ラグランジュポイント / レビュー(ネタバレ含む)
長所(Good point)
★BGMが良い
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★SFを題材にした珍しいRPG
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★ゲームバランスが良い
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短所(Bad point)
★主人公の名前が浮いている
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★パーティ編成システムが実質死んでいる
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★エンカウント率が高く、ダンジョンが長い
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感想(Comment)
本作はコナミから1991年に発売されたSFを題材にしたRPGで、黒くて大きいカセットが特徴。↓比較画像
本作はファミリーコンピュータマガジン(通称ファミマガ)の第100号記念企画から生まれた作品です。開発はコナミが行っているものの、ファミマガを通じてゲーム好き読者大勢から寄せられた意見やデータを多く採用している(タイトルロゴ、一部BGM、町人の会話メッセージ、モンスターデザイン等)。そういった経緯だった為か「武器合体」等のありそうで無かった要素も取り入れた、高クオリティな内容になっている作品だと思います。
ストーリーはSFモノで、ガンダム作品等でよく話に出る宇宙コロニーに人類が住んでいる。といった世界観ですが地球の風景は一切出てきません。一応エンディングで出てきますが、舞台とはならないので、地球どうなってんだ?という疑問は多少残ります。コロニー移住が進んでるくらいだから、環境破壊もかなり進んでしまっているのだろうか?
宇宙船パイロット訓練生だった主人公ジンは、「過去に起こったバイオハザードに関係していたと言われるシュトルテ博士を探せ」と頼まれる所から始まりますが、道中のストーリーはファイナルファンタジー等の様に逐一見せてくれる内容ではなく、町人からも能動的に情報を得ないとイマイチ掴めない内容な所がやや残念でしたね。実際、当時小学生時にプレイしていた時は「シュトルテを探していたのに、ラスボスがシュトルテだった」というトンデモ展開にしか見えませんでした(とはいえ、進行に合わせてストーリーが展開される作品自体が当時は少なかったですが)。一応、オレギをはじめとするプレジデントファイブの連中を倒した時にバイオハザードについての背景が語られますが…それを含めても描写が少ないですね。
イベントといえば本作のプレイヤーの多くが「トラウマ」と今でも語り草になっているのが「タムの最後」ですね。


ココだけアニメっぽく吹っ飛ばされるシーンを設けているのが凄く記憶に残る。最後に呼ぶ名前が祖父でもなく、世話をしてくれたクリスでもなく、ジンである事が少年らしい憧れを描いている…というのは考えすぎかな?
ゲームシステム面はかなり良く、ファミコンソフトとして考えれば圧倒的に高クオリティです。さすが4MBという大容量を誇るだけある。(ドラクエ3の2倍)


SF世界観という事で、多重スクロールのサイバーな基地を歩きまわったり、宇宙服を着て宇宙遊泳等といった本作ならではの雰囲気も良いですね。武器もサイバーだし、ソーラーカーやモービルといった色々な乗り物にも乗れて、武器合成なんかも出来るし、専用チップを積んでるだけあってBGMも良い。
何か面白いファミコンのRPGをやりたいという人には是非オススメしたい作品です!
おまけ
本作が製作されるキッカケとなったファミマガで、本作の漫画が連載されておりました。作画は「ギャラリーフェイク」等で有名な細野不二彦氏。単行本化はされていない為、読みたいと思った場合は現在プレミアがついているファミマガそのものを入手しなくてはなりません(一応攻略本で1話のみ収録されています)。ロマサガ2とかツインビーとかストリートファイターは単行本化したのに…何故だろう?冒頭では武器の使い方すら知らない弱っちぃジンが、窮地に陥ると無意識に圧倒的な強さを見せるのが好きでしたね(ガイアの戦士と呼ばれる戦闘プロフェッショナルのセンスを持っているという設定)。オレギすらもガラスの破片を飛ばしたりして、結局素手で倒している…。アツい。ストーリー進行に合わせて強化されていく装備がダサいのが残念でしたが^^;
今現在でファミマガを見つけるのは大変だとは思いますが、興味ある人は探してみるのも良いんじゃないかと思います。【収録:1991年No.8~No.17(未収録回あり)】
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