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●ドラゴンクエスト7 エデンの戦士たち - レビュー(ネタバレ含む)


GOOD POINT(長所)


大ボリュームなストーリー
 

「良い」とも「悪い」とも取れるが、本作の大きな特徴となっている。
 

本作には過去と現代の世界があり、各地に散らばっている「石板」を集める事で新たな地域(過去)へと行けるようになる。
その地域の問題を解決する事で、現代にもその地が出現するようになり、世界が広がっていく…という内容。


つまり各地域の問題を過去に遡って救い、現代にもその影響を及ぼすという「Back to the Future」のような内容になっている。
地域ごとにストーリーが用意されている為、オムニバス形式の小説のように冒険を楽しめるという特徴もある。


転職システム
 

DQ6と同じような転職システムを採用している。
 

転職すると職業依存のステータス補正がかかり、戦闘を重ねる事で熟練度が上がってスキルを得る事が出来る。

複数の職業をマスターすると複合的な職業である「上級職」へ就く事が可能になり、飛躍的に強化出来るシステムを採用している。
(例:戦士と武闘家を極めるとバトルマスターになれる)

スキルは転職しても忘れる事はない…のはPS版で、本作は下級職スキルのみ残る仕様となっている。
賛美両論を生む内容ではあるが、上級職スキルは強力すぎる為、良いバランスの獲得に成功しているとも言える。

なお、モンスター職というのもあり、そのモンスターのスキルを得られるだけでなく見た目がそのモンスターになるというお遊び要素もある。


グラフィック面の向上
 

DQ9同様、装備した武器と盾が見た目に反映されるようになった。


パーティ会話
 

移動中いつでも仲間と会話が出来る。
 

次の行先を示す「相談システム」なら数多くのRPGに採用されているが、本作はその域を越えており、そこらの村人の言葉に対するリアクション等も設定されている。
(例:村人の子供に話し「えーん、お母さんどこー」というセリフを聞いた後に仲間と会話すると マリベル「小さい頃の主人公にそっくりね」と言う)
これにより仲間の性格付けがよりクッキリと見え、愛着が湧く要因となっている。



ゲームのテンポ向上(PS比較)
 

クリアに100時間かかると言われた原作(PS版)に対し、本作は半分の時間でクリアが可能になる程に随所のテンポ向上が成されている。
 

プロローグイベントの短縮化、シンボルエンカウントにした事により戦闘回避を可能にした事や戦闘のサクサク感も増している。
他にも「ポリゴンすぎて見ちゃいられない恐怖の踊り」の削除、「戦闘に入る度にフリーズの危険があったシステム」の改善によりクオリティ面でも向上の面が見られる。
そもそもフリーズの恐怖を抱きながらプレイする事になっていた原作がおかしいのであって、本作でやっとあるべき姿に到達したというだけなのだが…



BAD POINT(問題点)


パーティの並び
 

イベントが起こるごとに何故かパーティの並び順がソートされる。
 

並び順としては主人公、マリベル、キーファ、ガボ、メルビン、アイラとなっているようで、事ある毎に打たれ弱いマリベルが前衛に出てくるという罠にも近い仕様。
何故このような仕様にしたのか…意味不明。


洞窟内での視点変更不可
 

何故か洞窟内は視点変更が出来ない。この為エンカウントの回避が困難になっている。(特に南側に向かって歩いていると敵が唐突に視界に現れるように見える)
 

どのみち狭い道では敵を回避出来ない事が多いのだが…シンボルエンカウントの意義を考えさせられる。


過剰に多いおつかいイベント
 

3回も現代と過去を往復させられるルーメン。
リフト待ちが面倒なのに何度も行くハメになる
大灯台
ルーラの効かない過去で何度も離れた場所を往復させられるマーディラス等、たらい回しにされるイベントには事欠かない。
 

そもそもRPGそのものがおつかいイベントいう説もあるが…だとしても多すぎる。
過去の世界ではルーラが使えないのもこれに拍車をかけている。



要らないすれ違い石板
 

本作はすれ違い通信で石板の交換が出来る(こちら側が提示した石板は失われない)
 

しかし作中で誰でも手に入る石板までもが交換可能になっているのが問題。(2枚以上所持する必要が無い)

それに加え、とりあえず石板が欲しいと思う人が大半なのか、最初に手に入るスラランの石板をすれ違い石板に設定している人が多すぎる。
持てる石板は24枚までという制限もあり、捨てる手間が生じるだけの産廃となっている。


キャラクターの表情
 

表情が殆ど変らないので、場面に合っていないと感じる事もあった。
 

特にレブレサック編のルカス。目を覆いたくなるような酷いシーンでも常にニコニコしている


キーファ関連のストーリーが相変わらず
 

序盤でまさかの永遠離別になるキーファだが、原作でもこれに関しては物議を醸しだしていた。
 

「主人公より主人公らしいキャラ」ということで人気もあっただけに、ココで永久にお別れなワケがないと期待を抱きながらプレイし、結局絶望感に捉われた人も少なくないだろう。
一部ではステータスUPの種を全てつぎ込んだのに別れることになり「種返せ」と激昂したプレイヤーもいるとの事…

そんなキーファなので、今回のリメイクにあたっては再度仲間になる等のイベントが追加されてもおかしくないと思っていたが結局そんな事はなかった
賛美両論あるだろうが、個人的にはそういうイベントが追加されても罰は当たらないんじゃないかと思う。

追記:後日公式配信により、キーファの後日談を見る事が出来るようになった。だが相変わらず仲間にはならない。


キャラが余る
 

終盤になるとキャラが一人余る事になる。
 

メインパーティ4人のLVが向上していくのに、一人だけ置いてけぼりを食う為そのまま永遠のベンチウォーマーになる事が多い。
切り替わりながらとはいえ、
ここまで5人で冒険してきたのにこの仕打ちはあんまりではないか…

リメイクにあたり改善されるんじゃないかと期待していたが…結局そんな事はなかった。
NPC含む5人パーティが実際にあったワケだから、最後は5人パーティになってくれても良かったんじゃないかと思う。


石板集めがやや辛い
 

本作ではストーリーを進める上で各地に隠された「石板」を探す事になる。一個でも取り逃すと途端にストーリーが進まなくなる為、不断の緊張が強いられる。
 

原作(PS版)では石板のかけら一個がどうしても見つからず、そのまま投げてしまうプレイヤーが続出していた。

本作ではその救済処置として「石板レーダー」が実装された。石板のある場所では光り、単純に落ちていればMAPに表示されるという便利っぷりだが…
「石板はあるが現状は取れない」という場合であっても光る為ムダに探し回る事になったり、
逆に石板があるのに光らない場所もあったりした。(クリア後の「魚になりたいモンスター」等)


感情移入が難しい主人公
 

歴代のドラクエ主人公に比べて、あまりにも格好悪い。
 

歴代同様に主人公が喋るワケではない為、どんな性格かはプレイヤーのイメージ次第だが…常々マリベルに罵倒されているのもあり、良いイメージはない。
この見た目はキャラデザをしている人の画風変化もあっての事だろうが…あまりにも目を覆いたくなる有様である。



重く暗い話が多い
 

昼ドラじみた男と女の汚い感情が見え隠れするグリンフレーク。
ルーメンの魔物迫害(これは致し方無い所もあるが、観てて気持ちのいいイベントではない。加えて選択を誤ると村が滅びる)

有翼種族が住む聖風の谷では、唯一翼がない少女に対して父親を含めた村人の殆どで差別していたり、コスタールでは赤ん坊が魔物に変えられる。
そして今や救いの無い最悪の村として伝説になりつつあるレブレサック。等が挙げられる。
 

これまでこれ程に重いストーリーを掲げた事のなかったドラクエが全く別のシリーズに感じる程である。(竜王の話など、背景では重い事はあったが…)
そういう意味では、従来のドラクエにあったような「汎用性に富んだRPG」とは言い難い気もする。


COMMENT(特徴・感想)

原作はプレイステーション作品であり、スーファミから初めてドラクエがプラットフォームを移した作品とも言える。
開発会社の変更や主人公の持つキャラクター等、これまで持っていた空気を一新したタイトルでもある。

管理人が本作から感じられたテーマは「人間の弱さ」。
窮状に立たされた人間達は目を覆いたくなるような事も徒党を組んでやってのける。プレイヤーはそれを見て「何このクズども」「こうはなるまい」「うわ〜コイツ最悪」等と思う。
しかし人間である以上、そうなる可能性は誰しもあります。

RPGとして、色々なメッセージが含まれているであろう本作だが、一方で「ドラクエでありながらドラクエらしくない」と感じた作品でもある。
(どうでも良いけど、本作から追加された特技や呪文名も「アルテマソード」「メイルストロム」等おおよそドラクエらしくない。むしろどこのFFかと…)
個人的には、ドラクエはここからおかしくなってきたと思った作品ですね。
原作はSFCからPSへとプラットフォームを移行した作品でもあり、本作からニューエイジに向けた作品になったのかもしれませんね。


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