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ドラゴンクエスト4 導かれし者たち / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★ストーリー重視な作り
  • ファミコンのRPGは容量制限もあってストーリー描写に乏しい作品が多いが、本作は4Mbという大容量を駆使したオムニバスストーリー方式を採用し、主人公(勇者)以外のキャラにも脚光を浴びせている。
  • また、本作のラスボスはこれまでのRPGにおける魔王のような「絶対悪」ではない。単純な勧善懲悪ストーリーではない深みがある。
★馬車の採用
  • 前作同様の4人パーティ制を採用しつつも、2軍キャラは馬車で同行する事が可能になり、いつでも編成が可能になった。
  • 但し戦闘中の入れ替えは1人ずつしか行えず、ターン中に行われる為にやや不便。(飛び出したキャラは即座に行動する為、ターンのムダにはならない)
  • 開始ターンで「総替え」が可能になるのは、自作であるドラクエ5を待つ事になる。
★各種システムの進化(前作比較)
  • 鍵を使わずとも「とびら」コマンドで扉を開けられる様になった。(開けるのに必要な鍵の所持は必要)
  • 重要アイテム入手時にはBGMが鳴るようになった。
  • 客を見るとダッシュしてくる店員、教会まで押してあげるとお金をくれる老人など、ギミックを与えられた町人が増えた。
  • システムではないが、カジノや最強剣が眠る洞窟等、クリアには関係しない寄り道要素が増えた。

短所(Bad point)

★AI導入に伴う戦闘の不自由さ
  • 5章に入ると主人公以外の行動は全てオートとなるが、逆に手動でのコマンド入力は一切できなくなる。
  • この為、仲間は基本的にボスに効きもしない即死呪文を連発する、バイキルト等の強力な補助呪文を使ってくれない等、ストレスフルな行動が目立つ。
  • 一応、ある程度の行動指針を示せるように「いのちをだいじに」「ガンガンいこうぜ」といった作戦の設定は可能。
  • この自動行動は相対している敵の耐性や行動を4段階に渡って学習し、ターン経過に伴って適した行動を取る仕組みになっている。しかしこの学習Lv(マスクデータ)が上昇するかどうかはターン毎に確率で決定する為、ツイてない時はいつまで経っても賢くならない。
  • 戦うのが一回きりのボス戦では(死に戻りしない限りは)学習Lv0で挑む事になるのも辛い。一応開戦早々アストロンでターンを流して学習Lvを高める方法もあるが、考え様によってはAIのせいでひと手間かけなくてはいけないとも取れる。
  • 尚、自作では仲間にもコマンド入力が可能になる作戦「めいれいさせろ」が追加されている。やはり強制AI戦闘については不満の声はあったのだろうと思われる。

感想(Comment)

前作から2年の時を経て発売された、ドラクエの第4弾にして、これまでのロト伝説とは全く異なるストーリー「天空シリーズ」の第1作にあたる。開発はこれまでと同様に「チュンソフト」が手掛けており、おおまかな操作性は良い意味で変わりなく、遊びやすい作品となっている。


キャッチコピーは「これがファミコン史上最強のRPGだ!!」「製作期間2年、ファミコン界最強のスタッフが贈る究極のRPG!!」等、最強のRPGという事を強く謳っている。前作がカツアゲ事件等の社会現象まで巻き起こす程の人気ブランドだっただけに、多大な自信とプライドを持って世に送り出している事が伺える。

容量は前作の倍の4Mbロムを採用しており、そのせいか価格は8500円と、もはや後のSFCソフトに迫る価格帯へと突入していた。その大容量を活かしてストーリー性に重きを置いており、第1章から5章に至るオムニバス形式を採用し、主人公である勇者のみならず、計8人のメインキャラにもスポットライトが当てられている。そのおかげか、2020年現在をもってなお本作のキャラ人気は高い。
そういった前代未聞な内容で難産だったのか、発売は延期に延期を重ねていたのを覚えています。まあ当時の人気作は何故か「まず延期する」という風潮があった気がしますが。大分前から予約していたにも関わらず、発売日に買えなかったという人も多くいたようでした。

前作からあった抱き合わせ商法等を懸念し、メーカー側も出荷数を増やす等の対策を行った上で発売日を迎えたようですが、それでも生産数は足りてなかったのか、卸売り業者が弱い立場の玩具店に抱き合わせ商法を強要し、公正取引委員会が動く事態にまで発展している。また、発売から1ヶ月しか経っていない状況で読売新聞に本作のラスボスについての読者投稿イラストが載り、結果的に大多数のプレイヤーへのネタバレへと繋がった為、同新聞社がメーカーに謝罪する等、数々の社会現象をも巻き起こしている。見方次第ではお騒がせソフトだったとも言えるかも('Д';)

さて、肝心のゲーム内容はというと、これまた良く出来ています。
まず第一章はシンプルに戦える戦士の一人旅という事で、慣らし運転的なプレイから始まります。そして慣れた所で第二章を迎え、武道家・僧侶・魔法使いによる3人パーティプレイ。ドラクエ1→2を思わせる発展っぷりで、戦略性の向上や面白さを感じさせてくれます。
これは短編を繰り返す事で、RPGにありがちな「中盤や終盤になると弛んできて飽きてしまう」といった事への対策も兼ねていると、開発インタビューを見た事があります。実際飽きずにプレイ出来てましたし。一方で「主人公である勇者はいつ出てくるんだ」という不満を抱く人もいたようですが…。

また、今作の敵役である魔族の王ピサロは、主人公にとっては自身の家族や村人を皆殺しにした仇であるわけですが、ピサロとしては人間に恋人を殺されたという事情があり、その恨みを募らせて最終的には進化の秘宝に手を出して化け物と化してしまったという悲劇の男で、当時のRPGにありがちだった「ラスボス=絶対悪」ではない所も深いです。

ゲームバランスも良く出来ており、発売延期を重ねただけあって、相当テストプレイをしたんだろうなという丁寧さも感じ取れます。仲間の戦力差が大きい所は多少引っかかりますが…。(アリーナがライアンのほぼ上位互換、ミネアの能力値が全体的に低い等)

強いて難点を挙げるなら、やはり仲間の行動は強制オートになってしまう事ですね。「戦闘AI搭載」は本作のウリではありましたが、クリフトが「いのちをだいじに」であってもザラキを連発するのは今なお語り草になっている程です。戦闘を繰り返す事で段々と効率的な行動を取ってくれる事が特長ではありましたが、肝心のボス戦は1回きりなワケで…コマンド入力出来ない様にしたのは何か理由があったんだろうか?もし「せっかくAIを搭載したんだから使ってほしい!」という事なら製作側のエゴですね。次作ではそこの所を反省したのか、コマンド入力が可能になる作品「めいれいさせろ」が実装されています。

そんなストーリー性重視な内容だけに、エンディングも心に残る内容となっています。BGMがまた良いんだ!当時はラジカセで録音して何度も聴いていました。

戦友達を各々の居場所へ送りだすものの、主人公自身には帰る場所はもはやなく…
そんな中、唐突に幼馴染のシンシアが復活し、感動の抱擁を交わす中、仲間たちが来てくれてEND。

唐突な感は否めませんが、マスタードラゴンが粋な計らいでシンシアを蘇らせ、仲間たちは主人公の境遇を考えて心配になり、すぐに様子を見に来てくれたんだと考えてます。全て主人公の見ている幸せな幻という説もありますが…真相はどうなんでしょうね(´ω`;)

真のハッピーエンドが見れる第6章が追加されたリメイク作品もあるので、今からプレイされる方はそちらをお勧めします。PS1やニンテンドーDSでリリースされています。蛇足という声もありますが、個人的にはこういうアフターストーリーも良いんじゃないかなと思いますね。

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