ゲームの里

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貝獣物語 / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★オリジナリティがある
  • よくあるトップビュー型RPGではあるが、4人の主人公を自由に切り替えながら冒険していく「パスシステム」が特徴的。
  • どうやって4人を合流させるか、2人乗りのボートをどうやって運用していくか等、パーティ分離に頭を悩ませながら冒険していくのが楽しい。
★敵に瀕死グラフィックがある
  • 敵が瀕死になるとグラフィックが変わる。
  • 当時は容量をどう削減するかで苦心していた時代なのに、敵グラフィックに実質2倍の容量を割いている事は拘りが感じられる。
★凝った付属品
  • 本作の完品は【メインキャラ4人のフィギュア、シェルドラドMAP、涙の密書】が同梱されており、パッケージも大きい。
    特に『涙の密書』は封筒に包まれており、あるイベントをクリアしたら開くように記載されている。
  • 密書の中身はラストダンジョンのMAPとなっており、当時のプレイヤー達には冒険心をくすぐる工夫が凝らされていた。

短所(Bad point)

★やや歩きにくい
  • 歩行時に方向転換する際、ちょん押しでそちらを向く挙動がある為、結果的に歩きにくくなっている。
  • この挙動のせいで墓に突っ込んでしまってほねおとこにやられるというストレスな事例もある。
  • 同じ開発のじゅうべえくえすとでも同じ挙動。何か拘りでもあるのだろうか…
★獲得経験値が渋すぎる
  • 戦闘で得られる経験値がかなり低く設定されており、強い敵を苦労して倒すよりも弱い敵をサクサク倒しまくる方が数倍美味いバランスになっている。
  • クリアして振り返るとゲームの9割はLv上げ作業だったという現実がのしかかる。経験値が5倍くらいだったら妥当かもしれない。
★フラグ設定がガバガバ
  • 本作はイベントアイテムが数多く存在するが、実は半分以上が必要なかったりする。
  • 他にもサザエの戦車は無くても先に進める、中ボスの殆どが逃走抜け出来る、ラスボスを封印するアイテムは無くても封印出来る等、とにかくイベントフラグの殆どが体をなしていない。ちゃんとテストプレイしたのか?と問いたくなるレベル。
★攻撃魔法が空気
  • 本作の攻撃魔法の威力は何故か物理攻撃力依存。しかも威力が設定されていない為、実質通常攻撃と威力がほぼイコールになっている。
  • しかし敵側にはちゃんと威力が設定されており、痛いダメージが飛んでくる。
  • これまたちゃんとテストプレイしたのか?と小一時間問い詰めたくなるレベル。
★敵が不当に強い
  • 自由度が高い故にどこに行って良いのか分からず、強敵ゾーンに迷い込み易い。
  • 攻略チャートを見ながら順当に進んでも、敵が強すぎて進めないということがザラにある。
  • Lvを上げようにも前述の「経験値が渋すぎる」問題で簡単には行かない。
  • 主人公以外はダメージソースにならないシーンが多く、裏技である「ヤドカリ戦法」を使わないと大抵のボスは倒せないという事もザラ。単純にゲームバランスを欠いている。

感想(Comment)

本作はナムコから発売されたドラクエタイプのRPGです。
パケ裏
キャッチコピーは「今!小さな四人の勇者が立ち上がる!!」

開発はバースデイによるもので、後に本作のノウハウを活かして「じゅうべえくえすと」と「ドリームマスター」というRPGを発売しています。
これらは個人的に「バースデイ3兄弟」と呼んでおり、本作は長男にあたります。

ストーリーは「大魔王ファットバジャーを倒すべく集結した4人の貝の勇者が旅に出る」という安直…もといポピュラーな内容。
面白いのは、4人の中で「火の貝の勇者だけは、異世界から召喚された人間」である事だと思います。
当時は「魔神英雄伝ワタル」や「ラムネ&40」といった異世界召喚モノであるアニメが多かったので、参考にしたのかもしれませんね!

なお、このシェルドラドという世界では、貝獣と呼ばれる可愛い亜人が暮らしており、他3人の勇者も貝獣となっています。


発売時期はドラクエ3とほぼ被っており、比較的に見ると特に出来の悪さが際立って見えてしまいますが、
ゲームシステムとしてはキャラチェンジシステム・地図コマンド・敵の瀕死グラフィック変化等、オリジナリティはかなり高いと思います。
良い意味でポピュラーなトップビューRPGであるのも遊びやすい。

さらにリアル付録の地図2種が冒険心をくすぐる内容となっている。
地図ありきなくらい世界が広く複雑なのが辛いところですが…。

本作の大きな特徴は、やはり自由度が高すぎる所にあります。
クリアに必要なアイテムも多く「どこに行くかは自由」と言うより「どこに行っていいのか分からない」状況になりやすい
かといってちょっと未開の地へ踏み出すとこれまでの数倍強い敵に出遭う事もザラ。
例えるならドラクエ3のカザーブから東端に進んだらグリズリーの群れにやられるのに近い。これが普通に起こる

この様にゲームバランスが激難設定になっており「殆どの攻撃魔法が意味を成していない(※)」等も大きな問題といえます
これはちょっとテストプレイすればわかる事だろうに…。
※こちら側が放つ全攻撃魔法に威力が設定されておらず、実質通常攻撃とイコールになる。

当時を思い返す程トラウマを感じる!なんてゲームだ!(゚д゚|||)

ただこれらのノウハウは受け継がれたのか、続編にあたるSFCソフト「大貝獣物語」は良作になっています。
ファットバジャーの存在等、ストーリー面もそれなりに絡んでいる為、
本作をクリアしてからプレイすれば楽しめるエッセンスとなる…かもしれません。
シェルドラドが好きになった方は続けて遊んでみる事をお勧めしたいですね!

当時の思い出

当時は小4くらいで、
自宅では「ゲームは一日一時間」という謎ルールが発令されており、ロクにゲームをプレイできませんでした。
そんな事情から、友人の家で片っ端からファミコンをプレイさせて貰ってました。迷惑な奴だw

そんな折り、友人の橋爪君ちでこの作品に出会いました。
根本的な造りはドラクエとほぼ同じで遊びやすかったのも良かったですね。
本作に限らず、友人から貸してもらう時は説明書は付いてこないので、
SFCのダンジョンマスターみたいに難解だとプレイすらおぼつきませんからね

とはいえ前述した通りどこに行って良いのか分からないのが本作なので、順当に詰みました。
4人が合流する所までは何とかなったんですが…
ファミマガ(※)の攻略フローチャートを見て行先は分かっても、敵が強すぎて万策尽きるんですよね…
※当時のゲーム雑誌。付録にRPGの簡易フローチャートブックや大技林という裏技本が付いてくる等で有名。

今思えば弱い者いじめして狩りテンポ高くしつつ安定して経験値を稼ぐのが最適解なんですが、
クソガキ時代はそんな思考があるワケもなく、ムダに強い敵相手に稼いでたのでモチベが続かなかったですねorz

ガキんちょ時代ではそんな感じで放置してしまいましたが、高校時代にリベンジ成功しました。
この時にはもう大貝獣物語1,2共にクリア済だったので、
「ファットバジャーって未来ではギャブファーに囚われて改造されて良いように使われるんだよな…」等と思っては哀れな気持ちになりました( '~';)

そうしてゲームは詰んで終わりでしたが、同時にゲームブックにもハマってました。

ゲームブックとは1990年代でプチ流行っていた小冊子で、
1ページから読んで「旅が始まった。武器屋に行くなら8ページへ、すぐに外へ出るなら27ページへ」みたいに読者の選択によってストーリーが分岐する内容です。
武器屋に行ったら「戦士の剣を装備。所持金-50」という様に、メモ帳にでも記載しながら進み、後々の話に影響を及ぼしていきます。

貝獣物語に限らず、色んなゲームブックをやったなぁ。
ドラクエ3なんかは3巻構成で大ボリュームでした。挿絵も良かったりして。
全般的にクリアが意外と難しくて、いざ終わったら最初から最後まで全部読んで、
こんな展開もあったんだなと確かめるのが面白かったですねヽ( '▽')ノ


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