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●ドラゴンクエスト2 悪霊の神々 - レビュー(ネタバレ含む)


GOOD POINT(長所) 【主に前作との比較】


パーティプレイが可能に
 

前作は1vs1の戦闘だった為、やや単調な感があったが、本作では最大3人パーティ(敵側は最大8体)の為、かなりの戦略性を生んでいる。

さらに3人がそれぞれ【戦士タイプ、万能タイプ、魔法使いタイプ】とキャラロール付けされているのも戦略性向上に繋がっている。


コマンドの簡略化
 

人に話しかける際、前作では【話す⇒東西南北】と話したい方向を指定する必要があったが、本作では向いている方向に対して【話す】だけで良くなった。
(前作は主人公の向きの設定やグラフィックそのものが無かった)
 

前作では階段の昇降については【階段】コマンドを行う必要があったが、本作では階段に乗るだけで自動的に昇降を行う様になった。


装備品によるアイテムアタックが可能に
 

前作の装備はパラメータ上昇値でのみ良し悪しが決まるシンプルな内容だったが、本作では戦闘中に道具として使う事で特殊な効果を現したり、
装備するだけで「呪文によるダメージ軽減」等のアドバンテージを得られる特殊装備があり、戦略性と面白みが増した。※ロトの鎧は除く。
 

また、装備品はアイテム欄に入る様になった為、装備はしないがアイテムアタックだけの為に装備品を持つといった事も可能になった。


ゲームのボリュームup
 

カセット容量upに伴い、ワールドマップも4倍に拡大した。(パッケージには4倍と記載されているが、実際は約6.5倍らしい)
 

船の登場により、前作では進入不可だった海にも繰り出せる様になった。

町や城、ダンジョンの数も数倍に増加している。


BAD POINT(問題点)


難易度が高い(ゲームバランスが悪い)
 

所々に強いザコが出現し、ころっとやられるシーンが少なくない。
ある意味全体的にトラウマポイントとなっており、進行順に以下の様なシーンが全プレイヤーのトラウマとなっている。
 

・薬草以外の回復手段を持たない主人公が単独で各地を巡り、ジリ貧でやられる。
・「勇者の泉」等でキングコブラあたりから毒をもらって孤独死。
・やっと2人目(サマルトリア王子)が加わったと思ったら異常にHPが低くて道中で死亡。
・「ムーンペタ」周辺で高攻撃力のマンドリルにサマル王子がワンパンノックアウト。
・『ムーンペタ⇒道中の祠⇒砂漠⇒ドラゴンの角⇒港町』の道中が長すぎて全滅。
・船を入手したは良いがどこに行って分からず、偶然アレフガルドに上陸して強敵に手も足も出ずに即死。
さらに3倍くらい書けそうではあるが中略。

他にも、ふしぎな踊りでMPを最大値の2〜3割も持って行かれたり、一人を集中攻撃する仕様の敵が多かったりと殺す気満々の激難仕様。

こうなった原因としては『開発期間が短かった為、エンディングまで通しでテストプレイが出来なかった』という事が明かされている。
ただ他にもっと「理不尽にクリア不可能」と言えるファミコンRPGは数多い為、それらに比べればどうという事は無いレベル。


パスワードが長い
 

最大52文字と前作(20文字)の2倍以上となっている。1文字でも間違えれば「じゅもんが ちがいます」という無情なメッセージを前に絶望感にかられる。
 

これについては『3人パーティである分保存データも多く、仕方がなかった』という理由らしい。
重要アイテム以外はフラグを設けなかったりと文字数削減の工夫は成されているのでやむを得ないといった所だろうか。
ちなみにDQ3はセーブ方式になっているが、パスワードにすると1000文字を超えるとゲーム雑誌でのインタビューで発言されている。


持てるアイテム数が少ない
 

一人あたり8個まで所持可能だが、装備(武器・鎧・盾・兜・魔除け)を含む為、実質3個程しか持つ事が出来ない。
 

さらに物語が進む程、鍵・邪神像といった重要アイテムが多くを占める様になり、回復アイテムは殆ど持つ事が出来ない。

また、預り所的な存在も無い。


サマルトリアの王子が弱い
 

2人目の仲間であるサマル王子はパッケージ裏によると「戦士でもあり、呪文も使える頼もしい王子だ」とあるが、どちらも三流と言って良い低能力。
 

フィジカル面では、HPが魔法使いである王女と同等しかなく、力も低い。その上最強武器はまさかの「鉄の槍」の為、装備によるテコ入れも不可能。
呪文のラインナップも微妙(威力の低いベギラマ、回復はベホイミ止まり、戦闘中に使えないザオリク、ザコにしか効かない自爆呪文メガンテ等)。
ベホマ、イオナズンが使える王女の方が役割としてしっかりしているのは間違いない。

一応、大器晩成の一面も持っており、LV26から伸びは比較的高め。(それでも装備が悪いのが泣き所にはなるが)
ちなみにリメイク版では光の剣等の重装備も可能となっている等、普通に活躍が可能になっている。



進行が詰まり易い
 

特に船を手に入れてからがどこに行って良いのか分からなくなり易い。さらに外界はどこも敵が強く、散策も思うように行かなくなる事が多い。
また、地図が存在しない上に海域が広すぎる為、延々と海を彷徨うハメになる事も少なくない。
 
「太陽の紋章の落ちている場所が分かりにくい」「邪神の像はどこで使うの?」というプレイヤーが多く、
ネットの無い当時は公式ガイドブックを見てなんとか分かったという人が少なくなかった。

とはいえ各地の情報をメモっておく事でなんとかなる様に作られてはいるが、何故かラストダンジョン2Fへの入口は完全ノーヒント
1Fのある場所で「邪神の像」を使う、というのが回答となっているが、一度使ったキーアイテムをこんな所で再度使うとは予想も出来ない。
これも公式ガイドブックのイラストでなんとか予想が付くといった状況だった。


COMMENT(概要・特徴)

後にRPGの代表格となる「ドラゴンクエスト」の第2作目。
DQ1〜3は「ロト伝説」として3部構成になっているが、本作は時系列でいうと一番先の作品となっている。

前作から100年後の世界が舞台という事で、勇者と謳われた前作の「主人公とローラ姫」の子孫3人が主人公となっており、
戦士系、器用万能系、魔法使いの3人パーティは弱所を埋め合い、理想的なパーティプレイを可能にしている。

ゲームのクオリティとしても高く、ここから長く続いていくシリーズの骨子と言える程。
その反面ゲーム難易度がかなり高く「サマル王子に長所が無い」「ザコのザラキでコロッと死ぬ」「ふしぎな踊りで最大MPの3割は持っていかれる」等、理不尽に難しい部分が散見される。
「FC初期のRPGだから…」と言われればそれまでなのだが、難しい理由としては「開発期間が半年しか無かった為、通しでテストプレイ出来なかった」というのが有名。
実際、後半になるにつれて理不尽度が増していくのを見ると、そうなんだろうなと思ってしまう。
(ただ構想自体は3までを最初から予定していたらしく、ある程度は1の開発時点で出来ていたものと思われる)
また、制作期間の短さによる設定変更の跡もいくつか見受けられる。(後述)

さらにパスワードも最長で52文字と多めで、メモの取り間違えで前の所からやり直しになったプレイヤーも少なくなかった。
パスワード入力画面の「Love song探して」が名曲で無かったらカセットクラッシャーになる人が出ていたかもしれない。
とはいえ、当時の他RPGはもっと理不尽な作品も多く、この開発期間の短さで一応クリア出来る作品を作ったのだから、比較的に考えればむしろ良く出来た作品なのではないかと思ってしまう(錯乱)
ちなみに、後にSFC、GB、スマホ等でリメイク版が発売されており、こちらは難易度がマイルドになっている為、今から始める人はこれらでプレイすることを推奨したい。

e1 e2 e3 e4
「シドーは死にました」って直球だなぁ(゚д゚|||)
エンディングで流れる「この道わが旅」も名曲ですね。アニメ「ダイの大冒険」のエンディング曲としても採用されており、こちらは歌詞有りなので必聴です。


P.S.
ドラクエ2開発秘話

.汽泪襯肇螢⊂襪琉銘

k1
開発当初の予定では「サマルトリア城」はこの「湖の洞窟」の位置にあったらしい。
ココに城があると初期位置からは遠すぎて難易度が高すぎてしまう事から近くに移動したのだとか。

銀の鍵の位置

k2
ローラの門にある、もう一つの出口は何も意味が無いが、
開発当初では、そこに銀の鍵が落ちている様に設定する予定だったとか。
製品版では「湖の洞窟」に設置されている為、実際何も落ちていないが、
出口だけはこうして存在している為、言われてみれば何の為にあるのか違和感しかない場所となっている。

ラーの鏡の位置

k4
開発当初の予定では「ラーの鏡」は風の塔最上階の宝箱に設置予定だったが、
王女もいない状態でこの塔の最上階は難易度が高くなってしまう為、沼地に設置する事になったらしい。
その名残か、塔の天辺には空の宝箱が設置されている。

ず叔の町

k5
砂漠の真ん中にある怪しいオアシス(実際は何も無い)。
開発当初はココに町を設置し、イベントも設ける案があったらしい。
結局は容量の関係で町ごとカットされたとの事だが、
ムーンペタ⇒ルプガナへの長い道のりの真ん中でもあるココに町があったらありがたかったに違いない。

せめてリメイク版で実現させて欲しかったと思う。

他にも以下の様な案や弊害があったと言われている。
・説明書にあるドット絵の様に、要所要所で一枚絵を入れる予定だったか、容量の都合でカット。
・没にモンスターがいくつかある。(ゲーム雑誌では「まだらクモ」等のモンスターがおり、グラフィックもあったが容量の関係からか没に)
・宝箱のトラップとして、「ひとくいばこ」や「ミミック」を登場させる予定だったが没に(これはDQ3で実現している)
・ベギラマの威力は全体50ダメージの予定だったが実際は弱く、実質全体版ギラの様になっているが、これは開発者の設定ミスと言われている。
・DQ3のオリビア岬のイベントは本作でやる予定だったが、容量の都合でカット。
・ロンダルキアへの洞窟は落とし穴だらけで高難易度の一因となっているが、一度落ちた穴は視認出来る様になる予定だった。
・ラスボスをサマル王子のメガンテで倒すと、妹に「お兄ちゃんの仇!」と殺されてしまうバッドエンドの案があった。
・エンディングでは舞踏会を入れる予定だったが、容量の関係でカット。(舞踏会はFF2等でも見られるが、正直要らない類のイベントだと思う)

まあどんなゲームにもこういう開発秘話はあるものだと思いますが、締切にせっつかれるクリエイターの苦しみは想像に難くないですね。
最近のドラクエは開発期間が長い気がするな…良くも悪くも。


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