ドラゴンクエスト2 悪霊の神々(FC) / レビュー(ネタバレ含む) |
長所(Good point)
★ |
パーティプレイが可能になり、戦略性がよりup |
|
★ |
コマンドの簡略化 |
|
★ |
より多くの装備品に特殊効果が付与された |
|
★ |
ゲームのボリュームup |
|
短所(Bad point)
★ |
難易度が高い(ゲームバランスが悪い) |
|
★ |
パスワードが長い |
|
★ |
持てるアイテム数が少ない |
|
★ |
サマルトリアの王子が弱い |
|
★ |
進行が詰まりやすい |
|
感想(Comment)
後にRPGの代表格となる「ドラゴンクエスト」の第2作目。DQ1~3は「ロト伝説」として3部構成になっているが、本作は時系列でいうと一番未来にあたる作品。ファミマガ通信簿で歴代最高点を取った事でも有名。ゲームバランス面で疑問符が浮かんでくるが、恐らく当時の作品を比較的に見てダントツで優良作品であったものと思われる。
前作から100年後の世界が舞台という事で、勇者と謳われた前作の「主人公とローラ姫」の子孫3人が主人公となっており、戦士系・器用万能系・魔法使いの3人パーティは弱所を埋め合い、理想的なパーティとなっている。
1987年発売で「ドラゴンバスター」や「飛龍の拳」といったアクションゲームが大半という時代で、RPGというモノがそもそも浸透していないゲーム情勢の中でありながらクオリティは比較的高く、ここから長く続いていくシリーズの骨子と言えるシステムを作り出した。
その反面ゲーム難易度がかなり高く「サマル王子に長所が無い、ザコがザラキやメガンテを使いまくる、ふしぎな踊りで最大MPの3割は持っていかれる」等、理不尽に難しい部分が散見される。
「FC初期のRPGだから…」と言われればそれまでなのだが、難しい理由としては「開発期間が半年しか無かった為、通しでテストプレイ出来なかった」という説が有名。実際、後半になるにつれて理不尽度が増していくのを見ると、そうなんだろうなと思ってしまう。ただ3まで開発する事は最初から予定していたらしく、ある程度は1の開発時点で出来ていたものと思われる。また、制作期間の短さによる設定変更の跡もいくつか見受けられる。(後述)
さらにパスワードも最長52文字と多めで、メモの取り間違えで前の所からやり直しになったプレイヤーも少なくなかった。パスワード入力画面の「Love song探して」が名曲で無かったらカセットクラッシャーになる人が出ていたかもしれない(´Д`|||)
とはいえ、当時の他RPGはもっと理不尽な作品も多く、この開発期間の短さで一応クリア出来る作品を作ったのだから、比較的に考えればむしろ良く出来た作品なのではないかと思ってしまう(錯乱)。ちなみに、後にSFC、GB、スマホ等でリメイク版が発売されており、こちらは難易度がマイルドになっている為、今からドラクエ2を始める人はこれらでプレイすることを推奨したい。
.jpg)
「シドーは死にました」って直球だなぁ(゚д゚|||)
エンディングで流れる「この道わが旅」も名曲ですね。アニメ「ダイの大冒険」のエンディング曲としても採用されており、こちらは歌詞有りなので必聴です。
ドラクエ2開発秘話(おまけ)
サマルトリア城の位置
開発当初の予定では「サマルトリア城」は「湖の洞窟」の位置にあったらしい。ココに城があると初期位置からは遠すぎて難易度が高すぎてしまう事から近くに移動したのだとか。
.jpg)
銀の鍵の位置
ローラの門にあるハズレの出口は何も意味が無いが、開発当初ではそこで銀の鍵を拾える予定だったとか。製品版では「湖の洞窟」に設置されている為、実際何も落ちていないが、出口だけはこうして存在している為、言われてみれば何の為にあるのか違和感しかない場所となっている。
.jpg)
ラーの鏡の位置
開発当初の予定では「ラーの鏡」は風の塔最上階の宝箱に設置予定だったが、王女もいない状態でこの塔の最上階に行くのは難易度が高くなってしまう為、沼地に設置する事になったらしい。その名残か、塔の天辺には空の宝箱が設置されている。

砂漠の町
砂漠の真ん中にある怪しいオアシス(実際は何も無い)。開発当初はココに町を設置し、イベントも設ける案があったらしい。結局は容量の関係で町ごとカットされたとの事だが、ムーンペタ⇒ルプガナへの長い道のりの真ん中でもあるココに町があったらありがたかったに違いない。せめてリメイク版で実現させて欲しかった(´Д`|||)

他にも以下の様な案や弊害があったと言われている。
- 各イベントに一枚絵を表示させる予定だったが、容量の都合でカット。(説明書で活かされている)
- 没モンスター案がいくつかある。(ゲーム雑誌では「まだらクモ」等のモンスターが紹介されていた)
- 宝箱のトラップとして「人食い箱」等を登場させる予定だったが没に(これはDQ3で実現している)
- ベギラマの威力は全体50ダメージの予定だったが実際は弱く、開発者の設定ミスと言われている。
- DQ3のオリビア岬イベントは本作でやる予定だったが、容量の都合でカット。
- ロンダルキアへの洞窟は落とし穴だらけで高難易度の一因となっているが、一度落ちた穴は視認出来る様になる予定だった。
- ラスボスをサマル王子のメガンテで倒すと、妹に「お兄ちゃんの仇!」と殺されてしまうバッドエンドの案があった。
- エンディングでは舞踏会を入れる予定だったが、容量の関係でカット。(舞踏会はFF2等でも見られるが、正直要らない類のイベントだと思う)