ブラックエンジェルズ / 紹介・レビュー
作品情報
ジャンル:バイオレンスアクション |
作者:平松伸二 |
連載雑誌:週刊少年ジャンプ |
連載期間:1981年~1985年 |
単行本:全20巻 文庫版:全12巻 |
特徴
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あらすじ(Story)
アルバイトをしながら自転車で日本一周の旅をしているごく普通の若者、雪藤洋士。だが、その裏には、社会に潜む悪しき者を憎み、闇に紛れて制裁を下す“黒い天使”としての顔があった。弱き者を餌食にする極悪非道な者たちへ、雪藤の冷徹なスポークが突き刺さる!長所(Good point)
★勧善懲悪ストーリー(過激)
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感想(Review)
やや過激な勧善懲悪を描いたバイオレンスアクション漫画。2015年現在となっては古い時期に描かれた作品で、同じ時期では「北斗の拳」等がある。その為か、登場する悪人全てが情状酌量の無いほどの鬼畜っぷりで、例を挙げると「女の子を○○する悪徳警官」「一般人を刀で斬っていくサムライ気取り」「ボランティアを装って老婆を体罰するガキ共」等、枚挙に暇が無い。少年誌なのに!当時は比較的描写が自由でしたね。こんな外道共ばかり登場するが、裏でコソコソやっていたり権力を笠に着ていたりと、法で裁く事は出来ない。そこで登場するのが「黒い天使」こと主人公「雪籐洋士」。
「地獄に落ちろ」のセリフと共に容赦ない一撃。前述の通り、殆ど全て「殺して解決」な為、賛美両論ありそうですが、管理人的にはこんな理不尽なヤツはもうこうするしかないだろう?と思う側なので、爽快感をもって読む事ができましたね。
まさに現代の仕事人。勧善懲悪的なストーリーで良いと思っていたら、中期辺りから「竜牙会」という集団と敵対するようになり、バトル漫画へと突入していきます。
敵は「心を読む」「水を自由に操る」といった能力者じみたキャラが登場する様になり、どんどんリアリティと方向性が脱線していきます。
そして主人公もまた…
「我が心すでに空なり…空なるが故に無」のセリフと共に無敵じみた能力が発動するようになっていきます。具体的には「攻撃する瞬間でさえも無意識状態」「熱湯を浴びてもノーダメージ」「敵の武器に乗ると同時に、敵が金縛り状態になる」「浮遊する」等。
ま、まあ初期に比べてどんどんブッ飛んでいく漫画なんていくらでもあるしな!ドラゴンボールとかキャプテン翼とか。多少特殊な能力が開花した所で、勧善懲悪モノに代わりはないだろう。と思っていたら…
なんだかんだあって突然富士山が大噴火、関東全域が崩壊。首都は関西へと移動し、関東は壁に覆われて封鎖される。そして関東は、荒んだヒャッハー系モヒカンが暴れまわる日本とは思えない状況へと変貌。
ていうかコレ完全に北斗の拳状態じゃないか!?( 'Д';)
「貴様かー!?仲間をやったのはー!?」ってのも完全にパロディに思える(´▽`;)
数人の実力者がシマを奪い合っているという状況になっており、殆ど戦国時代のような状態。これもなんだかんだで主人公達の働きで、事態は収束したかと思いきや、今度は白い天使(ホワイトエンジェル)を名乗る超能力者達が登場し、普通に「サイコキネシス」や「死者をゾンビ化してけしかける」等のファンタジーが敵・味方問わず展開され始める。
勧善懲悪どこいったんだ!?
ちなみにこの章では高い潜在能力を持つ「勇気」という少年を守りつつ戦う話となっているが、途中、勇気の心に元々棲んでいた「悪」が前面に出てしまい、逆に最強の敵になるというサプライズな展開になる。例えるなら聖闘士星矢のサガの様な状態。
この勇気少年ヤバすぎる。とはいえ元々は清らかな心を持つ勇気少年。きっと愛や友情を経て帰ってきてくれるだろうと思いきや…
ブラックエンジェルズに、そんなキレイな展開は無かった( 'Д';)
いや勿論、元の心に戻るように手は尽くしてたんですが、普通の話にあるようなご都合展開にならない所が良くも悪くも特殊な作品でしたね。当時のジャンプコミックス末頁にあった読者の声でも、勇気の変貌については悲しんでる声も結構あったようです。
勧善懲悪モノをやってた序盤でも、大体は事が起こった後の話なので救いはないし、ハッピーエンドを望む人には向かない作品かもしれません(´□`。)
個人的には変なサイキックバトルとか良いから、序盤のような勧善懲悪ストーリーを貫いてほしかったですね。でもご都合主義な展開は鼻につくタチなので、安易な展開にならないのがデフォな所はワリと好きでした。
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