしたが、威力が高くなるほど乱数が小さくなる為、高威力武器も中威力武器も与ダメはほぼイコールになりがちな所が意外でした。兵器は能力値に依存しない為に不遇な結果でしたね。普通にプレイしていても体感でわかりますが…。続編ではメカ種族の登場で立場が向上しています。

ディフェンダー等の特殊効果もなかなか面白いモノが揃ってましたね。ルーンアクスは全体魔法以外全反射というのも意外でした。普通プレイではスルーされがちな武器ですが、魔法が脅威である本作では上手く使えば強いかも。

各能力値は一見99でカンストしている様に見えますが、内部値は255まで上昇可能な為、人間であれば255近くまで上げる事で攻略はかなりラクになりますね。但しその最強状態で更にドーピングアイテムを使うとオーバーフローして1に戻るので注意です。

他にも、アシュラ後ろの扉や楽園の扉など、本来行けない所に行ってみたり(入れなかったけど)、当時の疑問が色々解けて面白かったです。


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