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●ファイアーエムブレム 封印の剣 - レビュー(ネタバレ含む) 記載日:2017.6.27


GOOD POINT(長所)

ゲームバランスが良い

任天堂作品らしく、簡単すぎず難しすぎずの良いバランス。
スパロボみたいに強キャラ放りこんで無双、といった単純な戦法はほぼ不可能で、戦略が求められる内容で、かつ良い意味でシンプルな出来。

全キャラの行動毎に中断セーブが成され、携帯機にありがちな「急な電池切れでゲーム終了」という事故を防止する仕組みになっている。
これを利用して戦闘を有利に進めそう…と思いそうなモノだが、細かい行動毎にセーブされている為、不可となっている。
(逆に中断セーブを活かしたプレイは、闘技場の戦闘相手吟味のみとなっている)


戦略性が高い
 
「聖戦の系譜」同様に3すくみシステムがあり、命中・回避率補正のみならず、与ダメージ+1もかかる様になった。
圧倒的に大きい補正ではないが、大勢を相手にする場合は念頭に入れなければいけない。

また、「トラキア」の「担ぐ」に似たシステム「救出」が実装され、弱った味方を避難、移動力の低いキャラを騎馬で抱えて駆け抜ける、等の戦略性が生まれている。


BAD POINT(問題点)


輸送隊が不便
 
アイテム預り所である「輸送隊」はマリナスという非戦闘員キャラを出撃させ、そのキャラに隣接しないとそのMAP中は使えない。

そういうゲームなんだからと言われればそれまでなのだが、過去作である「紋章」はリーダーであるマルスに隣接すればいつでも使えたという事もあり、
比較的に見て不便に感じたプレイヤーは多いはず。


唐突な不意打ち増援が多い
 
本作は【エネミーフェイズで敵増援出現 ⇒ 即行動】というパターンが多い。
【敵アーチャーが出現 ⇒ 飛行キャラがやられる】【要説得キャラが急に出てきて自軍キャラに攻めてきて反撃で倒してしまう】といった初見殺しポイントが目立つ。
初作である「紋章の謎」では、この様な場所は少なく、「レフカンディの罠」くらいだったと思うのだが…。

それも含めて戦略シミュレーションだろ、と言われればそれまでだが、「聖戦の系譜」の様にミッション中の断続セーブは出来ず、
どんなに隊列に気を使っていても増援ポイントを知らなければ即座にやられるのはやや理不尽とも覚えゲーとも言える。


支援効果を組み辛い

特定のキャラ同士が隣接した状態でターンを終えると、支援ポイント的なモノが貯まり、一定値に達すると「支援」コマンドが発生し、
特殊な会話が成された後、そのキャラ同士が3マス以内にいると支援効果が得られる。といったシステムが導入された。

支援効果はこれまでのシリーズにもあったが、本作は命中率・回避率増加だけでなく、攻撃力・防御力増加まで伴う様になった為、非常に強力になった…のだが、
「支援ポイントを得る為に特定のキャラ同士で隣接してターンエンドしなければならない」というのが戦略の幅を狭め、窮屈になった様に思う。
 
また、支援効果は3段階あるが、一人当たり計5段階分までしか支援を付ける事が出来ない。
やたらと重複されて無双される事を恐れたのかもしれないが、支援会話はキャラ設定を深く読み取る事が出来る高いストーリー性を持っている為、
全部読みたいと思うと10回は計画的にクリアしなくてはならないという面倒な内容になっている。

ちなみに、大抵が戦闘中とは思えないのんびりした会話となっている。「聖戦」だとサッと一言激励するか、装備を渡すか等で不自然ではなかったのだが…
ブッ飛んだ内容も一部あり、一例を挙げると「仲間に斬りかかる」「剣の素振りを行う」「酒飲んで酔っ払う」「恋のお悩み相談」等。お前ら戦闘中だぞ!(゚д゚|||)
出撃準備時だったらアリかな?と思えるが…。ちなみに全支援会話についてはコチラで観る事が可能。(第三者様による動画です)


攻撃速度が見えない
 
敵に対して追撃する条件は「攻撃速度が敵より4以上高い事」という「紋章の謎」と同様の計算式となっているが、
その攻撃速度はマスクデータとなっている。「紋章」の時は見えていたのに…何故見えなくした?

また、「紋章」時は【攻撃速度=素早さ-武器重さ】と単純なモノだったが、
本作ではそれに体格を絡ませたちょっと複雑な内容になっている為、益々見える様にして欲しかった所。


COMMENT(概要・特徴)

戦略シミュレーションといえば本作シリーズを挙げる人も多いのでは?と思う人気シリーズのGBA版第一作。
これまでのファイアーエムブレム(以下FE)シリーズの生みの親であった加賀昭三氏の手を離れたFEシリーズ第一号でもある。

FEシリーズそれぞれに殆ど繋がりが無い様に、本作もこれまでのシリーズに繋がりはないのでシリーズ初見の人でも安心して遊べます。

だが、似たイメージのキャラが多かったり、人と竜の関係を描いた物語であったりと、これまでのFEが持っていた空気は継続している。
というか最初のパーティ編成、ペガサス三姉妹、傭兵ライバルコンビ等、セルフオマージュと言えるくらいに似せており、
「紋章の謎」をプレイした人にとってはクスッとさせられる演出も所々に設けている。

ゲームシステム的には大きな違いはないものの、「トラキア」であった「担ぐ」が「救出」となって、シンプルに味方だけを担ぐ事が可能になり、戦略性が増した所が素晴らしかった。
あとは森等、一部の地形効果は回避率だけでなく、被ダメを下げる効果を持つ様になりました。ボスのいる玉座に至っては回避率+30%、被ダメ-3。硬すぎるだろ(゚д゚|||)
支援効果も与ダメを上昇させる効果があったりと、単純に「威力-守備」で算出出来なくなっている所がちょっぴり複雑になったかな?
その代わり「聖戦」みたく、こちらの命中・回避100%といったヌルいシーンがなくなり、単独で無双が難しくなった所は良いバランシングが成されたと言えるかも。

ストーリー的にはFEらしく、各々の正義のぶつかりあいといった様相でしたが、一部で権力にしがみついたkzが多いのも印象的でした。
kz1 kz2 kz3
ここまで分かり易いヤツは、過去作だと「紋章」でラング、「聖戦」でシャガールくらいだと思いましたが、
本作はkzが多過ぎる…。
GBA作品だから、子供を対象として分かり易い悪者を多くしてるのかも?

敵の頭である「ゼフィール」は父が自身に対する嫉妬で殺されそうになり、人間が信じられなくなったので私心を持たない「竜」に今後の世界を委ねようと戦争を始めた。
という事が終盤で分かるストーリーですが、モロにエゴですね…。多分その本心は自軍にも秘めた上で戦争してるんだろうけど、えらく自虐的な目的だよなぁ(´Д`|||)

あと印象的だったのは…
ラスボス
ラスボスが主人公で一撃という事。しかも間接攻撃に対して反撃が出来ない。
遠近攻撃可能で被ダメ半減効果を持っていたメディウスさんとはえらい違いだ(゚д゚|||)
恐らくFEシリーズ最弱といっても過言ではないだろう。

それ以前に主人公の昇格が終盤すぎるのもどうかと思いましたね(対ゼフィール戦の直前)。
普通にプレイしているとラスボスまでにLV20にするのは不可能なくらいです。
そして昇格するまでの主人公は戦力的に殆どお荷物という状態。どうして昇格のタイミングをここまで遅くしたんだ…?(´Д`|||)

なんだかんだと勿体ないというか惜しい内容の本作ですが、GBAのFE一作目だからね、しょうがないね。
それでも十分完成度は高いと思います。


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