ゲームの里

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エスパー魔美 / 紹介・レビュー

作品情報

エスパー魔美
ジャンル:超能力、日常、中学生
話数:全119話+劇場版
放映年:1987年~1989年
OP曲
OP1(#1~#107) テレポーテーション~恋の未確認~【歌:橋本 潮
OP2(#108~119) S・O・S 【歌:橋本 潮・SHINES】
ED曲
ED1(#27~107) 不思議Angel 【歌:橋本 潮
ED2(#108~119) I like youから I love you 【歌:橋本 潮
特徴
  • 超能力を活かした人情溢れる物語
  • 話数が多く、漫画のエピソードは殆ど網羅
  • 女の子が主人公だが萌え要素は無い
  • 主人公がかなりKY

あらすじ(Story)

平凡な女子中学生だった「佐倉魔美」は突然超能力に目覚めた。手を触れずに物を動かす「テレキネシス」、瞬間移動を可能にする「テレポーテーション」、人の心を読む「テレパシー」…人を超えた数々の強大な力を、人のために使うと決めた魔美はそれを唯一知るクラスメート「高畑和夫」の助けを借りつつ、共に日常の中で起こる不思議な事件を解決していくのだった。

長所(Good point)

★ハラハラドキドキな展開
  • 主人公の魔美は「人助け精神に富んでいる超能力少女」で、人助け精神に富んでいる為、超能力を活かして解決を試みるが、逆にトラブルを起こしてはハラハラさせてくれる。
  • 強大な力があるのに、半分自業自得な展開でピンチに陥る事も少なくなく、兎に角ハラハラドキドキする。それを「超能力は使えないが頭の回転が早い高畑」が助ける。とストーリー上で良いバランスが取れている。
★数々の感動ストーリー
  • 本作は超能力少女が人助けするストーリーだが、メインは「その話で困っている方の人物」であり、その状況を打開する所に感動を覚える内容となっている。
  • 超能力はその一助でしかなく、場合によっては魔美が色々奔走したもののムダに終わり、困っている人が自己解決する事すらある。
  • 119話という多くの話数に二の足を踏みそうになるかもしれませんが、不思議で感動的な話の数々に浸れる名作です。

感想(Review)

本作は超能力少女が活躍する萌えアニメ……と期待する人もいるかもしれませんが、それとはまた毛色が違う作品です。魔法少女とは違うのだよ!魔法少女とは!

でも女の子が主人公なんだから、なんだかんだ言っても可愛い所はあるんでしょ?と思う人はいるかと思います。しかし管理人は声を大にして言います。そんなところは殆どありません!というのも、魔美はヤバいくらい「おてんばで無謀なアホの子」です。更に人助けをしたい余り過剰なお節介に走る事も多々あり、言ってしまえばKYです。えぇ…?それはどうなの?とモラルを疑う行動が以下の様にたくさんあります。

KYエピソード こんなのは一例でしかありません。数えきれない程のKY行動が毎話行われている(´▽`;) しかしそんな魔美にも大きな長所があります。それは「誰かの為に一生懸命になれる優しさ」です。
ドラえもんの作中でもこんな名言があります。「人間にとって一番大事な事は、人の幸せを願い、人の不幸を悲しむ事が出来る事だ」。魔美もそんな魅力を持っています。というか藤子作品主人公はほぼ全員持っていると思いますが。
「誰かを助けたい」 その気持ちが、最終的に多くの人を助けています。高畑君は「その気持ちも魔美君が持つ超能力かもしれないね」と言っています。別にキザで言っているのではありません。ホントにラッキーも込みで奇跡を実現して見せるのです。数多くの超能力を発現し、今だ多くの能力を秘めている中で、これこそが魔美最強の超能力なのかもしれませんね。

おまけ①:魔美の超能力一覧

[テレポーテーション]効果:対象を別の場所に跳ばす
  • 跳ばす対象に運動エネルギーが向いている事が発動条件。例えば魔美自身が跳ぶには自身に何かが飛んで来ている上でテレポートを意識しなければならない。
  • 魔美の意思が必要な為、不意打ちや反応仕切れないモノでは発動しない。
  • テレポート先は魔美がイメージした場所になる。
  • 対象は有機物に限られる。但し対象と接触している無機物(服等)はその限りでは無い。
  • 一度に跳べる距離は最大600m。但し後半は飛距離が上がっているとの事。
  • 自身のテレポートを便利に行える様に、高畑手製のハート型ビーズガンを自分に撃つ事で活用している。
[部分テレポート]効果:対象の一部分だけを跳ばす
  • 発動条件は上述のテレポートと同じ。
  • 血液だけを送る事で輸血する、といった利用法が確認されている。
[テレキネシス]効果:対象を1つの方向に動かす
  • 対象に向かって念じ、身振りを行う事で発動。
  • 軽い物程ラクに動かせる。
  • 車を持ち上げる程に強力な時もあれば、人を押し返せない事もある等、力量はハッキリしない。
  • 動かしている最中にクシャミをすると対象のベクトルが多方向になり分解する。
  • オートで多くの物を飛ばす事も可能。
[非常ベル(仮名)]効果:助けを求める意思を感知
  • 周囲で困っている意志を感じると、非常ベルが鳴るような音が聞こえる。
  • 対象が近づくと音が大きくなる。
  • 感知範囲は周囲1km以内。
  • 対象が精神的に元気でも、体が悲鳴を上げている場合では別種の音が聞こえる。
  • 高畑曰く「慣れればコントロール出来る」との事だが、結局最後まで受動的だった。
[テレパシー]効果:人の心を読む
  • 対象者に触れる事で発動。導電体を通しての接触でもOK。
  • 能動的に行う能力だが、場合によっては受動的に発動してしまう事もある。
  • 人から読んだ記憶を別の人に伝える事も可能。
[念写]効果:カメラに映る写真の内容を操作する
  • 自分が見た映像を他人に見せたりするのに活用している。
  • ビデオカメラ(動画)も操作可能。
[夢見]効果:他人が見ている夢を見る
  • 他人に思い通りの夢を見せる事も可能。
  • 他人を改心させるには便利なハズだが、あまり活用されない。
[リモートビューイング]効果:遠くを視る
  • 第68話のみ発動。
[予知能力]効果:未来を視る
  • 新聞や日記から、受動的に未来の記事を見る。
  • 夢で未来を見る場合もある。
[ラッキー(仮名)]効果:幸運な出来事が起こる
  • 単純にご都合主義な展開が起こるだけだが、作中では魔美の能力の一種であるという説がある。

おまけ②:心に残る話&ネタシーン

第18話「サマードッグ」
夏に別荘へ避暑に来ている間だけ犬を飼い、その場に捨てて家に帰る…置いていかれた犬を「サマードッグ」と言う。とある少年が幼少の頃に白い子犬を飼い、親の勝手な都合で「サマードッグ」にしてしまう。それから数年。その子犬は野犬のボスとなって人間に危害を加えるようになっていた。一方、少年はその子犬に対してずっと謝罪の心を持っており、数年の時を経て再会し、涙を流して抱き合った。しかしその犬はボスである事もあり、泣く少年から後ろ髪を引かれる思いで山奥へと去っていくのだった。そして数日後、新聞には「野犬全討伐」の記事が載っているのだった…

よくある話かもしれませんが、再会出来た時は涙が止まりませんでした。そして犬は討伐され……こうなる事が分かっていて、少年から離れて行ったのかもしれませんね。
第22話「ウソ×ウソ=パニック」
魔美がいつもの様にラクしようと超能力を使った所を母に見られ、これをウソで凌いだ。それを発端としてウソは拡大し、町には「鎌鼬(かまいたち)」が現れたと評判になり、新聞社やTV局が殺到するのだった。

相変わらずの危機感ゼロ魔美の平常運転。いつものトラブル話なんですが、意外にも常に冷静な高畑が鎌鼬の話に食いつきます。UMA的なロマン話には弱いらしい。最終的に、鎌鼬を模したモノをテレキネシスで東京湾まで引っ張りTV局を誘導、海ポチャさせて事件の鎮静化を図ったものの、直前で鎌鼬は猟銃で撃たれる。撃った男は銃刀法違反で現行犯逮捕。ニュース「全く…20世紀最大の大発見だったのに…許せないのは猟銃をブッ放したバカです!」 高畑「そうだよそうだよ!どうしてくれるんだよォ!ウッウッ…」とマジ泣き。高畑、いつもとのギャップが良い(´▽`)
あと、この話ではなんとドラえもんのキャラが登場します。しかも同作品のBGMと共にスネ夫が「学校の裏庭でバッタリ会っちゃったんだよ!うん鎌鼬に!尻尾の先まで2m!いやあ3mはあったよォ!ぐわあーっと牙をむいて、真っ赤な目で睨まれたんだ!怖かったなぁ!のび太なんか気絶して、おしっこ漏らしちゃうぜきっと!アハ、アハハハハ!」と喋る。ウソ乙である(´Д`)

第37話「魔美を贈ります」
クリスマスの日、魔美は「星のおもちゃをランダムに落とし、拾った人を幸せにしよう」という一計を案じた。紆余曲折を経てとある青年に拾われ、その青年の願いを聞くものの「特に無い」と言われてしまう。それに不思議を感じていた所、思念が流れこんで来た。その内容は途方もない暗黒。奥底に秘められていたのは自殺願望だった。当然必死に止めたが聞こうとはしなかった。魔美は高畑に相談しに行き、高畑が青年と1対1で話をする事になった。青年は幼少の頃から受験戦争に巻き込まれ、そのレールに敷かれた人生の先がイヤになってしまっていた。「人生なんて夢みたいなモノさ…君も大人になれば分かるだろうけど」(CVアムロ・レイ)。それでも高畑は必死に止めた。青年は2人の言い分よりも、見ず知らずの自分に対しての熱意に触れ、自殺の意志を留めるのだった。

エスパー少女がクリスマスの夜にお世話しに来るとか…なんというエロゲ(´▽`) 青年は古谷徹氏が演じているだけあり、人生に対して醒めきったナイーブな感情がよく演じられている。当時は小学生だったのでよく分からなかったが、大人になった今は分かる気がする話。
第46話「雪の降る街を」
父母の馴れ初めをテレパシーで観る話。かつて、父は母に一目ぼれしたが、半年以上もの間話しかける事が出来なかった。最後の日もチャンスを掴み損ねるが、魔美はただ見ていられず、テレキネシスを発動させる。すると父の服のボタンが千切れ跳び、母に向かって飛んでいった事で出会う事が出来た…という話。

思い出を見るだけでなく、なんと過去に干渉しているという超能力の底知れない力を感じられるエピソード。
第98話「消えちゃった超能力」
朝から「非常ベル」が鳴りまくりで「超能力なんか無ければ良いのに」と思った魔美だったが、とあるキッカケでクラスメイトの番野に能力が移ってしまう。番野は自分が超能力者になったと大喜びし、おおっぴらに私利私欲に使い、これを原因に周りの人間が番野に対して反感を買ってしまう。その意識はテレパシーとなって番野に伝わり、狂いそうになるが、幸いまた偶然に能力が魔美に戻り、解決となった。

「超能力をおおっぴらに使ったらどうなるか?」という一つの未来を見せつける話。魔美もこれを機に超能力を持つ事の恐ろしさを意識してくれれば…と思わずにはいられなかったが、そうはならないのが残念な所…(´Д`|||)
第118話「嵐に消えたコンポコ」
とある台風の日。魔美はコンポコと別れる夢を見る。魔美はそれが予知夢であるかもしれないという不安に駆られる。一方、コンポコは台風の中家を抜け出し、父の乗る車の前に立ちはだかり、結果として土砂崩れから身代わりとなって助けるのだった。

まさに忠犬。コンポコが魔美の超能力に関わっているのかという疑問に迫る話でもあるが、結局明らかにはならない。また、コンポコが何故魔美の父が土砂崩れに遭う事を知り得たのかも謎のまま。ちなみにコンポコはテレキネシスで土砂をどけ、無傷で救出に成功している。

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