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●沈黙の遺跡 エストポリス外伝 - レビュー(ネタバレ含む) 記載日:2017.11.24


GOOD POINT(長所)

やり込み要素が多い

冒険が始まると同時にコレクションブックを渡されるが、コレは一度入手したアイテムや、加入したモンスターの詳細が描かれる本となっており、
例えるならポケモン図鑑を埋めていくような、やり込み甲斐のある内容となっている。

ただ、本を埋めた所で何のメリットも無い。モンスターは本でしか見られない出現地域やフレーバーテキストがある為、埋める意義も見出せるが、
装備は
本でなくても閲覧可能な説明文のみが収録される為、埋める意義が見出せない。せめて性能や追加効果等の詳細を示してくれれば…。

武器・防具・モンスターは収録されるが、何故か道具が無い。やや片手落ち感がある。


ボス前にほぼ必ずアナウンスがある
 
殆どのRPGは「そろそろボスかな」という空気は感じられても、「これからボスだぞ!準備しろ!」と明確にアナウンスされる事は無いが、
本作はボス前にきっちりアナウンスを入れてくれる為、安心してボスに挑む事が出来る。

ただ本作はエスト2にあった様なセーブポイントが無い為、悪い意味での緊張感自体はある。アナウンスがあるおかげで理不尽レベルが多少改善されたとも言える。


各地へ直行出来る
 
本作は一度行った場所(あるいはこれから行く場所)には直行出来る様、ワールドマップ選択方式を採用している。
これのおかげで地名が分かり易く、フィールド移動の手間を省く事に成功している。

例えるなら「ロマンシングサガ2」と同じ。


BAD POINT(問題点)


公式イラスト・顔グラが微妙
 
この手の話は感性によるモノではあるが、実際ネット上では良い評価は聞かない。

管理人的にはエストポリス伝記シリーズの公式絵は正直どれも評価に値しないが、ゲーム上では描かれる事が無かったのがかえって良かった。
しかし本作は顔グラとしてステータス画面や会話に出てきてしまう為、むしろココは無くした方が良かったのではないか?と思ってしまう。

その微妙な絵がパッケージに目立つ様に描かれている為、売上に影響してしまっているのでは?と不安になってしまう。
沈黙の遺跡 エストポリス外伝


ストーリー面で突っ込み所が散見される
 
序盤で「依頼主が気に入らない」という理由で、パートナーであるトーマが主人公に全て投げ出してエスケープする。
そして結構な期間を単独でダンジョンを駆け巡るハメになる。こんなヤツがパートナーで良いのか?

燃料が無く、長く立ち往生している船長に燃料を渡したら「時間がない!出港するぞ!」とやたら急かす。
これまで数日間待っていたのに、数秒単位で急かす意味が分からない。しかもコチラは燃料を調達した恩人である。

「死者の地」をクリア後、神父=令嬢の恋人と分かるが、その神父は「死者の地」クリアと同時に何のアナウンスも無く消えてしまう。
また、主人公達もその事を全く話題に出さない。事が済んだので神父も早々に去ったのか、はたまた神父も亡霊だったのか?何も分からない。


全体的にもっさりしている

メニュー表示等のウェイト時間が長めに設定されており、ゲーム慣れしてる人からするとかなりもっさり感のあるゲームテンポとなっている。

「導きの塔」や「グラッセ要塞」等、何度も同じ所に行ったり来たりさせられるのも時間の浪費感が凄い。
 
何よりも特に致命的なのは戦闘のテンポが悪い事。詳細は後述。


戦闘に時間がかかる
 
1人あたりコマンドを2回入力する必要があり、アニメーションもある関係でザコ戦でも地味に時間がかかる。
女神転生シリーズの様な自動高速モードか、アニメーションOFFが可能だったら…と思わずにはいられない程戦闘のテンポが悪い。

特に序盤はザコ敵を一掃する手段に乏しく、攻撃魔法は強力だがAP回復の手段が殆ど無い為、連発は出来ない。
その為、殆どは時間のかかる通常攻撃でチマチマ進むしかない。

敵シンボルが自キャラを誘導するタイプが殆どな上、イヤな位置に待ち伏せする敵もいて、雑に歩くと不意打ちを受ける事が多い。

さらに「2」と違い、アクションで敵の動きを止めたり出来ない為、戦闘そのものを回避する事も難しい。シンボルエンカウントの特長が死んでいるともいえる。


BGMが微妙
 
エストポリス外伝である事から、原作のBGMアレンジが少しはあるのだが、原曲には全く届かない「別の何か」と言いたくなる出来。
GBA音源の関係で仕方ない部分もあるのだが。

半分以上は本作オリジナルの曲だが、これも可も無く不可も無くといった出来。
BGMはエストポリスのカラーの一つと言える要素の為、アレンジ曲だけでも頑張って欲しかった。

とはいえボス戦BGMだけは及第点。
 

システム面に荒や不便さが目立つ
 
戦闘中はHP・APがゲージ表示のみで数値表示されない。この為、ラミ等の低HPなキャラはゲージ半分でもヤバいという事に気づきにくい。

防御コマンドは全ての被ダメージを半減させる効果があるが、「○○は防御した」と表示されるまでは防御効果は発揮されず、即座に行われるモノでもない為、かなり微妙。

弟子入りの際、誰を転職させるかの画面で何故かキャンセル不可。こうなると転職不可避。

戦闘中のコマンド入力がキャンセル不可。(敵味方一緒くたに行動順が来たキャラから行動入力するシステムの為。エスト1と同じ)

教会でのセーブ直後、何故か「タイトルに戻りますか?」と問われる。普通にAボタンを連打しているとタイトル行きな為、ついタイトルに行ってしまいがち。
「冒険を続けますか?」で良かったのではないか?

本作には登れる岸壁が多く存在しているが、保護色になっていて分かり難い。「エスト2」の登れる岸壁はボルダリングの如く石が打ちつけられているグラフィックで分かり易かったのだが…。

ストーリーフラグがやや難解。例えば「オーデンスの村」で「息子に話してやってくれ」と言われるがソレ自体は全く関係無く、何故かその近くにいる無関係な老人との会話がフラグとなっている。

「ダンジョン奥でイベント発生→帰途でイベント発生」のパターンが多いが、帰途につかずにテザーで戻るとイベントが発生せず、ハマる箇所が散見される。テストプレイ不足と感じた。

終盤、「ナザレに行こう!」と言われるが、それと同時にナザレの村に直行不可になる。最初行った時の様に雪山から再度行く必要があるのだが、その説明が一切無い為、普通に混乱する。


IPシステムが完全に劣化している
 
「エスト2」同様、IPゲージが設定されているが、「2」では各装備から効果を引き出すという戦略性の高い効果だった事に比べ、本作はモンスターのインストール(合体)のみとなっている。

インストールはパラメータが強化される事がウリだが、「苦労して溜めるIPを全消費」「インストール後操作不可」「バトルメンバーが実質1人減る」「3ターン経過で解除」等、
デメリットの方が多く、使いどころは殆ど無い。

少なくともメリットはかなり薄い。「2」でのIPシステムがかなり有用だった事を考えると、どうしてこうしたのか?と激しく疑問に感じざるを得ない。


COMMENT(概要・特徴)

本作は一部で高い人気を博したスーパーファミコンのRPG「エストポリス伝記シリーズ」の外伝としてひっそり発売した外伝作品となっている。
時系列的にはシリーズ中でも「過去」を描いた「エスト2」の数年後を描いており、世界観は共通している。
また、武器や魔法名等は当然シリーズのモノを踏襲しており、エストシリーズファンにとっては嬉しい作品…だったハズなのだが、正直エスト成分はかなり薄い。
これまでのシリーズを開発していた「ネバーランドカンパニー」の手を離れ、「アトリエドゥーブル」によるモノとなっている事も影響が大きそうだが…

まずエストシリーズの大きな特長であったBGMが戦闘曲しか使われておらず、他の曲も決して良いとは言えない出来。
プラットフォームの違いが大きいし、全てのBGMが悪いとは言わないし、ボス曲など良曲と言えるモノもごく一部あるのだが、捨て曲無しと言われたSFC版エストには全く及ばない。

なにより、エストシリーズの最大の特長は、「泣ける程に感動出来るストーリー」である事は恐らく誰もが思う事でしょう。(ストーリーというかラストシーンかな?)
ただ本作はそこん所もかなり弱いです。道中も、ラストも。
2はマキシムとセレナが命をかけて世界を救い、本作はメウビス姉妹が犠牲になって世界を救った…と、一面的には同じと言えるハズなのに、全く感動出来ないのは何故だろう…(´Д`|||)


あとは、外伝を謳うからにはこれまでのシリーズと大きく絡んでいて欲しかったが、正直そこまで大きく絡んでいると言えるのは「ハイデッカ」の存在のみ。
しかしそのハイデッカもそこまでの活躍は見せず、終盤になって「グラッセを滅ぼす」という理由で永遠に離脱する。(そしてグラッセは滅びるどころか全く変化無しで、ハイデッカはどこかに雲隠れ)
エストポリスファンだから、という理由でプレイすると裏切られる事は間違いないだろう。

なので、ここはいっそエストポリスとは全く関係無いRPGとして評価してみる事にする。
特長を挙げてみると、割と多い。
全てのザコモンスターを仲間に出来、LVUPや進化、装備、特技編集までもが可能。
全て仲間に出来るとか、ドラクエ5ですら出来なかった偉業である。
たださすがに各々の特徴や能力は大きな違いは無く、どれも似たり寄ったりに思えるのは残念。(コア系の様に尖りまくった種も一応居る)

コレクションブックによるやり込み要素
冒険が始まって間もなく貰える本で、これを埋めたいが為にやり込むプレイヤーもいるだろう。
ただ、揃えても何も無い事や、上述した通り、装備ブックについては何のメリットも無い事は残念。

転職システムによる育成
一度習得した特技は永遠に残り、転職してもLVが1になるみたいなデメリットも無い為、気軽に特技集めが出来るのは楽しい。
ただ、多くの特技は利用価値が無く、酷いモノになると説明文と異なる内容のモノもあり、実質「使える」特技は少ないのは残念。
また、職業を極めても特技が揃うだけで何のメリットも無いのも残念。
言ってしまえば、有名RPGの良い所を広く浅く構築したシステムと言える。

一方、ストーリー面で評価してみると、これまた突っ込みどころが多い。
まず主人公は14歳の新米ハンターなのだが、これが世界を左右する話に発展する理由が最後まで良く分からなかった…(´Д`|||)
「エスト1」の主人公は英雄マキシムの子孫で強い波動を持ち、四狂神に対抗出来る人材であり、運命であったと言える。
「エスト2」の主人公は強い波動を持ってデュアルブレードに選ばれた、いわば「神の手を離れた人間の筆頭」で、神vs人間の代表者と言えた。

本作の主人公も、メウビス同様何かしらの血を引いていたという描写があるが、ゲーム内の描写説明に乏しく、はたまた管理人の理解力が低いのか、クリアしても理解できませんでした。
また、中盤からは主人公にかけられた呪いを解く為、封門石を集める、という事になるが、呪いのデメリットというか危機感がイマイチ伝わってきませんでした。
主人公がドラクエ等と同様、喋らない仕様である事も理由としてあるかと思いますが。(そういえば何故主人公はドラクエ方式にしているのだろう?これまでのシリーズではそんな事無かったのに)

上述の問題点でも書きましたが、各ストーリーに突っ込みどころがありすぎて、疑問に思ってしまうと感動以前の問題になっているのかな、と思いますね。
各地にフリーズやハマりポイントも散見され、デバッグ不足というかゲーム作りを丁寧にやってないな?というのが透けて見えます。
何故本作を作ろうと思ったんだ…? ある意味開発経緯を知りたい作品ですね。

1 2


P.S. 装備データについて

攻略頁作成にあたり、解析してアイテムをフル所持状態にして簡単にリストアップしましたが、
「コレクションブックにあるモノは実際に入手可能」という事を前提に考えると、マキシムが最後に入手した神の装備「デュアルブレード」や「神授の鎧」等も入手可能な様です。
実際の入手法は分かりませんが、もし古の洞窟でランダムに拾えるとしたら、原作ブレイカーと言わざるを得ませんね(´Д`|||)

というかゴブリンがデュアルブレードを装備出来る時点でもう…(´Д`|||) ちなみにゴブリンメイジでも装備出来ます。
r2
装備リストは需要無さそうなので、パラメータだけ調べて効果までは調べてませんが、時間とやる気のある時にいつか調べたいですね。


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