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仮面ライダー555 / 紹介・レビュー

作品情報

仮面ライダー555
ジャンル:特撮、ヒーロー
放映年:2003年~2004年
話数:全50話(+劇場版)
OP曲:Justiφ's 【歌:ISSA
挿入曲
Dead or alive 【歌:石原慎一
The people with no name 【歌:RIDER CHIPS Featuring m.c.A・T
EGO~eyes glazing over  【歌:ICHIDAI
特徴
  • 仮面ライダーファイズ」と読む
  • 平成ライダーの第四作目
  • キャッチコピーは「疾走する本能」
  • 人間と怪人との共存を目指したストーリー
  • ヒーローモノと言うよりは人間関係に主眼を置いたドラマ
  • 本作の仮面ライダーはメタルヒーローに近い
  • 主人公以外も条件次第でファイズに変身可能
  • 「戦う事が罪なら、俺が背負ってやる!」
  • 「俺を好きにならない人間は邪魔なんだよ!」
  • やや消化不良なEND

あらすじ(Story)

九州で一人旅をしていた青年「乾巧」(いぬい たくみ)は、偶然居合わせた女性「園田真理」と共に謎の怪人オルフェノクに襲われる。真理は持っていたベルトを装着し、変身しようとしたが適正が無く失敗。無理やり巧にベルトを着け、仮面ライダーファイズに変身させる事で窮地を脱する。同時にオルフェノクの狙いはベルトである事を知った。その後、偶然出会ったクリーニング屋の「菊池啓太郎」の勧めで東京にある彼の家で三人の共同生活を始める事になる。
一方、東京で暮らしていた青年「木場勇治」は二年前の交通事故によって両親を失い、自らも二年間の昏睡状態を経て死亡してしまう。しかし勇治は謎の蘇生を遂げ、自他共に混乱しながらも帰宅する。だが自宅は他人のものとなっていた。そして両親の財産を全て私利私欲に利用していた叔父達を許せず、勇治は自らの姿を怪物に変貌し、自分を裏切った恋人と共に殺害してしまう。
肉体の変貌と犯した罪に絶望する彼の前に、スマートレディという女性が現れ、事の真相を告げる。勇治は一度死亡した事により、オルフェノクとして覚醒したのだった。スマートレディが属するオルフェノクの組織「スマートブレイン社」に保護された勇治は、同じようにオルフェノクとして覚醒した「長田結花」と「海堂直也」の二人と行動を共にする内に、人類を敵視するスマートブレインの方針に反発し、人類とオルフェノクの融和を考えるようになる。
巧と勇治。二人の男の物語は、ベルトと人類の未来を巡る、オルフェノクと人類の戦いが始まる。



長所(Good point)

★変身を絡めた複雑な人間関係
  • 本作は主人公でなくともライダーベルトを用いて仮面ライダーに変身可能。つまり仮面ライダーファイズがそこにいたとしても、主人公とは限らない事態もある。
  • 二人の主人公は親友の様な間柄だが、ファイズとオルフェノクとして出遭ったら、お互いに正体を知らずに殺し合う。その後、お互いの正体を知り、和解への道が拓けてきたものの、今度はファイズベルトを悪用した男のせいで誤解し、関係が悪化…というように、ベルトを使いまわせるが故の展開が珍しい。
★怪人(オルフェノク)サイドを描いた悲哀ストーリー
  • 怪人だからって悪いヤツばかりじゃないぞ!(BLACKのクジラ怪人とか!)とストーリー全体で語っている物語。
  • 逆に人間の醜さも描かれている事も大きな特徴。

感想(Review)

前作の「龍騎」同様、ヒーロー物と言うよりは人間ドラマに焦点を当てた話。それだけに対象年齢は高めと言える。
これまでのライダーとは比較的にメタリックなフォルムが特徴的。また、主人公はヒーロー然としたキャラとは有る意味対照的で、他のキャラを含めて良くも悪くも人間らしい姿で描かれている。

昼ドラのごとく、常に複雑な人間関係が展開される為、ある程度イライラしながら観る事になるかもしれない。「ウソと我儘な理論を並びたてて巧を利用しようとする真理」「青臭い自己満足の正義を並べるだけの啓太郎」「人間の汚い部分(心)をやたらと見せてくるモブキャラ達」等、とにかく序盤から全員が身勝手で利己的な行動を見せてくる為、掴みはキツい感がある。
では主人公(巧)や他のライダーといったメインキャラはどうか?と言われると、これまた誰もが憧れるヒーロー的な人間像とは言い難い。巧は殆どの事に関心を持たず、助けを求める人をも突っぱねる所がある(期待を裏切るのが怖いという背景はあるが)。中盤になると登場する「草加雅人」は八方美人に振る舞っては自分に都合の悪い人間を陰で貶めていく為、これまた汚い。終盤で登場する「三原修二」は仮面ライダーシリーズの中でも極めてヘタレの代名詞と言われている(戦う ⇒ ビビって逃げる ⇒ 再度戦う決意をするが怪我したフリをして逃げる)。
オルフェノクサイドの主人公である「木場勇治」が最も「正義」に近いキャラだと思えるが、善良すぎたのか、信じやすく裏切られやすい。挙句にはラスボス(の手下的存在)になるのだから分からないモノである。一番精神的に成長出来たのかなって思えたのは真理と啓太郎ですね。序盤が最低だった分、特に(´▽`;)

あと、作中の疑問も全てが氷解しておらず、例えば「スマートレディとはなんだったのか?」「木場の最後の心変わりが唐突すぎる。真理を人質に取ったり、海堂まで騙したりまでして「王」を蘇らせようとしたのに…結局その程度の覚悟だったの?」「ブラスターフォームの出番が少なく、最終形態にも関わらず、3回程しか活用されていない」等、作品の造りとしては不完全燃焼感がありますね。

総評として、本作には一般的に言われるような「正義」はなく、それだけに人間関係に「リアル」を追求している感じは見て取れます。作品として面白いかは人に寄る所が大きいと思います。
最後は結局永遠の命を得た敵も残り、主人公の寿命も僅かしか残っていないままEND。なんかコレ、かなり救いの無いBADENDじゃね…?と思わずにはいられない話でした。

あ、仮面ライダーレビューとしてコレだけは外せません。ファイズのライダーキック(クリムゾンスマッシュ)はライダー中最もカッコいい必殺技です(´▽`)


名シーン・名セリフ集


啓太郎「た、たっくん!オ、オルフェノクが!」

とにかくヘルプする頻度が高すぎる。どんだけツイてないんだろう(´Д`|||)

巧「俺…怖かったんだ。あの人と親しくなっていく自分がな…(中略)。俺、人と親しくなるのが怖いんだ。人に裏切られるのが怖いんじゃない。俺が人を裏切るのが怖いんだ」

巧が全ての人に無愛想に接する意味を垣間見る瞬間。

啓太郎「俺、ただのクリーニング屋じゃイヤなんだよね。ただ洋服とかを洗うだけじゃなくてさ、もっと色んなモノをキレイにしたいっていうかさ、世界中を真っ白に洗って皆に幸せになってほしいっていうかさ」
巧「お前、今自分が良い話してるって思ってんだろ」
啓太郎「茶化さないでよ」
巧「いや…良い話だよ…………ちょっとな!」

巧の、夢を持つ者への羨望が垣間見えるシーン。まさかこの夢が、巧自身の夢になるとは夢にも思わなかっただろう。

海藤「俺に言わせればな…夢ってのは、呪いと同じなんだよ。呪いを解くには、夢を叶えなければならん。でも、途中で挫折した人間は、ずっと呪われたままなんだよ。俺の苦しみは、お前には分からない」

夢について。その1

真理「夢を持つとね、時々すっごく切なくて、時々すっごく熱くなるんだ。だからかな」

夢について。その2

巧「俺には夢がない…だがな、夢を守る事は出来る」

第8話自体が夢に対する名シーンの塊でした。

結花「人間が怖い…でも生きていきたいんです、人間として。人間としてちっちゃな事で傷ついたり、人を愛したり愛されたり、そうやって、泣いたり笑ったりして生きていきたい」

人間の頃から迫害され続けていた結花の切なる願い。

草加「俺の事を好きにならない人間は邪魔なんだよ!」

草加を語る上では外せない迷言。これだけで草加がどんな人物像なのかが窺い知る事が出来る。

巧「俺はもう迷わない…迷っている内に、人が死ぬなら…戦う事が罪なら、俺が背負ってやる!」

戦う事に恐怖していた巧が復活したシーン。巧の名言の中でも外せないですね。

草加「お前に何が分かる!」
巧「分かんねーのか!似合わねーんだよ!お前と真理じゃな!」
草加「俺は…必ず真理を手に入れてみせる!真理は…真理はなぁ!俺の母親になってくれるかもしれない女なんだ」


どこのシャア・アズナブルだ(゚д゚)

啓太郎が周りに仲間外れにされた腹いせにバイトを募集した結果、ある女性がそれに応じた。巧は「ただでさえ赤字なのに何考えてんだ」と憤慨するが、女性が熱い飲み物にふーふーしているのを見て。
巧「乾 巧だ!よろしく!」


猫舌同士の親近感からだろうが、巧とは思えない程のフレンドリーさで吹く(´▽`)

以前、沙耶に「何のために戦っているのですか?」という問われていた事に対して。
巧「あの時は答えてやる事が出来なかった。でもその答えが見つかりそうだ…俺はオルフェノクをぶっ潰す。一人残らず!……それが俺の答えだ」


目の前で沙耶をオルフェノクに殺された事に対する怒りが滲み出ているシーン。ていうか流星塾ってロクな男がいないな…

木場「君だけは…君だけは許せない!君は俺を裏切り、そして園田さんまでも裏切った!」
巧「ああ…俺も俺が許せない。お前らオルフェノクを信じようとした、自分がな!」


すれ違いが重なり、取り返しのつかない対決となってしまった。一番の原因は海堂な気がする…大事な伝言を2回もテキトーに聞いてんじゃないよ…。

巧「澤田…俺はお前を倒す。ラッキークローバーに入る為に」

後半にして、主人公が実は人間ではなく、オルフェノクだった事が分かる驚愕の回。

村上「あなたはオルフェノクだ。それ以外に生きる道はありません」
巧「ああ…そうかもな。だがお前の仲間になるくらいなら、死んだ方がマシだ!」


自身がオルフェノクであっても、許せないヤツは許せない。そんな怒りや決意が込められたシーン。

澤田「どういうつもりだ…俺を助けようとでも言うのか」
巧「あんたも…被害者だからな」


かつては真理を殺した相手であっても、何かを感じ取って信じた巧。不器用な二人がやっと信じあえたシーン。

真理「ねぇ巧、まだ自分の事が怖い?まだ自分を信用出来ない?」
巧「………」
真理「じゃあ私の事を信用して、巧を信じている私を信じて。私、巧よりも巧の事知ってるから」


流星塾での惨殺事件の犯人は自分ではないかと疑い、恐れる自分に真理の信頼が向けられたシーン。この一言が無かったら、きっとどこまでも墜ちていったと思うと正に天使の一言だったでしょう。

巧「俺は戦う、人間として、ファイズとして」

立ち直った巧の変身。貴重なライダー3人同時戦闘でもある。

結花のラストシーン(画像は結花が羽になって消滅していく所)。最後の最後で結花の願いであった「オルフェノクの力の消失」が叶ったにも関わらず、殺されてしまう。その直前に送った啓太郎へのメールといい、涙を誘う回。

巧「また…会えるか?」
木場「君が人間である事を捨てるなら…友として。人間であり続けるなら…敵として」
巧「俺は人間である事を捨てたりはしない。何があってもな」


ダーク木場との決別。揺らぎまくる木場と、揺るぎない信念を持つ巧の対比とも取れるシーン。

ライオトルーパー初登場。人数といい、初代ライダーに登場した「ショッカーライダー」を彷彿とさせる(´▽`;)

木場「君は何故人間に拘る!?オルフェノクとして生き、王の力を受け入れれば死の運命から救われるのに!君は死ぬのが怖くないのか!?」
巧「怖いさ…だから一生懸命生きてんだよ!」


力強い、ある意味巧らしくないセリフ。夢を持たず、カラッポに生きてきた巧にエネルギーが宿ってきていると感じるシーン。

巧「見つけようぜ木場、三原…俺達の答えを、俺達の力で!」

ラスボスに対して3人ライダーで挑む、ラストらしいシーン。木場が心変わりした理由が今だに分からない…


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