ゲームの里

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ラグランジュポイント / レビュー(ネタバレ含む)

長所(Good point)

★BGMが良い
  • 専用音源チップ「VRCVII」を実装する事で15種類もの音色を使う事が可能になり、それを活かした数々の良BGMが特長。(ファミコンは通常、大別して4種類の音しか奏でられない)
  • 管理人が特に好きな曲は「戦士への覚醒(通常戦闘)、プロミストランドを探して(ランド1フィールド曲)、Broken Replicaizer(偽バイオカイザー戦)」
  • ただ、比較的暗めな曲が多い。ストーリーの都合上、しょうがない事なのだが…
★SFを題材にした珍しいRPG
  • SFを題材にした作品は、今で言えば「スターオーシャン」辺りが挙げられそうだが、当時としてはSF-RPGはあまりなかった。
  • BPを消費して武器攻撃するシステムが新しい。(バッテリーでサイバーな武器を使うという設定)
  • 武器と武器とを合成し、より強い武器を作る「武器合成システム」もまた大きな特長として挙げられる。
★ゲームバランスが良い
  • やや難しめではあるが、当時小学生だった管理人でもクリア出来ていたので、なかなか練られたバランスであると思われる。
  • 武具性能の影響が大きく、強化方針は分かり易い。一方でBPが切れると武器攻撃はおろか、能力も使えなくなるが、ダンジョンのコンテナで頻繁に「BPパック」を入手出来る。
  • ボスの殆どが脳筋タイプで、序盤のボス「オレギ」以外はあまり苦戦した記憶がない。ココだけを捉えるならば緩めのバランスとも言える。

短所(Bad point)

★主人公の名前が浮いている
  • SF設定の為、登場キャラは全てカタカナだが、主人公のファミリーネームは何故か平仮名4文字しか使用出来ない。カタカナデータが入っているのに何故名前に使える様にしなかったのか?(但し主人公の名前はあくまで「ジン」。その後ろにひらがな4文字が付くというだけ)
  • さらに主人公の決め技には、その付けた名前が採用される様になっている。例えば「ジン・たなか」だったら「たなかザッパー」等になる。平仮名ではどうしたってダサくなること請け合い。
★パーティ編成システムが実質死んでいる
  • 本作は最大10人のキャラから4人パーティを選んで組む事が出来るが、キャラの強弱がハッキリしており、自由度に欠ける。
  • 主人公を含む「人間」5人が実質最強であり、他の2種族(サイボーグ&ロボ)は決め技が無い、回復しにくい等デメリットが目立つ。
  • しかも強キャラの殆どは序盤に揃う事情もあり、わざわざ人間以外を使う事も無い。
★エンカウント率が高く、ダンジョンが長い
  • 2,3つのダンジョンが連なっている事がザラな上、エンカウント率が高めの為「BP切れ=死」の恐怖が常に付きまとう。
  • ダンジョンの奥までたどり着き、目的を達成したとしても「ルーラ」や「リレミト」的な脱出手段が無い為、同じ道のりを戻らないとならないダルさがある。
  • 一応「ハイドロウイング」という「ルーラ」的なアイテムがあるが入手が後半な上に、行く事が任意な高難易度ダンジョンに隠されている。さらにコレはダンジョン内では使用不可で、コロニーが違う場所にはワープ出来ないというやや不便。

感想(Comment)

本作はコナミから1991年に発売されたSFを題材にしたRPGで、黒くて大きいカセットが特徴。
↓比較画像

本作はファミリーコンピュータマガジン(通称ファミマガ)の第100号記念企画から生まれた作品です。開発はコナミが行っているものの、ファミマガを通じてゲーム好き読者大勢から寄せられた意見やデータを多く採用している(タイトルロゴ、一部BGM、町人の会話メッセージ、モンスターデザイン等)。そういった経緯だった為か「武器合体」等のありそうで無かった要素も取り入れた、高クオリティな内容になっている作品だと思います。

ストーリーはSFモノで、ガンダム作品等でよく話に出る宇宙コロニーに人類が住んでいる。といった世界観ですが地球の風景は一切出てきません。一応エンディングで出てきますが、舞台とはならないので、地球どうなってんだ?という疑問は多少残ります。コロニー移住が進んでるくらいだから、環境破壊もかなり進んでしまっているのだろうか?

宇宙船パイロット訓練生だった主人公ジンは、「過去に起こったバイオハザードに関係していたと言われるシュトルテ博士を探せ」と頼まれる所から始まりますが、道中のストーリーはファイナルファンタジー等の様に逐一見せてくれる内容ではなく、町人からも能動的に情報を得ないとイマイチ掴めない内容な所がやや残念でしたね。実際、当時小学生時にプレイしていた時は「シュトルテを探していたのに、ラスボスがシュトルテだった」というトンデモ展開にしか見えませんでした(とはいえ、進行に合わせてストーリーが展開される作品自体が当時は少なかったですが)。一応、オレギをはじめとするプレジデントファイブの連中を倒した時にバイオハザードについての背景が語られますが…それを含めても描写が少ないですね。

イベントといえば本作のプレイヤーの多くが「トラウマ」と今でも語り草になっているのが「タムの最後」ですね。

ココだけアニメっぽく吹っ飛ばされるシーンを設けているのが凄く記憶に残る。最後に呼ぶ名前が祖父でもなく、世話をしてくれたクリスでもなく、ジンである事が少年らしい憧れを描いている…というのは考えすぎかな?

ゲームシステム面はかなり良く、ファミコンソフトとして考えれば圧倒的に高クオリティです。さすが4MBという大容量を誇るだけある。(ドラクエ3の2倍)

SF世界観という事で、多重スクロールのサイバーな基地を歩きまわったり、宇宙服を着て宇宙遊泳等といった本作ならではの雰囲気も良いですね。武器もサイバーだし、ソーラーカーやモービルといった色々な乗り物にも乗れて、武器合成なんかも出来るし、専用チップを積んでるだけあってBGMも良い。
何か面白いファミコンのRPGをやりたいという人には是非オススメしたい作品です!

おまけ

本作が製作されるキッカケとなったファミマガで、本作の漫画が連載されておりました。作画は「ギャラリーフェイク」等で有名な細野不二彦氏。単行本化はされていない為、読みたいと思った場合は現在プレミアがついているファミマガそのものを入手しなくてはなりません(一応攻略本で1話のみ収録されています)。ロマサガ2とかツインビーとかストリートファイターは単行本化したのに…何故だろう?

冒頭では武器の使い方すら知らない弱っちぃジンが、窮地に陥ると無意識に圧倒的な強さを見せるのが好きでしたね(ガイアの戦士と呼ばれる戦闘プロフェッショナルのセンスを持っているという設定)。オレギすらもガラスの破片を飛ばしたりして、結局素手で倒している…。アツい。ストーリー進行に合わせて強化されていく装備がダサいのが残念でしたが^^;

今現在でファミマガを見つけるのは大変だとは思いますが、興味ある人は探してみるのも良いんじゃないかと思います。【収録:1991年No.8~No.17(未収録回あり)】


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