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スーパーロボット大戦V / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★シンプルなシステムで戦略性が高い
  • 主にツインユニットシステムで編成・戦略性の高さを生み出してきた昨今のスパロボに対し、今作はシンプルなシングルユニット制を採用している。これによって、シナリオ毎に編成をいじる必要が無くなり、シンプルにゲームを進められる様になった。
  • また、第3次Zの「タッグコマンド」の様なシステムが「Exコマンド」と名を変えて導入された。これを行う為のポイント(ExC)が10まで溜められる様になり、戦艦専用のExコマンドも追加され、戦略性が向上している。
  • シングルユニット制となった事で二軍の出番は薄れてしまったが、本作は部隊共用のTacPを払う事で、好きなキャラにスキルや能力値にテコ入れが可能になった分、二軍相当のキャラであっても十分に強化が可能になっている。
★戦艦が強すぎる
  • 本作はスキル「底力Lv9」をどんなキャラにも容易に付与する事が可能になった為、戦艦に付ける事で異常な戦闘力を持たせる事が可能になった。これを利用し【冒頭から全ユニット着艦⇒戦艦がザコを一掃しつつ進軍⇒全員発艦してボスを撃破】という事が可能になった。この着艦戦法自体はこれまでのスパロボでも有効ではあったが、さすがに戦艦が全てのザコを一掃というのは難しかった。
  • ストーリー冒頭で、沖田艦長が「前線の機動部隊が敵陣を崩し、後方の戦艦が大火力で仕留める」という戦法を提案し、勝利を収めるが、むしろ「戦艦が敵陣を崩し、艦内の機動部隊が大火力でボスを仕留める」事が日常になる。
  • 難易度やゲーム性を崩している感はあるが、サクサク進められるのは個人的には印象が良かったので良点とした。
★各要素の緩和化
  • 今作の真ED(ifルート)の条件はおそらく「47話で波動砲使用、49話までにエースパイロット25人以上、グレートエース1人以上」となっており、50話前に分岐が発生する。これまでのスパロボの中でも極めて楽な部類で、条件内容を詳しく知らなくても慣れたスパロボプレイヤーならば普通に到達すると思われる。
  • むしろ緩すぎて達成感が足りない気がしなくもないが「全ての隠し要素解放」等の様にメンドくさすぎる条件よりはよっぽど良いと思う。
  • 従来のスパロボは、クリア後の引き継ぎ率は2週目では25%や50%である事が主だが、本作では2週目から100%引き継げる。
  • そもそも最近のスパロボは主人公を変えようともストーリー殆どが同じで、2週目をやるプレイヤーは少ないと思われるので、このくらい引き継ぎしてくれた方がまだやる気になる。

短所(Bad point)

★クォータービューがやや見づらい
  • スパロボZ等と同様、本作はMAPがナナメ視点のクォータービューを採用しているが、ビル等の障害物で敵を見逃し易い。ムーンデュエラーズみたく、敵が色的に見辛いという事は無いだけマシではあったが、クォータービュー自体にメリットが無い以上、トップビューで良いのではないかと感じた。
  • とはいえ慣れの問題でもあり、L2、R2ボタンで残りの敵の位置は分かる為、フォローが効くレベルの問題点。
★2種主人公の差異が殆ど無い
  • 今作は男女2種類の主人公がいるが、どちらを選ぼうともストーリーの大筋に変化は無い。性格も戦闘経験も大きく違うのに、サブ主人公になった途端、戦いに対する姿勢が逆転する事に激しい違和感を感じる。戦う力(搭乗機)が無いから、そういう選択をするのも分かるが…。
  • 一応BGMがそれぞれ違う。性別の違いによるセリフの違いも当然あるのだが、物足りない面があるのも事実。
★イベント時に歌無しverが流れる事がある
  • 管理人は歌有りBGMが収録された「プレミアムソングエディション」を購入してプレイしていたが、イベント時に歌無しverが流れる場合が多々あった(当然、歌有りverがあるBGM)。イベント時だからこそ、歌有りが盛り上がるだろうに…。ちなみにこれは、メインテーマに歌有りを設定しているか否かは関係がない。
  • ノーマルエディションに合わせた仕様なのかと思いきや、一方で歌有りが流れるシーンもあった。何故全て歌有りにしなかったのか?と疑問を感じざるを得ない。考え方によってはソングエディションを買った意味を半減させているとも言える。
★SRポイント取得の意味が薄い
  • 本作はSRポイントを条件とした隠しユニット・隠しストーリーが(多分)無い。MAPの難易度は向上だけとなってしまうとさすがに辛い状況になる為だけにSRポイント取得条件を満たしているというマゾな行為となってしまう。
  • 一応、SRポイント取得と同時に資金10000が入手されるが、これだけでは…。最近のスパロボはSRポイント取得の意義がどんどん無くなって行ってる気がする。スパロボα外伝の「ラグナロク」みたいな、高SRポイントなら行ける隠しストーリー等を盛り込んで欲しい所。
★敵武装が少ない
  • 一例として、ザクⅢがビームライフルしかなかったり、ドライセンにトライブレードが無かったり等が挙げられる。
  • やられ役のアニメをいちいち大量に作っていられるか!という事情があるのかもしれない。問題点に挙げはしたモノの、実際さっさと倒して終わる連中なので、しょうがないのかなと思う一面もある。

感想(Comment)

本作「スパロボV」は版権キャラを使ったスパロボとしては初のPS4作品となっており、グラフィック面も特に向上している(特に爆発の演出)。さらに「スパロボ25周年記念作品」となっており、ヒュッケバインとグルンガストが参戦。スパロボオリジナルのマジンガーとして「マジンエンペラーG」が新たに参戦した。これはスパロボFのマジンカイザー以来の面白い催しで、マジンガーファンなら嬉しい演出だと思われます。

今作は単発タイプのスパロボでキャッチコピーは「鋼の巨人達は、新たなる航海(Voyage)へ」

ゲームシステムとしては2年前に発売された「第3次Z」をベースにしたモノとなっており、シンプルなシングルユニット制を採用した事も加味して分かり易い内容となっています。というかスパロボ史上最大の簡単さと言って良い内容となっています。簡単な理由として、以下が挙げられます。
これで戦艦を超強化する事で、全ての敵を単艦で一掃する事すら可能。そこまでせずとも、「底力Lv9」と全5段階改造だけでも十分に無双出来る程である。もう「宇宙戦艦ヤマトだけで良いんじゃないかな」という状態である。誇張でもなんでもなく、実際にそうなっている。

おかげでクリアする頃には宇宙戦艦ヤマトが大好きになってしまい、原作(リメイクの2199の方だけど)を全部見て、作者繋がりでハーロックと銀河鉄道999までも見るほどに好きになる程ハマってしまいました。
三式弾の着火音、突撃戦法の派手さとラストの謎のパリン音…あと波動砲時のターゲットスコープ…全部好きなんだわ(*´ω`*)


そんなニッチな嗜好はともかく、攻略面では戦艦に高火力ユニットを満載しておけば、一斉発艦してロボット総攻撃する事でボスも1ターンで蒸発する。更に出た機体は即座に「緊急回収」で引っ込められるという念の入り様。もう戦艦を主体に無双してくださいと言わんばかりの設計で、歴代スパロボの中でも最易と言って良い内容でした。ただ、それが悪いとは思ってません。むしろサクサク進めて個人的には面白かったです。

他にも、ボスユニットのHPが低く、最大でも12万程度でした。過去作は50万~80万とかいたのに…。さらに、ある程度痛めつけるとHPが回復する、いわゆる「ド根性イベント」が今回はあまりありませんでした。ただ前述の通り「底力」の影響がかなり大きく、瀕死近くなるとファンネル等のヘタな攻撃は10ダメージにまで減少され、「火力大事」な傾向は強かった様に思います。戦艦で無双出来る事も相まって今作は特機優遇だったかな。

一方、ストーリー面の感想としては「地球はガミラスの攻撃によって海は干上がり、人類の殆どは生活圏を宇宙へと移動しなければならなかった」という、これまでのスパロボでも類を見ない程のヤバイ状況という所からスタートなのは掴みとして良かったと思います。ストーリー設定におけるクロスオーバーも色々凝っており、以下の様なモノが挙げられる。
他にもヴィルキスとストライクフリーダムガンダムが似ているのは、ストフリがヴィルキスを参考に開発された等、相似性や関連性があるなら大体関係付けたストーリーとなっている。

以上の様に、版権作品同士の絡みは良いと思いましたが、その反面、主人公勢はイマイチかなと感じました。男主人公である「ソウジ」は、ヤマトの「メ号作戦」に参加していた真面目一辺倒な兵士だったが、仲間がその戦いで全て戦死してからは「仲間の分まで楽しく生きる」と決めて無頼に生きているという設定。その反面、命を軽んじる者を許せない気持ちが強く、ガミラスを始めとした敵に対し、全力で戦うイイ男。

一方のサブ主人公の女の子「チトセ」は平和な生活を望み、序盤からフェードアウトしていくが、忘れた頃(後半)になって今作オリジナルの敵である「ガーディム」の先兵となって敵対。その理由はガーディムに「イスカンダルはかつて波動砲で他を脅かした恐るべき敵だ」と一方的な情報で操られていたからなのだが…あまりにもちょろすぎるだろと思う。ガーディムの連中は他を見下す人間味の無い存在だけに尚更そう思う。 また、こちら側に復帰しても機体が弱く、普通に主人公機に3人乗りになるとかの方がまだ良かった。結局の所、サブ主人公はストーリー的にも戦力的にもイマイチ存在感を出せていない様に思えた。

こうして見ると、「ソウジ」は主人公らしいカッコいい男で、「チトセ」は敵にあっさり騙されるちょろい子、という風になりますが、最初の主人公選択が逆なら、立場も逆になり、取る行動も逆転します。「ソウジ」そんなヤツじゃなかったよね!?と違和感バリバリ。単純に逆転させるだけじゃなく、ヒネりが欲しかった。AIの「ナイン」についてはどんどん人間らしくなっていく経緯とか、節々に見える健気さ等が良いキャラだな~と思います。本作の癒し。

あとは並行世界が3つある事もストーリーをややこしくしてる要因としてあると思いますね。終盤「それらが融合しそうだから止めよう」となりますが、融合したらどうヤバいんだっけ?とかイマイチ理解出来てなかったり^^;

ヤバイといえば…

闇の帝王を撃破すると「人の心に闇がある限り、わしは必ず戻ってくるぞ」とか悪役っぽいセリフを残して消える際、あらゆる因果の果てに待つのはマジンガーZEROとゲッターエンペラーというトンデモタッグが立ちはだかる光景を目の当たりにし、絶望した末に闇の帝王は完全消滅してしまうという。何か敵の方が可哀想になるくらい吹いてしまいましたw

総評としては「クロスオーバーは良く出来てるけどトータルでの印象は薄め」という所です。世界観がヤマトメインなので、宇宙戦艦ヤマト好きなら確実に推せます。

原作の歌が流れるソングエディションは今作初でしたが、想像以上に盛り上がったので次回作以降も導入して欲しいですね。価格が5ケタとお高めではありますが…スパロボファンとしては課金したつもりでいます。今後もスパロボを盛り立ててほしいですねヽ(*'▽')ノ

ラスボスメモ

ifルートバージョン。
アーケイディア(ネバンリンナ)
Lv70、HP33000
HP回復(小)、2回行動+覚醒、底力9、極、闘争心3、プレッシャー4、ガード3

厄介ランクC (従来の全スパロボ中での比較評価)
数千年前に大マゼラン銀河の覇権をイスカンダルと争っていた星間国家ガーディム。かの国は過ぎた効率性と管理社会で内乱を生み、滅びた。ガーディム再生システムである「ネバンリンナ」は、国が滅びた主な理由はガーディム人自体と判断し、他を見下すガーディム生き残りを殺害。 一方で地球人は尊敬に値する個体と判断し、それをフィードバックした新たなガーディム人を創造し、地球制圧⇒新ガーディム発足を目論んだ。死の間際、地球に亡命したガーディム人の遺伝子が、今なお根づいている事を知り、ナインにこれからの地球を託して逝くのだった。

シリーズ従来にはなかったラスボス25機編成。通常ルートだと高HPで一体らしい。勝利条件は全て撃破で、MAP兵器で一掃出来ない様に初期配置はバラけている。個々の能力は極めて高く、必中を使わないと大抵の攻撃が命中率0%となる。さらに全員が実質3回行動で、強力な決め技とMAP兵器を持つ。普通に複数のユニットで攻めると酷い事になりかねないが、「鉄壁&スマッシュヒット」のヤマト1艦で1ターンキルが可能。着艦戦法自体が本作で極めて有効だが、ラスボスまでこれ程マッチしていると弱いとしか感じなかったので、厄介ランクはC。



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