エストポリス伝記 よみがえる伝説 / レビュー(ネタバレ含む)
長所(Good point)
★ナンバリングに続くストーリー
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★高い戦略性
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短所(Bad point)
★戦闘の敷居が高め
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★BGMが微妙(前作比
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感想(Comment)
本作はスーパーファミコンで一部人気を博したシリーズ「エストポリス伝記」のGB作品です。諸々の理由で発売当時はやる気がせず、2024年にクリアしました。
パケ裏より。キャッピコピーは「あの伝説が蘇る!あの感動が蘇る!」
何かリメイク作品みたいな文面ですが新作です。
「エスト1」が現代とすれば「エスト2」は過去、そして「3」で未来にして完結編になると言われていましたが、
本作は終わってみれば「2.5」な位置づけでした。
本作が発売された経緯としては、
元々「エストポリス伝記3 ルーインチェイサーズ」がプレイステーションソフトとして1998年に発売予定だったのが販売会社の倒産によって頓挫。
その後、販売権がタイトーに移り、すでに北米版として発売されていた本作が日本向けに発売されたらしいです。
ストーリー面ではマキシムの血族である主人公ウェイン、謎の占い師シーナ。そして三度人間に牙向く四狂神。
これまでのメインとなっていた登場人物が深く絡んでます。もうコレが3で良いんじゃね!?
2001年発売当時に遊ばなかった事を悔やむレベル。
これまでのマキシムの血族は、マジメな正義感という感じでしたが、ウェインに関してはウダウダ考える前に行動し、おバカだけどケジメと信念を貫く漢です。
冒頭から、火事に巻き込まれた女の子を救う為に火中に飛び込んでいる。
一応出会ったばかりのシーナが回復魔法を使えるだろうというアテはあったようですが…ただのバカではないのは好感が持てる。
当時の主人公によくいた熱血漢ですね。
ワンピースのルフィみたいな感じで、カリスマに惹かれて仲間が集っていくのは見てて爽快感があります。
さらに四狂神達ですら、そんなウェイン達にどこか心動かされていた傾向がありました。
人間を見下し続けていた悪神達への影響が、本作の鍵かなとは思いました。
エリーヌ同様、かなり影響されていたような描写でした。四狂神を倒して終わりみたいな単純な話に「3」で締めなかった可能性もありますね。
他にも「1,2」で絡みのあったアーティの弟子(?)ミルカが仲間になるのもシリーズファンとして激アツでした。
アーティ同様の万能選手。素早いのは本作においてはかなりのアドバンテージなので、開発の愛を感じるw
そして終盤で、ヒロインのシーナがまさかのエリーヌと自らを明かし、裏切るシーンがあります。
この前にシーナが仲間としている時にエリーヌが出現するシーンがあるので、まさかと思いましたね。
(この時のエリーヌはシーナの用意した分身だった。この戦闘ではシーナだけIP上昇がないので一応分かる様になっている)
そしてシリーズファンなら、3神撃破後にこうしてわざわざ悪者ぶって牙向いて来る理由は「ウェインにデュアルブレードで自身を殺してほしい」と分かってしまうワケで…辛いな(;A;)
そしてエリーヌを撃破するとディオスの残留思念が怪物ザルバックを召喚、エリーヌを取り込んで世界の破滅を始めてしまう。
「2」もそうだったけどディオスは残留思念となってまでロクな事しないな( '~';)
シーナの気持ちを汲み、再度シーナに剣を向ける事になる。マキシムの血族はいつもこうなってしまう。辛すぎるな…
同時に移動中のBGMは「世界を救う者」に固定される。合いすぎィ!
3度浮かび上がった虚空島に、ザルバック撃破の為に上陸すると例の虚空島のBGMが流れる。これもアツい。
世界を救う者としてシーナに剣を向けるウェイン。この時のIP上昇がウェインだけゼロなのも泣けてしまう(;A;)
このフロアは何回悲劇を繰り返すんだ…
ともあれ、この1年後にシーナは復活するんですがw
シーナは「エリーヌの記憶が目覚めたと同時に占いの的中率が100%になった」と言っていましたが、
正しくは本人も知らない「望んだ通りの展開になる力」だったらしく、ウェインにまた会いたいという気持ちが復活させたらしいです。
ややご都合展開ですが…ルフィアと違って記憶喪失にもなってないし力も失われたという事で3神復活もない。大分ハッピーエンドですね。
ちなみにウェインもこの1年で力が落ちたとの事。
波動の力とやらが人間全体を指すのか、マキシムの血族が四狂神キラー的な力で役目を失って眠りに入ったのか。
ウェインはその後は自由気ままに冒険をしており、次は虚空島が落ちたエストランドとやらに行くという事で終了。
別れた仲間達も運命に導かれるようにエストランドへと向かう模様。
アーティも含めて「3」で全員集合みたいな構想だったのかな…
でも本作は元々北米専用タイトルの予定で、「3」がポシャってから製品化されたワケだからそこまで考えてないのかな?
何にせよ「3」に続いて欲しかったですね…。
人と神との闘いはどのような結末を迎える予定だったのか。本作が発売してから20年以上経った今でも気になって仕方がない!
P.S. 各作品の舞台について
1の舞台はウエストランド
2はノースランド
本作はサウスランドとなっており、シーナはノースランドから来たと言っている。
そして3ではエストランドが舞台になる予定だったのかなと思います。
ちなみにゲームシステムで大きな特徴は、やはり9人編成システムですね。
当時コレを見た感想が、正直「ややこしそうだな…ナンバリングタイトルでもないから深く関係なさそうだし」でした。
実際はナンバリングタイトルとして数えても良い内容なので、ホント惜しいと思います。
戦闘はいざやってみても、9人いても実際に戦うのは3人。でも全体魔法は9人が食らう都合上、世話が大変だなという印象でした。
内部データ的には全体魔法ダメージは対象が多いほど減るので、9人で受ける意味はあるんですが実感的には分かりません。
ウェーブマトリックスシステムで縦横にステータス補正が掛かったり、戦闘中は自由にポジション変更が可能な事から戦略性は間違いなく高いんですが、
それでもややこしいが勝るかなという感想です。万人受けはしにくいと思いますね。
ストーリーがウリのエストポリス伝記なのにコレは実に惜しい。
元々北米向け作品らしいですが、ドラクエチックなRPGがウケないと言われる北米でコレ受け入れられたのかな?( '~';)
でも低Lvクリアとかされてる方がいるくらい、戦略面では優秀です。
もっとメジャーなタイトルになっていればRTA界とかで盛り上がったハズなのに…惜しい!
そんなワケで戦闘面はやや難易度高めですが、エストポリスファンとしては絶対プレイした方が良い作品です。
もしまだプレイされてない方は、本作を遊んで「3」の発売を待ちましょう(^皿^)b
おまけ(解析苦労話)
管理人はアイテムや装備、敵データを解析で調べられるのなら一覧にして当HPで展開するようにしていますが、本作は一筋縄では行きませんでした。まずビックリしたのはROMデータの長さが一律ではない事。武器を例にすると…
この様にモノによってデータ長さが違います。
恐らくアーティの弓みたいに「全体攻撃、後列攻撃可、飛行特化…」など特徴が多いほどデータも長くなると予想されます。
しかも断定できるのはこの色付き3種データだけで、他数値は何を表しているのか分かりませんでした(;A;)
武器属性を割り出そうとして、同種の武器を比較して見ても「0=無属性、1=聖属性…」のような分かり易い設定はされていませんし。
(テキトーに値を変えて割り出すのも試みましたがフリーズしたりと謎現象が起きやすい)
知りたいのはマスクデータである「攻撃属性、特効、固有効果、耐性」等ですが、タチの悪い事にこれらの要素はRAMには格納されません。
つまりROMデータに設定されている性能が武器IDだけで紐づけられて読み込まれており、RAMからこれらのマスクデータを調べる事ができません。
こうなると攻撃力と敵の防御力を固定した上で、武器IDを切り替えて調査するしかないという結論に達しました。
ウェインとデッカードもビックリな力業。管理人の頭の悪さが垣間見える状況に(;A;)
防具データや敵データも同様なので、可能な限り調べて切り上げるという残念な結果になってしまいました。
解析や検証はパズルを解くみたいで面白くはあるんですが…
本HPは広く浅くをモットーにして、数多くの作品を調べて遊んでHPの更新速度を上げていきたいので、今後は自重しないといけませんね( '~';)
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